孫ふたり、還暦過ぎたら、五十肩

最近、妻や愚息たちから「もう、その話前に聞いたよ。」って言われる回数が増えてきました。ブログを始めようと思った動機です。

時々、制御不能になる

2016年02月29日 | 外国ネタ
自分達飢え死にするのを、救ってくれた先住民が言うことを聞かないと知ると皆殺しにする。しかも、彼らの衣食住の源泉であるバイソンを皆殺しにして、糧道を断つという卑劣な方法で。

農場で労働力が欲しいと、遠くアフリカ大陸から載るだけ載せて黒人奴隷を「輸入」する。

酒は良くない。社会悪だ、と憲法を修正してまで『禁酒法』を制定し、1920年から10数年施行され、アルコールの製造、販売、輸送が禁止された。「高貴な実験」とからかわれた法律であった。

皮肉なことに、この法律が施行されてから、酒場の数とアルコール消費量はそれ以前より10パーセント増えたそうだ。

金鉱が見つかったと聞くと、西部に人が大移動した。人手が不足したと支那人を大量に連れてきた。アジアからの移民が増えて、日系移民は白人のやらない仕事を喜んでやると、今度は仕事を奪われた、宗教文化が違う、と疎ましく思い始め、黄色人種排斥運動をする。

財産を没収し、捕まえて強制収容所にぶち込んだ。

最初は、KKKという集団はただの遊び仲間の集団であった。南北戦争時代、その活動は次第に過激になっていき、「反黒人・白人至上主義」の狂信者の集団に組織化されていった。



黒人を捕まえて首にロープをかけ、木の枝に吊るして絞首刑にするという場面は、彼らの薄気味悪い、とんがった白装束とともに、映画にもよく登場している。

政府によって非合法化されたり、キリスト教宗派と一緒になって再興されたり、いろいろ変遷はあったようだが、その思想に同調する一定の支持者は常に存在しているのは間違いないだろう。



私が20代の頃アメリカにいた時、スタジオに暇な主婦を招き入れて番組を進行する、朝のワイドショーに、当時のKKKの最高幹部がゲスト出演していたのを見て、非常に驚いたことを覚えている。

イスラム教徒の自爆テロや移民問題がクローズアップされてくると、KKKは黙っていられないらしい。今でも米国では、反KKK集団とぶつかって争いが耐えないようだ。



自己主張のぶつけ合いが欠かせない移民の国、アメリカ合衆国は有色人種が徐々に増えてきて、それに反比例するように、白人たちはその鬱憤を代弁してくれる人間の登場を待ち望んでいるのかもしれない。

共和党の大統領候補者、TRUMP氏の人気が落ちる気配がない。Trump とは「切り札」「奥の手」という意味がある。果たして、共和党の切り札になるのか、非常に気になるところである。

おりしも、KKKの前リーダー、デイビッド・ドューク氏も「ドナルド・トランプに敵対する投票行為を行うのは、真におまえの受け継いできた遺産に反逆することになる」と述べて、トランプ候補を支持することを公言しているという。



アメリカという国は、時々常識では理解できない制御不能になることがある。若いときは、この国にあこがれた時期もあったが、今は私も少しはまともになったと思う。


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