この 酔芙蓉は、鳴門市にある、びんびや と言う、活き魚料理店の店の横に咲いている
10年前までは、もっと、美しかった。店を建替えて、酔芙蓉も植え替えたらしい。駐車場のすぐ、傍らに咲いていたので、手にとるように近くで見ることができた。
今回、食事がてら、酔芙蓉が咲いているだろうと、楽しみに行った。
花は、石垣の上にあり、近くで見ようとしても、どこからも、良く見える場所は無い。石垣の下から、見上げやっと、写真は撮ることができた。
記憶の花は、白は真白で一点のかぎりも無い。酔って、紅くなりかけた花がそれこそ、薄紅から、濃い紅まで、何色か同じ木に咲いていた。
写真で見ると、白に見えるが、ほんの薄く、桃色ががり、白芙蓉とは言い難い。しぼんでしまった花が濃い紅色で、酔芙蓉の名残りかと思える。
☆ おもかげのうする々芙蓉ひらきけり 安住 敦
☆ 呪ふ人は好きな人なり紅芙蓉 長谷川かな女
いつも散歩で行っていた、小さい牧場が、トンネル工事で、車の出這入りも騒がしく、近寄ることができなかった。一段落したのか、10日くらい前から、通行止めの立看板が無い。
ポニーちゃんに久ぶりに逢おうかと行きかける。となんと道野辺に酔芙蓉の花が。
こんな場所に有るとは何年も歩いていて気が付かなかった。
莟は、まことに白い。外の花びらになるのが、薄いピンクで、酔芙蓉になりますと主張しているかに。
もう少し、大きく開きかけると、外側の花びらはピンクの部分が多くなってくる。
開ききると、こんなに美しい紅色にだ。
八重十重に花びらが重なっている。
一本の木で、この変化をみることができ、ポニーに逢うのは次の機会にして、酔芙蓉を満喫した。
☆ ロゼといふ色に出でたる酔芙蓉 後藤比奈夫
☆ 存へて浮世よろしも酔芙蓉 森 澄雄
☆ 北京にも横町ありて酔芙蓉 塩川雄三
かた翳りしたる山家の酔芙蓉
酔芙蓉エクレア好きな兄妹
海に向く魚魂碑ありぬ酔芙蓉
潮風に曇る鏡や酔芙蓉