名古屋の白ウサギ・1964年生・

別名、ウサギ仙人・・職業・会社員

フロイトの 「花瓶の話」

2015-04-16 | 思う事

オーストリアの精神分析学者。
ジークムント・フロイト1856年~ 1939年。
無意識研究、精神分析神経症研究、自由連想法、に没頭。
最終的には、精神力動論の構築に至る。

フロイトの提唱した理論は、
後世の心理学、精神医学、の基礎となる。

後に、
文学、芸術、人間洞察など、幅広い分野に影響をもたらした。

私は、フロイトが嫌いです。
なぜ嫌いなのか?

その理由は複雑です。

私が抱くフロイトの人間像のなかに、
「 自分 」 と重なる部分があるからかも知れません。

「 フロイトが嫌い 」
と思う自分の深層部には、
「 同類 」というエネルギーあり、
磁石の同極が反発し合っているような作用が
自分の内部で起きているのかも知れません。

それはさておき・・・

フロイトの一番の功績は、

「 潜在意識 の発見 」


フロイトは、
人の意識に無意識( 潜在意識) 
の領域があことを突き止めたのです。

フロイトは人間の意識( 心 )は、
3重構造になっていると考えました。

(1) 意識 ・・・・  
意識が自覚できる領域

(2) 前意識 ・・・・ 
思い出そうと意識すれば思い出すことが出来る領域( 記憶 )。

(3) 無意識 ・・・・  
意識の奥底に潜んでいる、実体が掴みにくい隠れた領域。

フロイトは、「(3)無意識 」の部分のなかには、
「 (1)意識 」が認めたくない部分が存在していると考えたのです。

フロイトの著書のなかに、
「 花瓶のお話 」があります。

・・・・・・・・・・・・・・・

ある医者が、自分が治療していた
患者の女性から、多くの贈り物を受け取りました。

のちに、この患者が精神病であることが判明。

医者は、精神錯乱状態で差し出された物品を
自分の物にしてしまう事は、医者として、正当ではないと判断。

医者は、この患者から受け取ったすべての贈り物を返却する。

・・・・・・・・

ここまでは、ごく常識的なお話ですが、

ここからが興味深いところです・・・

この医者は、患者からもらった多くの
贈り物をすべて返却したのですが、
実は、ひとつだけ、返却しなかったものがあるのです。

それは、「 美しい花瓶 」でした。

医者は、内心では、良心がとがめていました。
また、それと同時に、
その自分の行為を、「 自分の良心 」に対して、
正当化しようとする意識が働きました。

「 荷造りが困難だから返せない 」

「 この花瓶は高価な物ではない、わざわざ返すまでもない」

と、思うことによって、自分の良心を誤魔化したのです。

医者は、やがて、
自分のした横領行為が、
発覚した場合のことを考えるようになりました。
不安になって来たのです。

しかしながら、今さらどうする事もできない・・・・

そんなある日の出来事・・・

医者が、花瓶の水を取り替えようとしました、
そのとき・・・・
医者の手が、無意識のうちに、不自然な動きをしたのです。

花瓶を机の上から落下させてしまう。

花瓶は割れて飛び散る。

咄嗟に、その破片を拾い集め、継ぎ合わせようと試みる。

継ぎ合わせれ修復可能であることが分かった瞬間、

また偶然が起きる・・・・

2つの破片を、床に落としてしう。

落とした破片は粉々になった・・・・

もう、完全に修復不可能。

なぜ、こうなったのか?

フロイトの理論を当てはめれば、
これは偶然ではない。

これは、
「 不当に入手した花瓶から、開放されたい 」
という意識が働いたのです。

もちろん、それは、「 無意識 」の領域での事です。

その「無意識」 が、
「自分の行為」となって姿を現したのです。


決して、意図的に花瓶を割った訳ではないのです。

・・・・・・・・・・

フロイトが記した、この「 花瓶の話 」は、
「 人間の運命 」のカラクリを解明する
大きな糸口であるのです。・・・・




コメント
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