都内近郊の美術館や博物館を巡り歩く週末。展覧会の感想などを書いています。
はろるど
「福永大介展 - Local Emotion - 」 小山登美夫ギャラリー
小山登美夫ギャラリー(江東区清澄1-3-2 6階)
「福永大介展 - Local Emotion - 」
4/5-26

身近な『うらぶれた場所』(展覧会チラシより。)を描き続けるという、福永大介(1981-)の新作個展です。表現主義的の鮮やかな色彩感にて、街角にひっそりと身を潜めたモノたちへスポットライトを当てています。
その描かれた場所は街でも放置された、例えば日も当たらないゴミ置き場や体育館の壁際などですが、中でも特に目立つ、言い換えればこの個展の一つの象徴として存在しているのが、そんなうらぶれた場を自らの生息地として選んで住んでいるようなモップの数々です。まるでカラフルなパーマをかけた髪を振り乱しているかのようなモップたちが、適切な表現ではないかもしれませんが、例えば目立たない日陰にてタバコを吸う未成年者のような面持ちでたむろしています。整理されない水道のホース、または廃タイヤ、そして穴のあいた壁などがまさに場末の気配を漂わせ、そこにモップが逆に水を得た魚のように生き生きと生息しているわけです。一見、乱雑に塗られたようなケバケバしい色彩感が、またモップたちに命を吹き込んでいます。集団で壁に落書きをする『不良モップ』。そんなイメージもわいてきました。
都会の暗部を抉り出し、そこで生きる者をモップに象徴させて表しているのかもしれません。今月26日までの開催です。
「現代アートビジネス/小山登美夫/アスキー新書」
*ギャラリストとアーティスト、それに現代アート作品と「お金」との関係などを、村上隆や奈良美智ら例を交えて平易に語ります。突っ込んだ議論はありませんが、著者自身の画廊運営の経験を引き合いに出して示される、現在の国内外のアートシーンを探るには最適な一冊です。日本の現代アート市場の未熟さを指摘しながら、アジアのアートバブルへ警鐘を鳴らしていました。
「福永大介展 - Local Emotion - 」
4/5-26

身近な『うらぶれた場所』(展覧会チラシより。)を描き続けるという、福永大介(1981-)の新作個展です。表現主義的の鮮やかな色彩感にて、街角にひっそりと身を潜めたモノたちへスポットライトを当てています。
その描かれた場所は街でも放置された、例えば日も当たらないゴミ置き場や体育館の壁際などですが、中でも特に目立つ、言い換えればこの個展の一つの象徴として存在しているのが、そんなうらぶれた場を自らの生息地として選んで住んでいるようなモップの数々です。まるでカラフルなパーマをかけた髪を振り乱しているかのようなモップたちが、適切な表現ではないかもしれませんが、例えば目立たない日陰にてタバコを吸う未成年者のような面持ちでたむろしています。整理されない水道のホース、または廃タイヤ、そして穴のあいた壁などがまさに場末の気配を漂わせ、そこにモップが逆に水を得た魚のように生き生きと生息しているわけです。一見、乱雑に塗られたようなケバケバしい色彩感が、またモップたちに命を吹き込んでいます。集団で壁に落書きをする『不良モップ』。そんなイメージもわいてきました。
都会の暗部を抉り出し、そこで生きる者をモップに象徴させて表しているのかもしれません。今月26日までの開催です。

*ギャラリストとアーティスト、それに現代アート作品と「お金」との関係などを、村上隆や奈良美智ら例を交えて平易に語ります。突っ込んだ議論はありませんが、著者自身の画廊運営の経験を引き合いに出して示される、現在の国内外のアートシーンを探るには最適な一冊です。日本の現代アート市場の未熟さを指摘しながら、アジアのアートバブルへ警鐘を鳴らしていました。
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