老人雑記

生活の中で気づいた浮世の事

    燕の巣園児の列の通りけり

2016-07-31 10:44:48 | 俳句
        ☆   海岸にさびれたホテル初燕     長谷川櫂

        

いつも通っている病院。
いつもは正面の玄関から入るのだけれど、たまたま救急入り口の扉の前で知り合いの職員がいたので立ち話をする。
ふと上を見上げると、燕の巣がある。
四羽の子燕が大な口を一斉にあけている。
親燕が餌を持って帰らんとするところだった。
七月も終わり。
今頃?と思っていると、今年は二度目の子育てらしい。
一度めの子燕はもう巣立っていったと云う。
通りかかった医師と三人が立ち話をしていると、親燕が近よらなくなった。警戒をしているみたいである。
巣の傍にダンボールで囲いをしている。
烏が、巣を狙ってくるので防止をしているそうだ。病院中で燕の巣立ちに優しい眼差しで接しているらしい。

          

         ⁂    俳諧に三つの扉燕の子   三玉一郎

「家族で楽しむ俳句、感性をが豊かな子供を育む俳句ー三つの扉」
のテーマで、季語歳を主催している人々の講演会、句会があったようだ。

三つの扉とは「日本語力」「発見力」「ひらめき」を育てる。 詳細は省く、、、、、、。

公演のあとの句会の特選句が上記の句。

つき過ぎず、はなれ過ぎずに、下五に燕の子の斡旋。
一読して 講演のテーマを即吟した素晴らしい取り合わせの句と思った。

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   碧い沖縄の海のような色の風鈴

2016-07-30 15:43:49 | 俳句

          ☆    まんた泳ぐ太平洋の明易し    長谷川櫂

          

去年の「俳句」八月号の特別作品50句の中の一句。
戦後70年を詠った句は、戦争と生と死を意識し沖縄を題材にした句である。その中でこの句は、大きい宇宙の下、広くて深い海を泳ぐまんたを詠んでいる。 
☆   わが旅の道しるべせよ大まんた   が同時に発表されている。戦後70年が過ぎても、混沌としている沖縄。政治に翻弄されている沖縄県民。
悠々と海を自由に泳ぐまんたに、夢、希望明るい未来を託す。旅の道しるべと云う言葉には
地球規模でみると、短い夏の夜が明ければ、強く生きようではないか、そんなような言葉に聞こえる。
          
      グラス                  花瓶

NHKのラジオ「今日は何の日」を聴いていると 1978年7月30日に沖縄の自動車が右側通行から、左側通行に変更された日であると放送されていた。
私が初めて沖縄へ行った時は右側通行であった。
パスポートが必要だったか?なかったか?記憶は定かでない。

         

栗林公園の民芸館で昭和40年代に収蔵された沖縄ガラスの展示をしていた。
太平洋戦争後の資源難のため、アメリカ軍基地で捨てられたコーラーやビールの空き瓶をとかせて再生したことから始まった品である。
我が家にも何品かある。
良い音色の風鈴を、ドアベルの代わりに吊っている。
玄関の扉が開くたび、チリン。チリン。と涼しい音をたてる。
普段使いの美しく丈夫なガラス製品である。
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    日盛りと云えど散歩が楽しい屋島裏

2016-07-29 06:20:38 | 俳句
      

      ☆   行き過ぎて常山木の花の匂ひけり    富安風生

裏屋島を歩く。
木陰を縫って歩いていて、綺麗な花をみつけた。
臭木と思い近づく。臭木が実をつけているのは、何度も見ていてお馴染みだ。
うす紫の花を見るのは初めてのこと。

      

臭いで気が付いたといっても否めない。
歳時記を見ると(風生)の句がある。
読んでいたとも、記憶があったとも、これ以上の臭木を言い得た句はないのではないかしら。

花の薄紫を凝縮して秋に実となった濃い紫色が本当に美しい。
秋の紫の実はあれこれとあるが、私は臭木の実が一番に好きである。

      

32度もある暑い時間であった。
外食をして、裏屋島をドライブした。
鬱蒼と茂った木の下にドライブウェイがある。
何人か散歩の人に逢う。最高の散歩道。この日の盛りがこんなに涼しいなんて。
夏霞がかかっていて 鬼ヶ島 男木島 その向うにある小豆島もぼんやりとしている。


     🍒    消防車常山木の花を揺らし行く

     🍒    夏霞クレーンーを伸ばす浚渫船

     🍒    病葉やひねもす潮の騒ぐ崖

     🍒    樹下闇捨て墓多き古戦場

     🍒    潮風に日傘煽らる岬の鼻

     🍒    海の照臭木の花に及びけり
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蝉時雨止む時ふつと気のぬける

2016-07-28 10:40:44 | 俳句
        🐇   蝉時雨四五軒先に移りけり

        🐇    叱つても叱つても猫蝉捕り来

          

朝から蝉の声がかまびすしい。我が家がお気にいりの蝉たちらしい。
パソコンを置いている窓辺では蝉が飛んでいるのが見える。
干している洗濯物にぶつかる蝉。
ベランダの半透明の屋根にぶつかって大きな音をたてる蝉。

          

写真を撮りに近づいても微動だにしない。
捕まえるのは簡単であるが、短い命。精一杯生きよと願っている。

          

私の背後霊のような 姫。
新聞を読んでいると、片づけもしていない机の上で、寛いでいる。
私の行く所、いる所を離れようとしない。

この 姫ちゃん、去年までは、蝉捕りの名人?であった。
蝉が止まっている木の下で、自分の手に届く所に蝉が近づくのを半時間くらいは待っている。
愚かな蝉が近づくともう 姫ちゃんの餌食だ。

捕った蝉を咥えて来て私の目の前に置く。
「母さま 姫 は蝉捕りが上手ニャアーン」と言っているみたいだ。
「おお、姫ちゃん かしこいね」と言って蝉を取り上げて窓から放つ。
元気な蝉は飛んでゆく。
この繰り返しが何日か続く。
必ず蝉、守宮、蜻蛉、小さな生き物を捕ると、私に持って来るのである。
「おおおお、賢いね」と云われるのが嬉しいみたいだった。

その 姫ちゃん。
今年は蝉に見向きもしない。
ベランダに出て時々、草を食べるとすぐに家の中に入る。
玄関の扉が開いていると、塀の上から外を見ているが、ほんに少しの時間だ。
扉の前で待っているとすぐ戻って来る。

蝉を捕るのも、何だか困ったことと思っていた。が、動物の本能だとしたら仕方がないとも。
今年の変わりよう。
齢が重さんだのかと思うと淋しくなる。

        🍒   その中にかなかなかなと蝉時雨

        🍒   朝蝉や裏面に載るテレビ欄
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ほととぎす

2016-07-27 09:50:07 | 俳句

     ☆    窓開けて朝の山気や時鳥    稲畑汀子

湯の宿での吟か。
窓を開くとホトトギスが鳴いた。昨夜からの部屋にこもっていた、空気が一気に外へ、それと反対に清々しい、少し肌には冷たく感じる山の空気が入ってきた。
深山の旅が楽しく続くことだろう。
汀子さんの句は、さりげ無い句でありながら、たとえ一瞬のことでも見逃がさず、聞き逃さず一句に詠いあげる。平明で無駄の無い言葉で。。。。

ホトトギスは南方から、五月ごろ渡って来て、八、九月には南方に帰る。

     🍒    ほととぎす今年は一度聞きしのみ

私は一回、朝の窓辺で聞いた。あっ ホトトギスだと嬉しくなる。
次の日も次の日も鳴声に耳をすませたが、今年は唯その日、一度聞いたきりであった。
もう帰ってしまったのかな~?



           

アジアの村をかたどっているバザール会場。
日本で昔、使用をしていた農具を今もって作っている様子。

底の深い籠は何に使用するなであろうか。?
鶏を籠に伏せる?
蚕に与える桑の葉を入れて背負う?

実演をして見せてくれるらしいが、昼休みで、タイの青年は燈台へ向かって歩いて行くのが見えた。

南方のタイの山岳地帯には ホトトギス は生息するのであろうか?

         

布で作った パゴダ。
日本でたとえるなら、つまみ細工。
美しい。
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