孫ふたり、還暦過ぎたら、五十肩

最近、妻や愚息たちから「もう、その話前に聞いたよ。」って言われる回数が増えてきました。ブログを始めようと思った動機です。

富士は眺めるもの

2016年04月30日 | 趣味の世界
早朝、昨日植えたキュウリ、ナス、オクラに水遣りをしようと外に出たら、地面が濡れていた。気がつかなかったが、昨夜はかなり雨が降ったようで、夏野菜への水遣りはしなくてもよかった。

 甘夏の真白な花

玄関のドアを開けて2~3歩いたら、ぷ~んと嗅覚を刺激した香りが・・・。

それは庭に植えてある夏みかんの花の香りだった。


 酸っぱくない甘夏

今年は裏年らしく、去年ほど実を付けなかったようだが、この甘夏の味は格別だ。しかし、花の香りがこれほど強烈で、しかも心地いいものだとはこの歳になるまで知らなかった。

今日は天気が良さそうなので、これまで行こう行こうと思っていたが行けずにいた、薩埵峠(さったとうげ)に出掛けることにした。

運がよければ富士山が駿河湾越しに見える絶景を味わえる。運がよければ。

国道のバイパスだから制限速度は60km/h だと思うのだが、車の流れはもっと速い。70km/h 以上で走行しないと流れに乗らなかった。約1時間ほどで峠近くの駐車場に到着した。連休中にしては渋滞せずに来れたのは意外だった。



狭い駐車場だったが運良く一台分空いたのでほとんど待たずに駐車できた。車を降りてすぐに富士山の方向に目をやると、頂上付近が雲の間からかすかに見えたので、すぐにシャッターを押した。



峠の小さな展望台まで歩いて数分ということなので、歩いているうちに運がよければ雲が晴れて富士山の全貌が現れるかもしれない、と期待しながら旧東海道であるハイキングコースに向った。





若いカップルの会話がすれ違い様に聞こえた。

「ねぇ、昔の人はホントにこの狭い道を歩いて旅したのかなぁ・・・。」

私も同じ疑問を抱いていたのだが、そんなことよりも私はすでに時空を飛び越えて、忠臣蔵の武士達が殿中で起きた内匠頭刃傷沙汰やその後の切腹などを、早籠を飛ばして赤穂に知らせるためにこの薩埵峠(さったとうげ)を超えている光景を夢想していたのだった。



展望台には絶景を期待したハイカー達が集まっていたが、みんな口々に富士山が全く見えないことを愚痴っていた。



それもそのはず、ほんのちょっと前には少し見えた富士山の頂上すらも雲に隠れて全く見えなかったのだ。

富士山は日本で一番高い独立峰のため、雲が発生しやすく、天気はめまぐるしく変化している。

以前、富士山の五合目で外国人相手の登山指導のアルバイトをやった事があるが、標高2400mの五合目にいても、頂上が見えることは稀であった。

地方空港としては珍しく利用客が増えている「富士山静岡空港」は、立地としては富士山の絶景が眺められる場所にあるのだが、肝心の富士山はなかなか顔を出さないことで有名である。

絵葉書などであまりにも有名な、左手に崖、緩やかにカーブする高速道路を挟んで右手に駿河湾、そして遠くにはエレガントな稜線を伴った富士山の絶景は、運がよくないと拝めない。それはこんな絶景なのである。



遠くから見るだけではつまらない、と言って富士山を登ろうとすればこの絶景を味わうことは絶対に出来ない。そこは無味乾燥なただの高い山でしかない。


2 コメント

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薩埵峠のお勧めは2月 (ohmasa)
2016-05-03 09:04:11
毎年、2月頃に興津駅→薩埵峠→由比漁港という
ハイキングをしています。
経験上、富士を見るのにもっともお勧めの時期と言えます。

何故二月が良いのか
・晴れの日が多い上にまだ寒く空気が澄んでいて富士がよく見える
・峠の寒桜や梅が咲き誇るのも2月で、鶯なども間近で見られる

少なくとも私が訪れた過去5年の機会では
一度もハズレがありませんでした。
参考までに…
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今度は2月ですね (孫ふたり)
2016-05-03 12:30:57
大政さん、コメントありがとうございます。
冬は、自宅近くの土手からもきれいな富士山を見ることができます。北斎はこの位置で富士を見た!と思い込んでいる場所があるんです。

ハイキングの後は、桜海老のかき揚げも乙な味でいいですね。
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