「第14回shiseido art egg 藤田クレア展  ふとうめいな繋がり」 資生堂ギャラリー

資生堂ギャラリー
「第14回shiseido art egg 藤田クレア展  ふとうめいな繋がり」
2020/11/27~12/20



資生堂ギャラリーで開催中の「第14回shiseido art egg 藤田クレア展  ふとうめいな繋がり」を見てきました。

1991年に中国の北京に生まれ、現在、東京藝術大学大学院美術研究科の助手に在籍する藤田クレアは、長い海外生活から「他者との違いを意識し」(解説より)、人とのコミュニケーションのあり方を問う作品などを制作してきました。


藤田クレア「静かなダンス」 2020年

その藤田は銀座の地下空間に築いたのは、巨大なシャンデリアのような噴水「静かなダンス」でした。 ちょうど8角形の台座の上に、花のような形をした噴水が起立していて、上から水が噴いては表面から滴り落ちていました。また噴水の上には透明のオブジェが宙に浮かんでいて、まるで飛天が舞うような姿にも見えました。



さらに噴水の周囲の壁には小さな金属のピストンが上下にゆっくりと動いていて、さながら噴水の水と呼応しているかのようでした。



噴水そのものは複数のチューブによって築かれていて、終始、水が下から上へと吸い上げられていました。また鼓動を打つような音が鳴っていて、音と水の動きが一定のリズムを刻んでいました。



これらは「秘密のダンスパーティー」(解説より)をイメージしたそうですが、私にはパーティーのような華やかさが醸し出されているというよりも、それこそ秘密、言い換えれば何らかの秘められた妖しい儀式が執り行われるようにも思えました。



一方で噴水から小展示室へと目を転じると、巻貝や水槽などを用いた数点のオブジェが展示されていました。


藤田クレア「Never the same」 2019年

「Never the same」は、回転運動によって稼働するピストンが、水飴と思しき液体の中へめり込むのように刺さる作品で、ぬるっとした液体とピストンが混じり合う姿は肉感的にも映りました。まるで未知の有機物を培養する装置のように見えるかもしれません。


「Invisible soundscape ~version 1 : (1 + √5)/2+x~ 」 2020年

巻貝を用いた「Invisible soundscape ~version 1 : (1 + √5)/2+x~ 」も興味深い作品ではないでしょうか。ここでは小さな金属球が回転する巻貝の表面を撫でるように接触していて、貝の形に応じて玉が動くと、それに連動して鉄琴が鳴るように作られていました。



機械仕掛けのオブジェやインスタレーションの動きに、不思議と人間の性や関わりなどが見え隠れするのが魅力と言えるかもしれません。目で動きを追いつつ、音を耳で確認しながら見入りました。

「第14回 shiseido art egg」展示スケジュール
西太志展:2020年10月2日(金)~10月25日(日)
橋本晶子展:2020年10月30日(金)~11月22日(日)
藤田クレア展:2020年11月27日(金)~12月20日(日)


オンラインでの事前予約制です。12月20日まで開催されています。

「第14回shiseido art egg 藤田クレア展  ふとうめいな繋がり」 資生堂ギャラリー@ShiseidoGallery
会期:2020年11月27日(金)~12月20日(日)
休廊:月曜日。*祝日が月曜にあたる場合も休館
料金:無料。
時間:11:00~19:00(平日)、11:00~18:00(日・祝)
住所:中央区銀座8-8-3 東京銀座資生堂ビル地下1階
交通:東京メトロ銀座線・日比谷線・丸ノ内線銀座駅A2出口から徒歩4分。東京メトロ銀座線新橋駅3番出口から徒歩4分。
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