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Tea Time

ほっと一息Tea Timeのような・・・ひとときになればいいなと思います。

それぞれのバレンタインデー①

2016-02-14 13:23:12 | 小説(ホタヒカ外伝以外の小説です)
「夏・恋に煌めけ!白球に煌めけ!(カテゴリーのラストシンデレラにあります)」の光ちゃんと光太郎くんのその後のお話です。光ちゃんはぶちょおとホタルの長女で、光太郎くんは凜ちゃんと桜の長男です。
 

「えっ!?」

「なんか新聞に大きなニュース載ってるの?」

「いや、別に」

「今パパ、私の顔見たでしょう~」

「なになに、あらっ光太郎くんプロに行かないんだ」

「ふ-ん、そうなんだ、ごちそうさま、わっもうこんな時間、学校行く用意しなきゃ」



「すぐにわかることだからさらっと言ったほうがいいよな、さすがママだ」

「えっ?まあね(^^;」

ママはなにも考えずに言ったと思うな←by誠くん


2週間前の立花家・・・

「自分で決めたんだよな」

「うん」

「後悔はないか?」

「もちろん」

「ならいい」

「ちょちょっと、そんなあっさりと。母親としてもうちょっと詳しく聞きたいわよ~」

「お父さんは気がついていたと思うけど、決勝戦の8回辺りから肩に違和感があったんだ」

「うそ~」

「治らないことはないと思うけど・・・」

「じゃあなんで?」

「野球は好きだけど、プロになるのはすげぇー大変なことだと思うし、何よりも一生出来る仕事じゃないから」

「俺だったら後先のこと考えずにプロ野球選手の道を選んだろうな」

「じゃあ進路はどうするの?」

「美容学校に行こうと思う」

「えーーーーーーーーー!」驚き過ぎて固まる二人です。

「なんでそんなに驚くんだよ、物心ついた頃から店でハサミ持って働く親を見ていて、そういう環境で育ったんだからそう思ったって不思議じゃないだろ。でもお母さんにお父さんの甲子園の話聞いたときは俺が甲子園に行くぞっ!て思って、負けず嫌いだったから甲子園でてっぺん取りたくて、がむしゃらに練習して連投連投で決勝まで投げたら肩痛めたかなって」

「光太郎~」

「ちょっちょっいくつだと思ってんだよ、小学生じゃないんだから!勘弁してよ、ちゅうしたかったらお父さんとやって」

「お父さんとはいつもやってるから

「あっそっ」

「たまには若い子がいい~お肌つるつる~」

「お母さんは若い男が好きなんだよ」

「へっ?」

「ちょっちょっ何十年前の話持ち出してくんのよ!」

「なになになんの話?」

「おかえり桜子、今光太郎の進路について家族会議してたとこなの」

               
                                *

「光、新聞見た?」

「見たよ、光太郎君が決めたことだからいいと思うよ」 

「そうだね」

「光は大学推薦でいいな~」

「推薦だって受かるかどうかわかんないよ、小論文の試験が厳しいらしくて毎日先生にダメだしされてるよ」

「そっか、光は作文苦手だもんね、そりゃ大変だ」

「推薦駄目だったら入試センター試験受けることになるだろうから、そっちの勉強もしとかなきゃね」


光太郎くんのことは気にならないと言えば嘘になるけど・・・今は目の前にあることを頑張ろう!

                                *

東京は雪になれてないから大変だ、明日大学の合格発表だから滑らないように歩かなきゃ・・・

「キャッ!」

転ぶ~と思ったら腕を掴まれた。

「光ちゃん?」

「光太郎くん・・・」

「もしかして光ちゃんかなと思って後をつけたんだ、なんかストーカーみたいだけど(^^;」

「ううん、ありがとう。おかげで転ばずにすんだ、明日大学の合格発表だから滑って転んだりしたら縁起が悪いもん」

「そうなんだ(笑)明日か~受かってるといいね」

「うん」

「気になるから結果教えてもらえる?」

「うん、いいよ」

よっしゃー!

「じゃあ、電話待ってる」

「うん」

びっくりしたーまさかこんな偶然の再会があるなんて。神様!仏様!合格しますように、どうかどうかよろしくお願いします!


「光、どうだったかな」

「学校に直接連絡が入るんでしょ」

「うん」

「駄目だったら一般で受ければいいじゃない」

「一般だとちょっと厳しいと思うぞ」

「そっか」

「ただいま~」

「声が明るいぞっ」

「お帰り~!」

「高野光、無事に合格しました!」

「よかった」

「おめでとう!光」



「もしもし光太郎くん、合格したよ」

「おめでとう~光ちゃん」

「ありがとう」

「あのさ、今度の日曜会えないかな・・・話したいこと沢山あるんだ」

「うん」

「よかった、じゃあ光ちゃんちの近くの公園で2時に待ってる、時間いい?」

「うん、大丈夫」

はっ今度の日曜日っていったらバレンタインデーだ、チョコ、チョコ作らなきゃ



「こんにちは~」

「いらっしゃい、光ちゃん、久しぶりだね」

「すみません、定休日なのに」

「ううん、光ちゃんとチョコレート作るの僕も楽しみにしてたんだ(微笑)」

はぁ~素敵~小野さんて全然年をとらないのよね。甘い香りに天使の微笑み、パパと同じ顔なのに全然違う~

「今年はママと作らないの?」

「はい・・・」

「てことは大事な人にあげるチョコなんだ(微笑)」

「上手く作れるかな」

「大丈夫だよ、愛情もって作ればその思いはちゃんと届くから(笑顔)」

「はいっ!」



「ただいま~」

「お帰り~誠、あらっその紙袋は?」

「14日は日曜で学校休みだからって今日もらったんだ」

「なんか年々増えるわね(^^;」

どれもこれも綺麗なラッピングね、みんな手作りチョコなのかな。あれっ?一つだけ随分雑なラッピングのチョコが(^^;



「ただいま」

「あっ パパだ、おかえり~。誠がチョコ沢山もらってきたんだけど、その中で一つだけ随分雑なラッピングのチョコがあってね」

「さっき誠が大事そうに箱持って二階に行ったけどそのチョコだったりしてな」

「あらっそういえばその雑なラッピングのチョコだけないわ」

てことはそのチョコが誠にとっての本命チョコなんだな、雑というのが気になるんだが(^^;



やった~朋美ちゃんの手作りチョコだ、見た目は少々悪くても、愛情いっぱいのチョコだから・・・ん?自分で愛情いっぱいなんていうと照れるや、いただきまーす。

ん? これは・・・これは激まず、ゲロまず、どうしてたかがチョコレートでこんな味になるんだ?

「誠くん、甘いものはそんなに得意じゃないっていうから塩チョコ作ってみたの、食べて」

って言っていたけど、どう考えても塩の分量を大幅に間違えたに違いない味だな、これは


                               *

「光、出かけるのか」

「うん、ちょっとね」

ちょっとにしては随分とお洒落に気合が入っているように見えるけどな。あー心がざわつく。byぶちょお



「光ちゃん!(可愛いな~

「光太郎君、あの・・・これ食べて」

「えっ?」

「チョコレート」

「あっ今日バレンタインデーだったか、なんか間が悪いな」

「間が悪いって? チョコいらないんだ」

「違うよ、そうじゃなくて・・・光ちゃん、僕と付き合ってください」

「えっ?」

「先にバシッて言いたかったんだけどさ、その前にチョコレート・・・」

「だから間が悪いんだ(笑)」

「で・・・さ、返事は?」

「はい(笑顔)」

「ヤッター!」

「ねえ、チョコ食べない?」

「うん、うっまっ! なにこれ滅茶美味いんだけど」

「天才パティシエ指導の下に作ったから

「そうなんだ~うん、美味い!」

「よかった~」

「話したいこと沢山あるんだけど」

「うん」

「今日はデートしよう」

「うん」

「といっても俺、ずっと野球一筋だったから何処行っていいかわかんないんだけど(^^;」

「一緒にいるだけで嬉しいよ」

「うん」


                                   *

「光太郎って結構有名人じゃん」

「そうだな」

「ここらへんの美容学校て・・・」

「NYに行かせるか」

「ナイス凜太郎!私もそうしたらどうかなって思ってたんだ」

「じゃあ早速ベンに電話しよう」

「ずるーい、私が留学したいって言ったときには滅茶反対したくせに~」

「短期留学くらいなら行ってもいいぞ」

「光太郎がNYにいれば安心だもんね」

「光太郎は?」

「ちょっと出かけてくるって出ていったわよ」

「早く帰ってこないかな~」

「心機一転、新しい地で新しいこと始めるっていいよね、きっと光太郎も喜ぶわよ」

「まずは英会話をなんとかしなきゃな」

「そうだっ これこれ英単語のカード」

「まだ持ってたのか、すっかり黄ばんで(笑)」

「なにこれ、見せて」

「あっ 駄目~」

「明るく元気で、だけど本当は淋しがりやで・・・ってママのこと? で、これ作ったのはパパ~? キャーバンバン(机をたたく音)」

「なんだか捨てられなくてね」

「甘いな~チョコより甘いね(笑)」

「懐かしいな(微笑)」

光太郎君の留学話で盛り上がる立花家に、交際をスタートさせた光太郎君と光ちゃん。交際早々遠距離恋愛になってしまうのか。

親の心・子知らず  子の心・親知らず


                             *

「ママ、チョコレート作ってるんだ」

「うん、塩チョコ」

「へぇー(^^;」

「試作品だけど食べてみる?」

「うん、へぇー美味いじゃん」

「よかった~」

ママでも作れるんだ、塩チョコ(^^;


「ただいま~」

「あっパパだ。パパにはこっちの形の綺麗なのを入れてと」

「おかえりなさ~い」



完成品は試作品より美味しいのかな・・・ん?なんだこれはゲロまずっ ママ塩の量間違えてるよ~なんで完成品が失敗するんだよ、てか味見しないの?ママも朋美ちゃんも(^^;


「ママ~そのチョコじゃなくてこっちのを」


「食べてみて! あーん」


遅かったか・・・


「うん、美味いっ ありがとうホタル


パパ・・・後光がさしてるよ。 僕はとてもパパの領域にはなれそうもありません


干物女を嫁にして早20年。もはや仙人の領域に達しようとしているぶちょおなのでした。



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2 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

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待ってました! (knitsu)
2016-02-14 15:29:43
光ちゃんと光太郎君の物語
マリリンさんありがとうございます。
あの青春の続きが気になってたんです。

再会出来て良かったと思ったら、何なに?
いきなり遠距離になりそうな予感

これは続く、ということでいいんでしょうか?

誠くんにも彼女ができるのかしら?

また続きがきになります(笑)
返信する
Unknown (まりりん)
2016-02-14 15:42:45
こんにちは~koitsuさん、感想ありがとうございます。

ねえ、どうなるんでしょうね(笑)

ぶちょおと凛ちゃんを会わせないようにする為の作家(私だけど)の魂胆だったりして(笑)

光ちゃんも光太郎君もまだ10代なんで、いろんな人と出会って恋をしてほしいかな。そして何年(10年くらい?)か経って、びっくりぽんな両家の初顔合わせになるかも~です(^^;

誠くんも素敵な女性と恋をするものの、落ち着くところはホタルママによく似た女性かもしれません(笑)
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