老人雑記

生活の中で気づいた浮世の事

等身大の人形

2015-09-10 11:56:37 | 俳句
ドライブをしていると、等身大の人形が立っていた。
案山子では無い。町起こしの為、附近の人達が人形を作り、辻や、道野辺に立てたと聞く。
雨や風から、守るため、しっかりとビニールで身を包んでいる。
町起こしの費用に100万円をかけて、この人形のお出ましとなったらしい。
一輪車に乗った子供や、首から札を吊り、その札に「健康のために歩きましょう」などと書いてある。
お顔がどこかで使わないマネキン人形を貰った?のか、目鼻だちが麗しい。
たまたま通りすがりに見た人形。お天の良い日はこの人形の立って入る場所を探して歩き、村起こしに参加しようかな。


     ☆   葛城の夕日を抱ける案山子かな    山田弘子

     ☆   築波嶺の紫紺となりし案山子かな   西村純吉

     ☆   蔵王澄む案山子祭の村に来て   岸のふ

案山子を詠みつ、自然の大きい景色に着目している素晴らしい俳句だと感じる。

     ☆   頼りなくあれど頼りの案山子かな   清崎敏郎

     ☆   村を出るやうな身なりの案山子かな   望月周

     ☆   綽名持つ学校田の案山子かな   吉村一郎

案山子そのものを詠む。清崎敏郎の句なんか、農民の心に深く入り込んでいる。
田んぼや畑の作物を鳥や害獣から守るための、案山子。
我が町では最近は余り見かけなくなった。少し山里の方だと、煙火や花火を揚げている。時間がくれば、大きい音が鳴るようにセットされていたり、昔と様子が変わった。
私の散歩径では、とりどりのビニールテープが、太陽にキラキラときらめき、風に揺れている。古いカセットの盤を吊るしたりもしている。


       秋黴雨名残りのカンナ咲いてをり
       秋の夜の心と身体うらおもて
       屋根伝ひざしきわらしの来る月夜
       星流る入浴剤の蒼い色
       こんなにも庭で採れたるむかご飯

          オソマツ

 
コメント
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