『蜷川実花「瞬く光の庭」』 東京都庭園美術館

東京都庭園美術館
『蜷川実花「瞬く光の庭」』
2022/6/25〜9/4



東京都庭園美術館で開催中の『蜷川実花「瞬く光の庭」』を見てきました。

2001年に第26回木村伊兵衛写真賞を受賞した蜷川実花は、これまで花や植物、または人物から風景など幅広いモチーフとした写真を手がけ、映像や映画監督としても作品を発表するなど多様に活動してきました。



その蜷川の花をテーマとした個展が『蜷川実花「瞬く光の庭」』で、2021年以降に撮影された植物の写真と映像作品が公開されていました。



まずアール・デコ様式の本館に展開するのが、色とりどりの花びらをつけた花や植物の写真で、いずれも明るい光に包まれるようにして捉えられていました。



この光を蜷川は「光彩色」と呼んでいて、梅や河津桜、ネモフィラなどの四季の花々の写真が広間や通路を抜けるごとに飾られていました。部屋を移動するごとに、四季の移ろいを追体験できるような構成といえるかもしれません。



いずれも公園や庭の花壇に咲いている花を捉えていて、いわゆる野生ではなく、人の手によって育まれたもののみを写し出していました。



そもそも花とは蜷川にとってデビュー前より写し続けている身近なモチーフでありながら、コロナ禍の中、改めて撮影した時の気持ちを「生まれたての気分で撮った。」とも語っていて、一連の写真には新たな方向性も示されているのもしれません。



まさにアール・デコの装飾と蜷川の花がコラボレーションする展示で、館内は花の楽園を体現したかのように美しく彩られていました。またいくつかの写真は窓に展示されていましたが、戸外の光や庭園の緑と作品の世界とが響き合うような光景も魅力的に思えました。



こうした本館に続くのが、新館にて公開された映像インスタレーション『胡蝶めぐる季節』でした。



これは蝶に誘われたながら四季の花々をめぐる光景を映した作品で、中に入って花の咲き誇る空間を体感的に味わうことができました。身体が花々に包み込まれていくような浮遊感も得られるのではないでしょうか。



同じく新館での「なぜに花を撮り続けるのか。」を語る蜷川のインタビュー映像も充実していて、「花を撮って動いた心を写真で伝えたい。」とする言葉が印象に残りました。


アール・デコの館に花の楽園が出現!『蜷川実花「瞬く光の庭」』展レポート | イロハニアート

一部展示室の撮影が可能でした。9月4日まで開催されています。

『蜷川実花「瞬く光の庭」』 東京都庭園美術館@teienartmuseum
会期:2022年6月25日(土)〜9月4日(日)
休館:月曜日。ただし7月18日(月・祝)は開館、7月19日(火)は休館。
時間:10:00~18:00。
 *入館は閉館の30分前まで。
料金:一般1400(1120)円 、大学生1120(890)円、中学生・高校生・65歳以上700(560)円。
 *( )内は20名以上の団体料金。
 *小学生以下および都内在住在学の中学生は無料。
 *第3水曜日のシルバーデーは当面中止。
住所:港区白金台5-21-9
交通:都営三田線・東京メトロ南北線白金台駅1番出口より徒歩6分。JR線・東急目黒線目黒駅東口、正面口より徒歩7分。
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