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「風間サチコ - 平成博2010」 無人島プロダクション

無人島プロダクション江東区三好2-12-6
「風間サチコ - 平成博2010」
10/7-11/27



無人島プロダクションで開催中の風間サチコ個展、「平成博2010」へ行ってきました。

スペースを拡張としての移転後、初となる風間の個展ということで、大きな作品が展示されるかと思いきや、意外にも比較的小さなサイズのものが殆どでした。とは言え、昭和の記憶を呼び覚まし、そこを時にアイロニカルな眼差しで見つめる風間の視点は変わりません。見応えは十分でした。

今回のテーマはそれこそちょうどお隣の国でタイムリーな話題を提供している「博覧会」そのものです。「戦前・戦中の地方博覧会の国策・啓蒙パビリオンを下敷き」(プレスリリースより引用)に、この平成における様々な事件や社会現象などを引き出して、版画上に疑似博覧会を繰り広げていました。

ふるさと創生一億円から出来た実際のモニュメントを組み合わせた「ふるさと創生館」をはじめ、当時社会を震撼させた宮崎事件の「僕の部屋館」、さらにはまだ記憶も生々しい9.11からの「9.11館」と、どれも記憶に深い歴史の一ページから、驚くべきほどの多様なイメージを作り上げています。パビリオンはさながら平成の歴史絵巻でした。

戦中・戦前の博覧会の様子は、風間自身のコレクションだという当時の絵葉書から知ることが出来ます。仰々しいまでのスローガン、建物の奇想天外でかつどこか悪趣味な様相は、平成博から見透かされた様々な「現在」の事象と共通するものがありました。

「くるくる総理(コドモの国)」がまた強烈です。平成における混沌とした日本の政治状況を、それを生み出した我々を含めて痛烈に皮肉っていました。



代々木八幡のラムフロムでも同時に個展が開催中です。そちらも是非伺いたいです。

「風間サチコ展 ドジョ戦記:水がヌルくて死にそうです。」@GALLERY at lammfromm 10/8-11/23

今回の一連の作品は今後、シリーズ化していくという構想もあるのだそうです。その展開にも注目したいと思います。

11月27日まで開催されています。
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