五反田発リスボン行き急行列車

五反田駅からリスボン行き急行列車に乗ることを夢想する前期高齢者の徒然

2015・5・19

2015-05-20 15:32:47 | 日記
今日は八月公開の映画「この国の空」(原作・高井有一、脚本監督・荒井晴彦)のマスコミ試写に出向いたことに尽きるだろう。実をいうとちょっと憂鬱だった。この処、荒井晴彦が脚本を書いた映画は、賞をとった「大鹿村騒動記」にしろ「共喰い」にしろ、「戦争と一人の女」にしろ「海を感じる時」にしろ「さよなら歌舞伎町」にしろ悉く私の肌に合わなったし、この新作についても余りいい噂が入ってきてなかった。おまけに試写の案内を送ってくれた監督自身が評判が悪くて落ち込んでいるみたいだったので、映画が始まってからはどうやって彼を慰めたらいいのか少しでもいい処を探そうというスタンスで画面に見入っていた。でも、それが幸いしたのか、ファーストシーンの雨の情景から魅力的だ。ヒロインの二階堂ふみがブスなのにとんでもなく魅力的だ。隣家に住む長谷川博己との出会いのシーンからはセックスしてないのに性的になる。「三園ユニバース」とこの作品とで今年の女優賞は彼女に決まったようなものだ。作品全体のトーンも17年前の荒井晴彦の処女監督作「身も心も」に比べると段違いの品格と風格を漂わす。パンフレットのインタビューで荒井晴彦はレベルの高かった「50年代の普通の日本映画のレベルをめざした」と語っているが、小津や成瀬の映画と比べても引けをとらないように思える。おまけに時代考証の確かさ。以前師匠であるW監督の戦争中を舞台にした作品の批評でビラの漢字が一文字旧字体になっていないことを非難しただけあって、隅々にまで配慮がされている。最近戦争中の芝居や映画のを見るといい加減な時代考証が目立つ。脚本を書く人間は、まだ当時を生きた人間が生存しているのだから、その人たちから嘘だと言われないように勉強しなくては駄目だど思う。いや、そんなことより映画を見て興奮してしばらく席から立てなかったなんて経験は本当に久しぶりだ。見終わった後、荒井晴彦にメールして慰める予定だったのが、熱烈なラブレターを送ってしまっていた。こんな時は昔だったら新宿の酒場に流れて、この映画について喋る相手を探す処なんだけど、そうも行かずに6時には店へ。隣のビルに入っている美容サロンのNさんから新鮮な野菜をいただいたので、それを中心に老老ディナー。8時過ぎ、名古屋のCテレビのOさんと徳島IテレビのMさんが来店。11時前まで。五反田有楽街の支那そば屋でラーメンを食べて帰宅。友人がとんでもなく偉く思える日だ★テアトロジャージャン第三回公演「証言・M家の人々~モースさん殺人事件~」(作演出・桃井章 出演・濱田志保、茂木英治、島川由美、岸本敏伸 ベース演奏・高嶋利早)7/18(土)17時半 7/19(日)12時半&17時半 7/20(月・祝)12時半&17時半 料金・2500円 ★津森久美子プロデュース「寺子屋ポルトガルprimeira恵比寿ジャージャン」毎回様々なポルトガル専門家をゲスト講師に招いてのトーク&ライブイベント。第一回は6月13日(土)14時開校(開場13時半)で「歴史を味わえるマディラワインの世界~かの信長が飲んだのもマディラで作られたワインかもしれない!?」出演/津森久美子(ファド歌手)、飯泉唱宏(ポルトガルギター)ゲスト講師・鈴木勝宏(大塚Cafe'+bar『Leandroオーナーマスター) 料金お一人様3500円(10年物の白ブドウマディラワイン4種飲み比べつき)ご予約お問い合わせはジャージャン(03ー5422ー7407)まで。
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