東京都交響楽団への「リストラ」。

都が前々から計画していた都響のリストラ策が決定したようです。

オーケストラにもリストラの波、都響が能力主義導入(YOMIURI-ON-LINE)
国内屈指の名門オーケストラ、東京都交響楽団が、演奏者に有期雇用制や業績評価に基づく年俸制を適用するリストラ策を導入する。27日、楽員組合と事務局の交渉で決まった。国内の楽団で、演奏者に民間企業並みの能力主義を課す例は初めて。自治体や支援企業の動向で台所事情の厳しい楽団も多く、他団体にも影響を与えそうだ。

以前に、都響の演奏会会場でこの問題について書かれたビラをいただいたことがあります。その際に私も、少しだけ「リストラ」について見聞きしました。賛否両論と議論もなされていたようですが、例えば、最近の都現代美術館の経費削減を見ても分かるように、都による既存の文化的活動へリストラ策は、知事の強いイニシアチブを持って打ち出されています。私のような一ファンとしては、一千万都市が一つのオーケストラも満足に運営できないのかとも単純に思ってしまいますが、そんなことを嘆いても何もはじまりません…。この「リストラ」によって、都響がこの先どんな方向へ進むのかは確かに不安に思います。ただ、市場も決して大きくはないクラシックコンサートの世界では、巨大なオーケストラを色々な意味で支えていくのが何かと大変であるのも事実でしょう。(もちろんだからこそ「公」が支えるべきとも主張できます。ただ、その辺は議会や知事の判断、それに都民の判断を仰ぐしかありません。)しかし何とか都響には、今までのような水準を維持して欲しいものです。私もなるべく都響の演奏会へ足を運んで、今まで幾度も堪能させていただいた素晴らしい演奏に接することができればと、無責任ながらも思います。

ところで、報道にもあるオーケストラの契約雇用形態や、ある一定の年棒水準などは、諸外国や国内の他のオーケストラと比べるとどのように捉えられるのでしょうか。その辺を分析した記事が載るとありがたいです。
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