老人雑記

生活の中で気づいた浮世の事

Ⅰ時間でできるスマホのカバー

2015-08-31 13:44:42 | 俳句


       秋黴雨裁縫ごころ目を覚ます

雨の日だから、ちくちくしょうか。
ハンカチを見ていて、これで何かつくれないかと考えた。
折り紙のように折っているうちに思いついたのが、スマホのケース。



       秋の雨あわあわと啼く烏かな

材料は山のようにある。見た目がすっきり、和布がいい。



       鵙高音どうやら近くにゐるらしい

何か作れると思って集めていた、土佐紬。色あいと、縞が気に入り 何枚か持っている。
赤系、茶系、紺系、の中から選んで この生地に。



       たかがうどんされどうどんや小鳥来る

生地の幅は 37センチ。正方形に裁つ。裏に薄い接着芯を貼る。
接着芯は残っていたのを使ったので、少し幅が足らなっかたがこれで十分。



       秋の雨句会へ急ぐ甃

友人からメール。いいなあ~。わたしゃ独り句会だもんな。
中心に、横の線を持ってゆき、しっかりとアイロンをかける。
二つに折る。
両端は7ミリ残し、四つに畳む。7ミリは最後に裏の底を纏る分。

中表にして両端を縫う。底になる部分の7ミリを折り込んで、纏る。
お表に返して出来上がり。
しっかりした、ケースの出来上がる。スマホを入れるのに、ぴったりとおあつらえむきの大きさだ。
二重になっているので、硬さも良い具合、堅からず柔らかからず、ちょうどよい。
ステッチをかけて、立派なスマホケース。思っていた以上に気にいった。
一時間もかからなかった。簡単だが、沢山はいらないしなあ~。。。プレゼント用に作り置きしておこうか。押プレゼントしないと心に誓ったなは誰かしら。。。
バックに入れるには、スマホが痛まなくていい。取り出し易い。


    しりとり俳句から生まれた句
        父の顔やさし案山子の一家かな
        六地蔵さまに野菊を祀りけり
        釣り人に右脳左脳や秋日濃し
        秋の夜や島のホテルの灯の近し
        畑の畦筋隈のやう曼珠沙華
        秋黴雨舫ふてをりぬ遊覧船
        秋霖や三門へつづく杉林
        カンカン石吊る方丈や竹の春
        蓮の葉の上を闊歩の白い鷺 
        画集二冊入院鞄に添水鳴る
        歳時記から消ゆあやとりや夜の長し


オソマツは滅入ることがあって、推敲も吟味もしたくない。やけ酒飲みたい心境。

  




 












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街道をゆく うだつの町

2015-08-29 23:32:45 | 俳句
司馬遼太郎の阿波紀行が書かれてから もう27年にもなるのだ。
うだつの町は、今では、徳島県の西阿波の観光地になっている。
電柱は地下に埋められている。明治かそれより古い町の景色がかもしだされている。



南町の通りをぶらぶらした。どの民家も、重厚な うだつ があがている。



中世の日本語のなかに「町衆」といういいことばがある。
町においてその町域での自治権をもつ人達のことである。、、、、、、、

亰での町衆は、祇園会(祗園祭)などを運営し堺での町衆は、守護からその独立を守るために自衛力さえもっていた。
そのような :町衆: の栄光は、戦後の地方自治体にひきつがれてもよいものであったが、戦後の多くの都市は流入人口が多くて容易には継承できなかった。
ひょとすると、この脇町こそその栄光を継承している町ではないかと思ったりした。

瓦と格子造りの表構えが、なんともいえず結構である。二階はシックイで白くふちどりした虫籠窓が、二つならんでいる。それを見ながら、一室の前を通りすぎるとき、その部屋に、数人の :町衆: らしい品格の人たちが、協議しているのを見た。その寄合風景がなんともよくて、そとからガラスごしに不作法ながらながめていると、どうぞということで、招じいれてもらった。話がないまま
「いい町ですね」
というと、どなたも、だまって頭をさげられた。まことに品のいい :町衆: の感じである。



この脇町なら、ヨーロッパの古い町にくらべても、構造物の厚みや界隈としての造形性おいてひけをとらないないのではないか。
どの民家も、古さが孤立しておらず、中町も南町も他の小路も、面として保存されている。




もう一つ感心すらのは、それらの古い町並があたらしい図書館、中学校、あるいは民間のスーパー・ストアーといった新築の建物とよく調和し、全体として都市造形をかたちづくっていることである。

以上 司馬遼太郎さんの うだつの町脇町の文章を抜粋した。
脇町は、いい町である。


    しりとり俳句から生まれた句
        夫がゐて吾れゐて猫ゐる秋の暮
        真葛原狐の嫁入り通りけり
        旅土産朴の落葉とお六櫛
        秋想ふ作り手に似し人形の顔

         オソマツ
        






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夏の疲れ

2015-08-29 17:40:11 | 俳句

何にもする気ない。
美術館へ行ったが。。。

昨日のしりとり俳句から。

新しいページ のしり取り俳句にお邪魔した。
阿波弁の (ほなけんどしり取り俳句)
「ほなけんど」は「そうは言っても」「しかしながら」「でも」 そんなニュアンスかな。

  爽やかな風新しき門出かな    挨拶句である。挨拶は通じる相手が限られる。
  
  畑収め秋の遍路に発たんかな   秋 を繋ぐ
  珠と光れり盆栽の姫林檎     盆 を繋ぐ
  置床や投げ入れありぬ青い栗   青栗 を繋ぐ
  玉垣に沿ひ萩の咲く径かな    萩 を繋ぐ
  西瓜喰ひ散らすにつくき烏かな  西瓜 を繋ぐ
  水澄むや鑿の痕ある手水鉢    水澄む を繋ぐ
  風呂敷を解けばくずれる梨の山  解く を繋ぐ
  異邦人ごと故郷や秋の草     秋の草 を繋ぐ
  色の無き風魚鼓の腹打ちにけり  色 を繋ぐ
  律の風水琴鳴るを待ちをりぬ   律 を繋ぐ  
  くさめしてはつと猫の尾踏みにけり    くさめ を繋ぐ
  水の辺に蜻蛉撮るこつなど聞いて  蜻蛉 を繋ぐ
  団栗吟行大きな叺すぐいっぱい  団 を繋ぐ
  夏惜しむ砂に転がる青い瓶    転がる を繋ぐ

昨日は多作。
季語から 入ってないし、自分でも快心ではないけれど、沢山の句が作くれた。作れたから、それが どしたん?天邪鬼言わんと、句が出たからいいじゃん。そうか?
言葉を ヒント に 句を作るから、あくまで頭の体操だ。
しかし、ポケ~ット していては、句の一つもできぬ。
昨日の句はこれが全部。いいと思うのも、ないことは無い。自己満足、そうだよ悪いか?
推敲、推敲。
律の風と水琴は付すぎ。どちらも音。
置き床の青栗、栗が効いていない。どんな花や枝を持ってきてもいい。
風呂敷の梨 柿でもいいじゃん。
ああ 難しい。
それがどしたん俳句の見本ですな。
     オソマツ

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阿波紀行(脇町) 司馬遼太郎 

2015-08-28 07:29:27 | 俳句


 阿波へゆくことにした。、、、、東西一文字に流れている吉野川を見、その下流の大きな野を見たい。  
阿波は南街道である。道は、文武天皇のときにさだめられた制で、、、、、、全国を七道にわけ、、、、
司馬遼太郎が、週刊朝日に1988年4月~1988年8月に連載した、街道をゆくの阿波紀行の最初のページだ。


         吉野川の南岸の山並              吉野川の北岸の山並

吉野川の北岸を 西へむかっている。
讃岐山脈が右手にあって上流にむかうにつれて迫ってきた程度が変化かもしれない。つい眠くなった。
ふと覚めると、景色が一変していた。並木通りにいて、道の左肩は、堀川になって深く落ちている。家並から往来する町の人まで、いままでとちがった風情なのである。
「ここは、どこです。」
「脇町へゆけとおしゃたでしょう。そこです。」運転手さんがいった。



阿波のよさは、ひょとすると脇町に尽きるのではないかとかねがね思ってきたが、来るのははじめてだある。白壁塗りや土蔵造りの江戸期、明治期の商家が軒をならべているときいたのだが、車を降りたとたんにみえたのは、城のように大きい土蔵造りの建物だった。
「あれは、なんです」
「スーパーです」と運転手さんがいった。
しゃれたものではないか。脇町のよさは土蔵造りの家並だから、それを町造りの基調にして、そういう個性がさらに再生産されてスーパー・ストアができあがっている。しかも模倣の薄っぺらさを感じさせず、真正面から、四つに取り組んで設計されているようなのである。



小路に入ると、明治時代か、それ以前の景色になる。
中通りと呼ばれるあたりを歩いていると、ずっしりとした白壁に出くわした。寝床構造の土蔵がながながとつづいている。その白壁に「脇町図書館」という白文字が、陽刻されていた。
小さな開口部が穿たれていて、そこだけは、壁の腰が なまこ塗りになっている。くぐってみると、中庭になる。敷石がしかれていて、まことに清雅である。



中庭をかこんで、廻廊のようにして長い棟の建物が、組みあわされている。



図書館の中庭に残っているお稲荷さん。 図書館は古い農協の建物を改装、改築したらしい。
中庭には、古い倉庫を改装した中に 御神輿も展示、保管されている。


       藍蔵。

吉野川を通じて舟運が行われた。舟に荷をのせれば東方の海まで運ぶことができた。



       柳の芽かつて藍屋の舟着場    葉
       ともがきは名人ぞろひや阿波踊   葉

私は、司馬遼太郎の愛読者のひとりで、末席のほうにいた。


       

    しりとり俳句から生まれた句

          釣瓶井戸残る色無き風の町
          ありて無き島の時間や鰡を釣る
          吾れに戻る夜業のドアを閉めてより 
          御陵に頭を下げて秋耕す

               オソマツ
        
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徳島 美馬市 脇町

2015-08-27 18:46:51 | 俳句


美馬市 脇町へ行く。
夏休みも 終わりに近づいたので、道路は、空いているだろうし、今朝は涼しそうだから、夫が、行かないかと、誘う。
道路は空いていた。いつも、混雑している、香川から、徳島への道筋にある 道の駅も閑散としていた。
山は、まだまだ、深い緑だけど、雲は筋が入っていて 秋を感じさせる。

「ゆつくり ごらんなして」は阿波弁。まず訪ねた脇町の うだつ の町を歩いていると こんな 言葉を染め上げた暖簾が 大きな商家の 軒先にかかっている。
標準語だと「ゆっくりと ご覧ください。」だ。




夫が言っていたようには、涼しくない一日となる。
残暑が厳しく、町筋を歩くだけで、じりじりと、洋服から出ている肌が焼ける感じがする。



阿波の郷土食、蕎麦米雑炊の店に入る。
まず、蕎麦米を炊く。人参、椎茸、里芋、油揚げ、大根 等々を 鳥のだし汁で炊いた物を、醤油味を付けて、雑炊に仕上げる、素朴な食事だ。料理というほどの物ではない。
今日ほこの雑炊に焼いたお餅が入っていて、充分に腹にこたえる。美味しかった。
餡蜜のデザートも付いて、まま、満足。


今日だけ、私の故郷だから 食べ物を載せた。




しりとり俳句から生まれた句
私の知らぬところで、歩いていた句を見つけた。嬉しいやら、怖いやら。
     
       むずかれる猫持て余す薄暑かな
       蝙蝠の掠めてゆきぬ薪能
       優曇華や黒く光れる床柱
       帰省子の食べ歩く徳島ラーメン
       紅いバラ言葉巧みな女の子

          オソマツ
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