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「毘堂  i-con」 MEGUMI OGITA GALLERY

MEGUMI OGITA GALLERY
「毘堂  i-con」
5/10-5/28



メグミオギタギャラリーで開催中の毘堂(びどう)個展、「i-con」へ行ってきました。

展示概要、及び作家プロフィールなどについては同ギャラリーWEBサイトをご覧ください。

毘堂プロフィール/i-con」@MEGUMI OGITA GALLERY

さて毘堂なる作家名をはじめ、モナリザを思わせる上記DM画像からして謎めいた感がありますが、種明かしをしてしまえば彼は1992年、能面師の小川玄洞氏に師事してこの名を拝命した能面師です。よって会場にも伝統的な技法に基づく能面が展示されています。その数は計11点、いずれもが不思議な生気をたたえて掲げられていました。

しかしながら一般的な能面を連想するとまた違った印象を受けるかもしれません。能面のモチーフはモナリザ同様、西洋の古典絵画に由来するもので、作品自体もアンティーク調の額の中へ絵画の様相をとって収められています。フェルメールの「青いターバンの女」の他、ラトゥールの「女占い師」、またモディリアーニやピカソの名画の人物たちが、言わばキャンバス上より解放され、三次元の能面と化して登場していました。

そして興味深いのは、一見写実に忠実なような能面が、どこか絵画上の人物の特徴を捉えてデフォルメしたような表現を見せているところです。「青いターバンの少女」はオーバーアクション気味に横目を剥いています。その表情はむしろ絵画より豊かでした。

能面の表面にある細かな傷は、絵画作品の上にもあるひび割れを再現したものだそうです。それは能面制作でも「古色」と呼ばれて用いられる技術ですが、そうした独特の様式美も魅力の一つでした。

西洋絵画と能面が邂逅する瞬間はスリリングです。この二つが出会った時の意外性には驚きました。

カウンター奥に等伯画で有名な可愛らしい動物の能面が展示されています。そちらもお見逃しなきようご注意下さい。

5月28日までの開催です。これはおすすめします。

「毘堂  i-con」 MEGUMI OGITA GALLERY
会期:5月10日(火)~5月28日(土)
休廊:日・月・祝
時間:11:00~19:00
住所:中央区銀座2-16-12 銀座大塚ビルB1
交通:東京メトロ銀座線銀座駅A13出口徒歩7分、東京メトロ日比谷線・都営浅草線東銀座駅3番出口徒歩5分、東京メトロ有楽町線新富町駅1番出口徒歩5分。
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