深*龍宮の使いのブログ

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憲法とは何か (長谷部恭男著、岩波新書、定価700円+税)

2006-07-17 11:36:11 | 
    どうもこんちは


  ワールドカップでジダンが、頭突きをしたとか何とか、そういう話が話題になっているようですが、まあ、結果として北朝鮮問題は薄れたようで、その点、頭突きをしたジダン選手は評価すべきでしょう、案外多くに人を救ったかもしれないので。 それで、今日はいつもの長いのではなくて、本の書評でも書こうかなと、まあ書評というほどのものではないのですが、今日書こうかなと思っているのは、岩波新書から出ている、長谷部恭男氏の書かれた「憲法とは何か」という本のことでも書いてみようかと思っているのですが。


  この本の内容はその名の通り、憲法とはいったい何なのか、その問題を憲法学者の著者が説明をするという内容なのですが。 内容をわかりやすく大まかに言うと、憲法というものは立憲主義に根ざしており、立憲主義というものは、多くの人々の利害や考えが、実態としてバラバラであるので、その多くを認めつつ、それでいて全体としてはまとまりのある形、そういうもの模索する方法という意味で、その立憲主義というものが歴史的にどうやって成り立って来たのかという事と、その立憲主義というものが実態としては現代においてはどう行われているかという事を書いていて、その上でその立憲主義から生まれた憲法というものが、どのような性質を持つのか?、まあ、大まかにいうとそういう内容の本です。


  本の内容は、確かにこれを読めば憲法とはどんな存在であるのかということは大体わかると思います、 そういう意味では悪い本ではないのですが、ただ読んでみて欠点として感じたのが、まず読みづらい、本文はそうでもないのですが、文献のあたりの説明が読みづらい、まあこれは新書のような薄い本ではしょうがないのかもしれませんが、あとは、やはり憲法学者の方が書いているので、憲法に対する思い入れが深すぎるというのは感じました、憲法こそ絶対の真理だ、というような感じの考え方もあったのですが、そのあたりはちょっとどうかなと思いました。


  それで、この本の中で私が一番興味を持ったのが、大統領制の問題点という話で、最近そういう制度を日本でもつくろうという考えがありますが、この本の中ではその問題点として、

1、 大統領制は、大統領が目立つので、議会がブラックボックス化し、かえって危険である、

2、 大統領制とはいっても、大統領が絶対権限を握るのではなく、議会の権限が強い、結果として議会と大統領の間に反目があれば政府が機能しなくなる、

  という欠点があるようです、それで私なりに、大統領のような制度を実現するにはどうするべきか、と考えたのが指針法という考え方で、例えば個人が絶対権限を持てばそれは独裁になる、ならばその絶対権限を法律上に持たせたらどうだろうか?、と考えたのが「指針法の制定、」という考え方で、実はこの本がネタ元だったりするのですが。


  全体的に感じるのは、個人的に、政治の進化のようなものがそろそろいるのではないかなと思うので、そのためには憲法等の意味を知っておいたほうがいいですから、そういう意味では価値のある本ですが、読みづらいのがどうかなあと思う本です。