老人雑記

生活の中で気づいた浮世の事

      野ぼたん

2018-07-31 10:27:08 | 俳句
      

鉢植えの野牡丹が咲いた。
友人の家から鉢植えごと、昨年の冬に貰って来たのを、寒さを除け部屋の中で大切に見守り育てたのがやっとベランダに出し陽の目を見、昨日一輪だけ花びらを開かせた。

       

 五弁の花だが五弁を開かせぬまま、早や今朝は散っていた。

牡丹と名前はあるものの、沖縄・台湾原産のノボタン科の常緑低木である。
鑑賞用として庭や公園でよく見かけるが、句にはあまり詠まれておらず歳時記でもわずか一句しか例句はなかった。

       ☆     野牡丹を夢見顔して捧げきし     澁谷 道 

野牡丹は観たまま詠むしかないか。。。。
季語性もありふれてい、強いて物語性もない。どんどん詠まれて確固とした地位を確保する花として将来が楽しみ?ってところの花だ。


      🍒     野ぼたんや白いペンキの柵の庭

      🍒      野ぼたんや日に日に極め 濃紫

      🍒      亡き姉の愛でし野牡丹いとほしや        

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       蚊帳吊草

2018-07-30 09:04:13 | 俳句



早い稲は、青いがもうこんなに穂をつけている。
全国を荒らして過ぎた颱風は我が住んでいる町は何事も起こさずに通っていったようで、農家の人も先ずは一安心をしたことだろう。

         
         田圃の隅で見つけた「蚊帳吊草」

都会育ちの人は知っているだろうか?なぞと思いつつ写真に。
これとよく似た草で「相撲取草」というのもあって、これらの草で子供の頃は遊んだことがある。


       🍒      相撲草遊びに飽きて棄てちまう

       🍒      出稼ぎの父が恋しや相撲草


近所の男の子も女の子も私にとっては全員が竹馬の友。
白く乾いた径を連れ立って、近くの小川へ泳ぎに行ったことなどが、田圃の畦を歩きながら想い出された。


       🍒      田水沸くよどんで風の無き時も

       🍒      かや吊草在所の田圃みな四角

       🍒      満々と疏水は流る蚊帳吊草

       🍒      どこをどう迷ひて干からびし蚯蚓    

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     屁糞葛

2018-07-28 15:01:18 | 俳句
     

 散歩中にヘクソカズラの花を見つけた。
決して良い名前ではないこの花が、いじらしくて可憐で好きである。
文字にすると、屁糞葛、、でもってどうしてこのような名前といつも思うが、読んで字の如くの匂いがする花であるから。又の名を灸花ともいう。

 子供の頃は、この花を摘んでおままごとをやった。懐かし。 
この花は籬に絡んだり、道路のフェンスに絡んだりいたる所で見かけることができる。

 手の平に花をいくつか乗せてトントンともう一方の手で叩くと、この小さな可愛い花が手の平で跳ん跳んで遊ぶのだ。これを楽しんだ。



      🍒     灸花籬にからむ教師宅

      🍒     屁糞葛この家の主はものいはず

      🍒     児ら遊ぶ無心に摘みぬ灸花

      🍒     灸花久しく空家の官舎かな

       
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       老体にこたえる溽暑

2018-07-27 10:34:35 | 俳句
          

昨日はパソコンを開かなかった。
こんなことは、旅行や入院をして我が家を留守にしないかぎり今までに無かったことだ。
暑さにまいって、二階のパソコン部屋はクーラーもないことから、ここへ来る気もしなかった。

今朝は海からの風があって、パソコンを開いてさてブログでもと思った気になったけれど、載せる写真が無い。
去年の七月の終わりの日の 「姫ちゃん」の写真を見つけた。この頃の姫は一日中寝てばかりいたけれど、彼女の存在を中心に我が家の生活は廻っていた。

餌の食べ具合、うんちの状態、夫との会話はこれらが中心であった。

ああ、寂しいな~。姫ちゃんは永遠に生きると信じていた無知な吾に改めて驚く。亡くなって4か月も過ぎたが時たま、姫の空耳を聞いたりすることが、、、、

     

今年は、おかげで柳に雪折れ状態で入院をやていない。
最近は夫の事で入院準備もやりかけたが、有難いことに経過観察ってことであった。

入院の経験から詠んだ句をぽつぽつと想いだした。

       🐢     春愁や舌かみさうな病の名
                 一度では憶えれぬ難病指定の病名

       🐢     入院の荷の片隅に香水を
       
       🐢     半身麻酔花火散つたり揚がつたり
                 手術中、目を閉じていると前の奧で火花が散る 

       🐢     浴びるやう目薬をさし冬籠

       🐢     亀鳴くや無機質なれる手術室 

       🐢     朧かな不夜城のやうな研究棟 

       🐢     お見舞いの遊山箱から桜餅

       🐢     退院をすれば酢牡蛎をまず食せむ

まだまだ詠んでいるけれど、咄嗟にには思い出して記すことができぬ。
病気をして入院をしなければ詠めなかった句ばかり。
これも、元気になればこそ今は想い出だが、その時は、、、、  

入院は厭、当分入院をしないでよいように、健康管理をやらなくては。     


 
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      ねっと句会

2018-07-25 14:52:19 | 俳句


 西日本大水害は、二週間を過ぎても、被害者は次のステップへ進めない状況に置かれている。
そのうえ、命にかかわる危険な暑さ、猛暑が続き復興の目途もつかない。

しかし、夜空を仰ぐと、何事もなかったように壮大な宇宙は何億年も変わず美しい星たちの煌めきを放っている。


 今回のネット句会は、水害の句がいくつか投稿されていた。
師の <大水、お見舞いもうしあげます>の言葉で始まる選句。     

     🐢    山崩し家を沈めて夏出水   清栄(東京)

     🐢    七夕に願ひしことも泥の中   誠(愛媛)

この二句が特選句
報道されている画面からこのような句が生まれた。




     🐢    梅雨明けて命日同じ塔婆かな   一郎(秋田)


     🐢    一水は奔流となり暴れ梅雨   美那子(大阪)


     🐢    お大師の杖も及ばぬ大出水     遼風(大阪)


     🐢    梅雨出水蟻のごとくに人の群   嘉子(岡山)


     🐢    夜濯や水禍の人を思ひつつ   葉七子(香川)


     🐢    龍神の猛り下るや出水川    酸模(長崎)

これらが入選句。
皆さん、豪雨をこのように様々な詠み方で句に纏めている。
宇宙からみればほんの一瞬の地球の日本という島の出来事にすぎないが。
 人々は営みの中で、苦しみもがく者もいれば、句を詠む者も。
いつものように多くの投句の中から 水禍 の句を抜粋してみた。すかさず時事を俳人は句にすると思った次第。
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