都内近郊の美術館や博物館を巡り歩く週末。展覧会の感想などを書いています。
はろるど
「富士登山/南条嘉毅」 YUKARI ART CONTEMPORARY
YUKARI ART CONTEMPORARY(目黒区鷹番2-5-2 市川ヴィラ1階)
「富士登山/南条嘉毅」
3/22-4/26

「本物の土を使った非常にユニークな方法で絵画を制作している」(公式HPより。)という、南条嘉毅(1977~)の新作個展です。作家本人が歩いて採集した土を素材に、余白の残像に切り取られた富士山の光景を描いています。
導入に富士山の全景を捉えた「富士山図」(上のDM画像です。)が掲げられていますが、その他にあるのは南条が実際に登り、そして見た、富士山の道中を記録写真の如く描いたドローイングです。そもそも、描かれた場所で採取した土を絵具と同じくキャンバス上へのせていくことからして特異ですが、結果生まれた絵画の様相も写実的でありながら、その削がれた色面の生む抽象性と同居する、実に個性豊かなものに仕上がっていました。土やアクリル絵具を、小さな紙片を切絵を貼り合わせるように連ね、さらには抜き出した余白の生む空間と対比させながら、富士山の崖や頂を大胆かつ繊細に表現しています。崩落する山の面、そして社、また広がる荒れ地などが、その場の記憶を保存した土とともに確かに伝えられていました。土に寄り添うかのようにして登場する絵具は、あくまでもそれを補完するものとして用いられているとも言えそうです。
山頂の建物群など、あたかも写真を切り取ったコラージュのように描かれているのも面白く感じました。また残された「白」が、逆にその場のイメージを大きく膨らませています。
今月26日までの開催です。
「富士登山/南条嘉毅」
3/22-4/26

「本物の土を使った非常にユニークな方法で絵画を制作している」(公式HPより。)という、南条嘉毅(1977~)の新作個展です。作家本人が歩いて採集した土を素材に、余白の残像に切り取られた富士山の光景を描いています。
導入に富士山の全景を捉えた「富士山図」(上のDM画像です。)が掲げられていますが、その他にあるのは南条が実際に登り、そして見た、富士山の道中を記録写真の如く描いたドローイングです。そもそも、描かれた場所で採取した土を絵具と同じくキャンバス上へのせていくことからして特異ですが、結果生まれた絵画の様相も写実的でありながら、その削がれた色面の生む抽象性と同居する、実に個性豊かなものに仕上がっていました。土やアクリル絵具を、小さな紙片を切絵を貼り合わせるように連ね、さらには抜き出した余白の生む空間と対比させながら、富士山の崖や頂を大胆かつ繊細に表現しています。崩落する山の面、そして社、また広がる荒れ地などが、その場の記憶を保存した土とともに確かに伝えられていました。土に寄り添うかのようにして登場する絵具は、あくまでもそれを補完するものとして用いられているとも言えそうです。
山頂の建物群など、あたかも写真を切り取ったコラージュのように描かれているのも面白く感じました。また残された「白」が、逆にその場のイメージを大きく膨らませています。
今月26日までの開催です。
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )
SEARCH
CATEGORY
展覧会(2243) |
内覧会(215) |
ギャラリー(1024) |
美術一般(359) |
美術作品(82) |
記者発表会(15) |
寄稿・更新情報(63) |
レクチャー@展覧会(33) |
WEBで見る展覧会(26) |
カフェ@美術館(11) |
行楽・旅行(99) |
コンサート(120) |
クラシック音楽(120) |
映画(16) |
書籍・書店(54) |
演劇(2) |
お知らせ/その他(63) |
予定と振りかえり(297) |
ブログリンク(1) |
このブログについて(1) |
RECENT ENTRY
RECENT COMMENT
nerotch9055/『キース・ヘリング展 アートをストリートへ』 森アーツセンターギャラリー |
nerotch9055/『山本基 時に宿る – Staying in Time–』 YUKIKOMIZUTANI |
genkidase/画家、佐伯祐三の回顧展が東京ステーションギャラリーにて開かれています |
nonnonnowaqwaq/画家、佐伯祐三の回顧展が東京ステーションギャラリーにて開かれています |
nerotch9055/『江口寿史イラストレーション展 彼女』 千葉県立美術館 |
さなえ/青森の美術館をめぐる旅:十和田・青森・弘前 Vol.2青森県立美術館・国際芸術センター青森 |
nerotch9055/絵本作家、かこさとしの展覧会がBunkamura ザ・ミュージアムにて開催されています |
うりぼん/『彫刻刀が刻む戦後日本―2つの民衆版画運動』 町田市立国際版画美術館 |
aoikitakaze4390031/ウィークリーブック『隔週刊 古寺行こう』 小学館 |
onscreen/2022年上半期に見たい展覧会5選 |
BOOKMARK
artscape |
artgene |
art-it |
Internet Museum |
Kalonsnet |
Pen-Online |
Tokyo Art Beat |
アートアジェンダ |
イロハニアート |
東京アートカレンダー |
国立美術館 |
文化遺産オンライン |
CLASSICA |
ぶらあぼ |
ブログリンク集 |
楽活 |