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「どこでも恐竜博物館」で知りたい福井県立恐竜博物館

臨時休館中の福井県立恐竜博物館が、恐竜の標本などの解説を楽しめる動画、「どこでも恐竜博物館」をyoutubeにて配信しています。



「どこでも恐竜博物館」
https://www.youtube.com/playlist?list=PLB-BZhgSvlKaq_VYAy7AaeqtB-KyDM9i1

まず動画では「研究員の一押し標本はこれだ!」と題し、同館の15名の研究員が、博物館で展示している恐竜化石の標本などの「一押し」を紹介していて、全て視聴すると約45分ほどありました。



そのうち関谷透さんは巨大な「カマラサウルス」について取り上げていて、全身の90%の骨格が発見されていることや、頭が華奢であることから、地層で潰れてしまっている状態などを知ることが出来ました。また骨折の痕跡があるとの指摘も興味深く思えました。



一方でアンモナイトが専門の中田健太郎さんは「アステロセラス」を紹介していて、小部屋に区切られている黄色の浮きの部分があることから、水中で沈むことなく、静止出来ることについて触れていました。またアンモナイトは巻貝の仲間ではなく、イカやタコの仲間であることは、確かにあまり知られていないかもしれません。



また「手取層群の発掘と調査」では、湯川弘一さんが恐竜発掘現場のジオラマの前に立ちながら、複数の足跡の化石が発見されるという福井県の特徴について解説していました。またマネキンの着ている服や道具が実物であるとのエピソードも面白いのではないでしょうか。

どこか愛らしい姿をした「カコプス」を紹介するのは静谷あてなさんで、模型では分からない歯の存在や背中の骨などの生態や、ギリシャ語で「醜い」と「見た目」、つまり「不細工」に由来するという「カコプス」の語源について知ることが出来ました。いずれの解説動画も専門的な見地に基づきながら、平易で分かりやすい内容で語られていて、それぞれの恐竜の特徴などを良く学べました。



続く「新しい仲間たちを紹介します」の動画では、開館20周年の際に入れ替られた標本を中心に紹介していて、機敏に動くティラノサウルスのロボットも見て取れました。また博物館の中を移動しながら映しているため、骨格のスケール感や会場全体の雰囲気も得られるかもしれません。

「空から観察してみよう」では、かつやま動物の森に囲まれた恐竜博物館をドローンで空撮していて、銀色に光る卵形のドームやモニュメントのレインボーサウルスなどを臨場感のある形で見られました。



ここで特に面白いのは、普段立ち入れない恐竜化石発掘現場の地層を至近距離から映していることで、観察広場からは見られない恐竜の足跡化石も目の当たりに出来ました。崖全体の映像も迫力があるのではないでしょうか。



2000年に開館した福井県立恐竜博物館は、国内最大級の地質・古生物学博物館で知られ、近年、特に人気を博し、昨年度は90万名を超える入館者を記録しました。私も昨年秋、初めて行ってきましたが、想像以上のスケールで、過去に見た全ての恐竜展よりも楽しめました。



「禅の里と恐竜の故郷を旅して」 後編:福井県立恐竜博物館(はろるど)



新型コロナウイルスに伴う福井県の休業要請は5月18日に解除され、県内の各施設は順次開館したものの、恐竜博物館は県外からの来館者が多数を占めるために引き続き休館しています。5月26日の段階においても再開館のアナウンスはありません。



「恐竜博物館リニューアル4割アップ 福井県が構想、2023年夏目指す」(福井新聞)



2023年夏を予定するリニューアルでは、冬季も楽しめるように「オールシーズン体験可能な博物館」をコンセプトとしていて、特別展示室の増築や収蔵庫の拡張で約4割も面積が増えるなど、大規模な内容が構想されています。



私も博物館へ行った際は、時間の都合もあり、全ての施設を見て回れませんでした。再開館とリニューアルを心待ちにしながら、「どこでも恐竜博物館」にて恐竜の世界を楽しみたいと思います。

「福井県立恐竜博物館」 *5月26日現在、臨時休館中。
休館:第2・4水曜日
 *祝日の時は翌日が休館、夏休み期間は無休。
 *年末年始(12月29日~1月2日)但し2019年度は12月31日~1月2日。
 *施設点検などに伴う臨時休館あり。
時間:9:00~17:00
 *入館は16時半まで。
 *開館時間を拡大する期間あり。
料金:一般730(630)円、高・大学生420(320)円、小・中学生260(210)円。未就学児、70歳以上無料。
 *( )内は30名以上の団体料金。
 *特別展は別途料金。
 *毎月第3日曜日の「家庭の日」(7~9月を除く)、4月17日の「恐竜の日」、5月18日の「国際博物館の日」、10月15日の「化石の日」、11月第3土曜日の「関西文化の日」、2月7日の「ふるさとの日」は常設展観覧料が無料。
住所:福井県勝山市村岡町寺尾51-11 かつやま恐竜の森内
交通:えちぜん鉄道勝山永平寺線勝山駅下車、コミュニティバスにて約15分、及びまたはタクシーにて約10分。無料駐車場あり。(乗用車1500台分)
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