世田谷美術館にて『絵本作家・わかやまけんの世界』が開催されています

1930年に生まれたわかやまけん(若山憲)は、「こぐまちゃんえほん」シリーズのほか多くの絵本を手がけると、絵本の研究誌『月刊絵本』創刊に関わるなど、戦後日本の絵本文化の普及に尽力しました。



そのわかやまの創作世界を紹介するのが『こぐまちゃんとしろくまちゃん 絵本作家・わかやまけんの世界』で、展示の内容についてPenオンラインに寄稿しました。

「こぐまちゃん」はこうして生まれた!世田谷美術館で展覧会が開催中|Pen Online

今回の展示では「こぐまちゃんえほん」シリーズの創作プロセスをたどるだけでなく、『おばけのどろんどろん』や『あかべこのおはなし』といったさまざまな絵本をはじめ、初期の紙芝居や雑誌『保育の友』の表紙原画など、わかやまの仕事の全貌を紹介していて、関連資料を含めると実に約230点もの作品が公開されていました。

このうち『あかべこのおはなし』とは、会津地方の郷土玩具、あかべこが会津磐梯山へと動物たちに誘われながら旅をする物語で、東日本大震災以降、福島の土地を知ってほしいと20年ぶりに復刊されました。

現在も全国社会福祉協議会出版部によって刊行の続く『保育の友』は、子どもの保育の内容や地域の保育のカリキュラムなどを紹介する雑誌で、わかやまは表紙絵を1982年から約10年間担当しました。いわゆる一点ものだけに、一枚一枚の絵が物語るような描き方にも工夫が見られるのではないでしょうか。



このほかでは、小さな豆本や「こぐまちゃんえほん」シリーズの発表前に描かれた下絵なども見どころといえるかもしれません。豊富な作品と資料にてわかやまの幅広い創作世界を知ることができました。

(フォトスポット)

混雑緩和のため、オンラインでの日時指定券が販売されています。なお美術館窓口にて当日券も購入できますが、来場時に予定数の販売が終了している場合があります。あらかじめチケットを予約されることをおすすめします。


世田谷美術館での会期以降、以下のスケジュールでの巡回が決まりました。

山形美術館:2023年4月~5月(予定)
岐阜県美術館:2023年7月21日 (金)~9月24日 (日)

9月4日まで開催されています。※一番上の写真はプレス内覧会時に主催者の許可を得て撮影しました。

『こぐまちゃんとしろくまちゃん 絵本作家・わかやまけんの世界』@wakayama_sekai) 世田谷美術館@setabi_official
会期:2022年7月2日(土)~9月4日(日)
休館:月曜日。ただし7月18日(月・祝)は開館、翌7月19日(火)は休館。
時間:10:00~18:00
 *最終入場は閉館の30分前まで
料金:一般1200円、65歳以上1000円、大学・高校生800円、中学・小学生500円。
住所:世田谷区砧公園1-2
交通:東急田園都市線用賀駅より徒歩17分。美術館行バス「美術館」下車徒歩3分
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