毎日毎日、飽きもせず・・・

韓国のドラマ・映画・音楽を楽しんでいます。
そんな小さな楽しみを綴っていきたいと思います!(完全ネタバレしています)

『オールド・ボーイ』

2006-03-21 00:43:43 | MOVIE
出演:チェ・ミンシク、ユ・ジテ
   カン・ヘジョン
監督・脚本:パク・チャヌク
原作:土屋ガロン
2004年
2004年カンヌ国際映画祭グランプリ受賞


ある日酒を飲んで帰る途中に拉致され、それから15年もの間、理由もわからず
監禁生活を強いられる。
そして15年後男は解放される。
それから彼は自分をこんな目にあわせた奴を探しだし、復讐への道を歩んでいくのだが
そこには徐々に明らかになっていく監禁の理由と衝撃の出来事が待っていた・・・・


これを撮った監督は『JSA』の監督さんです。
この作品がカンヌを受賞したときタランティーノが絶賛してましたよね。
確かにタランティーノが好きそうな感じだと見終わって思いました。

噂どおりエグイシーンや暴力シーンが多々ありましたが、
私はそれほど嫌悪感なく見ることができました。
見た目の暴力的な事よりも心(精神)にくるダメージの方が大きいだろう事を思い
あのラストを思うとそっちの方が痛いですね。

 ユ・ジテ演じるイ・ウジンは復讐する事だけを生きがいに生きてきて
緻密かつ巧妙にチェ・ミンシク演じるオ・デスに対し復讐していくわけですが、
彼の人格が完全に猟奇的な雰囲気ではなく、と言うかユ・ジテの持つ雰囲気が
どこか柔らかく悲しく、その辺のギャップも完全な悪者という感じがしないのです。
一方の15年間に及ぶ理不尽な監禁をされたオ・デスは逆に復讐の鬼と化している。
チェ・ミンシクの演技は本当に素晴らしい。
監禁当時の人格から監禁中、監禁後とどんどん変わっていく人格の変化も素晴らしかったです。


 一度映画を見終えたあと、監督のコメンタリーでも見たのですが、
監督って本当にすごい仕事なんですね。
あの監禁部屋のライトの色や紫の色の使い方、勿論音楽、初めの監禁前の生活と
その後を区別するための撮影方法の違い、タイトルの入れ方など
場面に沿って聞いていると監督の細部にわたるこだわりがわかっていきます。
その中で監督が言っていました。「オ・デスの執念、努力は常に徒労に終わります」と。
これもこの作品のコンセプトなんだと。
確かに言われて見ればずっとそうなんですよね。
私は別に将来映画を撮るわけではないけど「勉強になります!」と監督に言いたい気持ちになりました!!

この映画に出てくるキーワード「監禁」「復讐」「暴力」「近親相姦」など
どれを取ってみてもいい言葉は一つもないけれど見た後に何か心に残る、
例え厭な負の感情だとしても何かが心に残る映画だということは
間違いないと思います。

そして決して今はやりの韓流ではないことも確かです。



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