『Yui Takada with ori.studio CHAOTIC ORDER 髙田唯 混沌とした秩序』 ギンザ・グラフィック・ギャラリー

ギンザ・グラフィック・ギャラリー
『Yui Takada with ori.studio CHAOTIC ORDER 髙田唯 混沌とした秩序』
2022/7/11~8/25



ギンザ・グラフィック・ギャラリーで開催中の『Yui Takada with ori.studio CHAOTIC ORDER 髙田唯 混沌とした秩序』を見てきました。

1980年に生まれたグラフィックデザイナー髙田唯は、2006年に事務所「Allright Graphics」設立すると、広告やパッケージ、ロゴといった幅広いデザインを手がけるなどして活動してきました。

その髙田のデザインを紹介するのが『Chaotic Order(混沌とした秩序)』とした展示で、凧をモチーフとしたインスタレーションと髙田が過去に手がけた仕事などが公開されていました。



まず1階のスペースに展開するのが、髙田が近頃、興味を抱いているという凧のインスタレーションでした。ここでは天井から壁一面に色とりどりの凧が吊られていて、会場を鮮やかに彩っていました。



いずれの凧も二本足の人のようなかたちをしたモチーフが描かれていて、フリーハンドを思わせるような揺らぎの伴う線も少なくありませんでした。

これらは髙田が日々の仕事の合間を縫って作られたものですが、一連の凧を目にしていると多くの人々が手を取り合いながら集っているようなイメージが浮かび上がりました。いわば凧の集会とも呼べるかもしれません。



一方の地下の展示室では髙田の多様なデザインが紹介されていて、それぞれの作品の意味をリーフレットから読み解けるように作られていました。



このデザインが驚くほどに大胆でかつ自由な発想に基づいていて、リーフレットを読まなければ何を表現しているのか分からないものも少なくありませんでした。



例えば「Carton Base」とは、髙田がグラフィックとして魅力を感じたという200mlの紙パック飲料の底面を模写した作品で、幾何学的ともいえるようなイメージが描かれていました。



また「Rip-Up Origami」は、折り紙を破っては色面を展開させたもので、さまざまな色をした折り紙の断片が抽象絵画のような世界を築いていました。



この他にもベビースターラーメンを線として捉えて地図を描いたり、電車の中吊り広告から背景の色面構成のみを表したり、ガムを吐き出して「口で作る彫刻」とするなど、もはや奇抜ともいえるようなアイデアからまったく予想もし得ないデザインが生み出されていました。



禁煙マークや自販機の100円マーク、それに駅や公園などの地図の中のコンパスをコレクションして写すなど、社会のさまざまな事象を観察する視線も極めてユニークではないでしょうか。



「ルールのない、好き勝手に遊びまわるプレイグランド」と解説にありましたが、スタイルにとらわれない発想力こそ髙田が生み出すデザインの源泉なのかもしれません。


予約は不要です。8月25日まで開催されています。

『Yui Takada with ori.studio CHAOTIC ORDER 髙田唯 混沌とした秩序』 ギンザ・グラフィック・ギャラリー@ggg_gallery
会期:2022年7月11日(月)~8月25日(木)
休廊:日曜・祝日。
時間:11:00~19:00
料金:無料
住所:中央区銀座7-7-2 DNP銀座ビル1F
交通:東京メトロ銀座線・日比谷線・丸ノ内線銀座駅から徒歩5分。JR線有楽町駅、新橋駅から徒歩10分。
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