出演・・・高野誠一 ・ 雨宮蛍
桐野征冶(泣かないと決めた日)・・・桐野征冶in香港・赤い情熱の桐野さんです(^^;
唐沢雪穂(白夜行)・・・東野圭吾原作・ドラマ化された白夜行ではるかちゃんが演じました。
が、桐野さんの香港編や白夜行(雪穂)を知らなくても、問題なく読めると思います。
*
今日のリオのカーニバル接待思った以上に盛り上がって上手く行ったな~。
ここらへんて結構賑やかなんだな、なんだかあっちにもこっちにもカップルが。
そっか明日は休みだもんね。みんなデートしてるんだ。
私だって日本に帰れば素敵な恋人がいるもんね。
デートなんてしたことないけど・・・手も繋いだことないけど・・・
ちゅうーもまだだし・・・これでも恋人って言えるのかな?
だってこれからってときに香港に転勤が決まったんだもん。ぶちょおと離れるのは辛かったな~。
でも遣り甲斐のある仕事だから頑張りたいと思う。いい仕事して少しでも自分をスキルアップしなくちゃ。
それに離れていてもぶちょおはマメにメールくれるし、季節の折々には必ずしょっぱい手紙をくれるし。
私って愛されてるな~キャッ(照)
はっ・・・それなのに私ったら手紙も書かないし、メールもしない。。。
こんな不実な女でごめんなさい。干物女の私には遠距離恋愛はハードルが高すぎます。
だってね、話したいことが有り過ぎてメールじゃ手紙じゃ足りないの。
ぶちょおの声が聞きたくて何度も電話しようと思ったけれど、声を聞くと物凄く会いたくなるの。
声を聞くともっと辛くなりそうで・・・だから電話もしません。
夏休みや冬休みくらいは日本に帰ろうと思ったけど、ぶちょおの顔見るともう香港に戻れなくなるかも。
仕事を投げ出すことはしたくないから、日本には帰らないことに決めました。
こんな私ですが、待っていてくれますか?
私のこと変わらずに好きですか?
私はいつもぶちょおが好き・・・毎日大好きです。
ぶちょおに会いたい・・・会いたいです。 会いたいよ。。。
駄目だな~今日の私は全然駄目だ、大体街中にカップルが溢れているからいけないのよ。
それにしてもどの男も大したことないね。若けりゃいいってもんじゃないし。
あっ、あの人の後姿ちょっとカッコいいかも~。ぶちょおみたいに足が長くて真っ直ぐだ!
ビジネスマンかな、スーツが凄く似合ってる。ちょっとどころかかなりイカした後ろ姿だな。
でも振り向いたらきっと笑っちゃうくらいの顔なんだろうな(笑)
誰かがぶつかって、後姿のイカした男の横顔が見えた。
あっ・・・ あっあっあわわ・・・ ぶっぶっぶちょおーーーーー!(声にならないけど叫んでます)
ぶちょおだ!ぶちょおだ! バカ! バカじゃなくてアホ宮だった。
ぶちょおが香港にいる訳ないじゃん・・・だけど・・・だけどだけど。
考える間も無く、ただ夢中で男の後を追いかけた。
あ~あ~見失っちゃった。やっぱあれは私の妄想が生んだぶちょおの幻だったのかな(ガックシ)
あれっここ何処だろ? 来たことないし、なんか雰囲気のよくない所だな。
「ねえ君可愛いね~日本人だよね? 観光で来てるの?俺いい店知ってるんだ、案内するよ」
「いえ、ちょっと用事があるんで・・・」
「ごめん、待った!?」
そう言うと、男はホタルの手を握り自分の方へ引き寄せた。
「彼氏? でもこんなとこで待ち合わせなんかするかな?」
「なになにどうしたの?」
「やあケン!彼女を食事に誘ったんだけど、邪魔ものが入ってさ」
「俺たちと遊んだ方が絶対に楽しいって、なあ~」
「そうそう(笑)」
「君、足には自信ある?走るのは得意?(耳元で)」
「はいっ得意です」
「じゃあ走るよ、あの路地を右に曲がって次の角を左だ」
「はいっ」
「あっこらっ待て!・・・・・ちっクソッ」
*
「ハッハッ・・・久しぶりに走ったら息切れがする。ああいうときは逃げるが勝ちだよ。街中で女追いかけるのは恥ずかしいだろうから。でも咄嗟のこととはいえいきなり手繋いだりしてすまなかった」
「そんな誤らないでください。全然嫌じゃなかったし、むしろ嬉しかったくらいで(はっなに言ってんだろっ私)」
「そっ良かった(笑)」
「ぶっ・・・ぶぶぶぶぶ・・・・」
ぶちょおと同じ笑顔にたまらなくなり、思わず泣き出すホタル。
「大丈夫? やっぱ怖かったよね。香港には観光で来てるの?あそこはあまり治安がよくないから近づかないほうがいいよ。それとも道に迷ったのかな?」
「すみません、助けて頂いたのに泣いたりして」
「気にしないで(微笑)あっお腹空いてない? 美味い店知ってるんだ。助けたお礼に晩御飯付き合って」
「はい・・・」
優しい人・・・断ろうと思ったのにそんなふうに言われると断れなかった。
あんまりぶちょおに似てるから一緒にいるとなんだか息苦しくて、早く離れたいような、でももう少し一緒にいたいような。複雑過ぎて・・・あーゴロゴロしたい。
「美味いだろ、ここのスープ」
「凄く美味しいです。優しい味がして身体が温まります」
「香港は美味いものが多くて、最初はなかなかこっちの生活に慣れなかったけど、食べ物の力って大きいね。美味いもん食べると元気が出た。それが縁で知り合った人もいた」
「いつから香港に?」
「もう5年になるかな? あっ名詞」
「あっ私も・・・」
名刺交換する二人・・・
「葵商事の桐野さん・・・商社マンなんですね」
「SWコーポレーションの雨宮さん、香港には仕事で?」
「はい2年になります。でも毎日会社とアパートの往復で、何処にも出かけたことなくて香港の美味しいものもあんまり食べてなくて、ここのお料理凄く美味しいです」
「そっよかった(笑顔)」
なんて優しい笑顔・・・ぶちょおとクリソツ過ぎる。
駄目だ・・・我慢できない・・・又涙が。
「ご馳走様でした! このお礼は改めて、ここのお勘定は私が」
ダッシュで店を出ようとするホタル。
「雨宮さん? なにか困ってることとかあるんなら僕でよければ相談にのるよ。香港で働く同じ日本人として」
やたらと涙ぐむ女の子を男としてほっておけません(^^;
トボトボと引き返してくるホタル。
「すみません、お金が足りなくて・・・払えませんでした(アホ宮~!)」
「はっ!? あはは(笑)ごめんここ笑うとこじゃないか(笑)」
「実はですね・・・・・・(かくかくしかじか)」
「そう、そんなに似てるんだ、その部長さんと僕は」
「似てるなんてレベルじゃなくて、一卵性双生児かってくらいにソックリなんです」
「それで僕を見る眼の焦点があっていなかったり、涙ぐんだりしてたんだ」
「それで思わず桐野さんのこと追いかけて、挙句に迷惑かけて本当に申し訳ありませんでした」
「香港と日本の遠距離恋愛は大変だろうね」
「ぶちょおはメールや四季折々に手紙をくれるんですが、私はメールも手紙も苦手で、だって話したいことが有り過ぎてメールや手紙じゃ書ききれないんです。声が聞きたくて電話をしようと思うんだけど直ぐに会いたくなって、でも直ぐには会えないから、だったら電話しないでおこうとか、日本に帰るともう二度と香港に戻れない気がして、仕事投げ出すようなことはしたくないし」
「それでかれこれ2年間、なんの連絡もしてないの?」
「桐野さん、こんな女じゃ捨てられますか?愛想つかして他の女と浮気とかしちゃいますか?」
「えっ俺は浮気はしないけど(^^; でも2年もほっとかれるとどうだろ?ちょっと自信ないかな(笑)」
「桐野さんならまず周りの女性がほっておきませんよね、その桐野さんにそっくりなぶちょおも、まあ二枚目で年の割には若く見えて、会社では部下の信頼も厚く勿論仕事も出来て、でも家では細かいことに煩くて、まるで小姑みたいなんですよ。ぶちょおの本当の姿知ったら会社の女性社員はガックシだと思います」
「でも雨宮さんはガックシじゃないんだね(笑)」
「ぶちょおといる私は一番私らしくいれるんです。遠く離れていてもいつも心のこもったショッパイ手紙くれるし」
「ご馳走さま(微笑)」
「はっもしかして私ノロけてました?(笑) 桐野さんは日本に大切な人は? あっ すみません立ち入ったこと聞いて」
「日本にはいない。でもこっちにきてからとても大切な人ができた」
「そうなんですか」
「ずっと一緒にいたいと思っているけど、俺が日本に帰る日が来たらどうなるかな?彼女には大切な仕事があるし」
「恋人同志は離れちゃ駄目です! て私がいうのもなんですが」
「後悔してるの?」
「後悔はしてません。私たち離れていても心は繋がっていると信じているから。でもやっぱり離れ離れは辛いです」
「うん・・・本音を言うと彼女と一緒に日本に帰りたいと思ってる」
「想いは言葉にしなければ伝わりません・・・ぶちょおが結婚式のスピーチで言った言葉です」
「そうだね、その言葉・・・俺もしっかり胸に刻んでおくよ」
「アパートの近くまで送ってくださって有難うございました!」
「じゃあ元気で、なにか困ったことがあったら連絡して」
「はい、ありがとうございます」
「あっ男として一つ忠告するけど、その部長さん。雨宮さんが元気でやっているか凄く心配していると思うよ。俺が部長さんだとしてせめて今現在の恋人の写真くらいは見たいな」
「はい、そうします。 あの・・・桐野さんに一つお願いがあるんですがいいですか?」
「いいよ、なに?」
「アホ宮・・・て呼んでください」
「アホ宮・・・頑張れ!(微笑)」
ぶちょおだ・・・ぶちょおの声がした。
私は溢れそうになる涙を堪えながら、桐野さんを見送った。
その私の気配を察したのか(^^; 桐野さんは私に背を向けたまま、右手を上げてバイバイをしてくれた。
惚れちゃいそう
ちっ違う! いくらアホ宮の私でもそれは無い、断じて無い!
でもあの手の顔の男に弱いのね~顔だけじゃなく、優しくて凄くいい人だし
そうだ!写真写真。 写真か~干物女の私は何処にも行かないし写真なんてないや。
そーだ!今日の接待中に同僚の真菜ちゃんが私の携帯で私を写メってたんだった。
どれどれ、あった~! て・・・これか
まっいっか~無いよりマシよね。 後編に続く。

桐野征冶(泣かないと決めた日)・・・桐野征冶in香港・赤い情熱の桐野さんです(^^;
唐沢雪穂(白夜行)・・・東野圭吾原作・ドラマ化された白夜行ではるかちゃんが演じました。
が、桐野さんの香港編や白夜行(雪穂)を知らなくても、問題なく読めると思います。
*
今日のリオのカーニバル接待思った以上に盛り上がって上手く行ったな~。
ここらへんて結構賑やかなんだな、なんだかあっちにもこっちにもカップルが。
そっか明日は休みだもんね。みんなデートしてるんだ。
私だって日本に帰れば素敵な恋人がいるもんね。
デートなんてしたことないけど・・・手も繋いだことないけど・・・
ちゅうーもまだだし・・・これでも恋人って言えるのかな?
だってこれからってときに香港に転勤が決まったんだもん。ぶちょおと離れるのは辛かったな~。
でも遣り甲斐のある仕事だから頑張りたいと思う。いい仕事して少しでも自分をスキルアップしなくちゃ。
それに離れていてもぶちょおはマメにメールくれるし、季節の折々には必ずしょっぱい手紙をくれるし。
私って愛されてるな~キャッ(照)
はっ・・・それなのに私ったら手紙も書かないし、メールもしない。。。
こんな不実な女でごめんなさい。干物女の私には遠距離恋愛はハードルが高すぎます。
だってね、話したいことが有り過ぎてメールじゃ手紙じゃ足りないの。
ぶちょおの声が聞きたくて何度も電話しようと思ったけれど、声を聞くと物凄く会いたくなるの。
声を聞くともっと辛くなりそうで・・・だから電話もしません。
夏休みや冬休みくらいは日本に帰ろうと思ったけど、ぶちょおの顔見るともう香港に戻れなくなるかも。
仕事を投げ出すことはしたくないから、日本には帰らないことに決めました。
こんな私ですが、待っていてくれますか?
私のこと変わらずに好きですか?
私はいつもぶちょおが好き・・・毎日大好きです。
ぶちょおに会いたい・・・会いたいです。 会いたいよ。。。
駄目だな~今日の私は全然駄目だ、大体街中にカップルが溢れているからいけないのよ。
それにしてもどの男も大したことないね。若けりゃいいってもんじゃないし。
あっ、あの人の後姿ちょっとカッコいいかも~。ぶちょおみたいに足が長くて真っ直ぐだ!
ビジネスマンかな、スーツが凄く似合ってる。ちょっとどころかかなりイカした後ろ姿だな。
でも振り向いたらきっと笑っちゃうくらいの顔なんだろうな(笑)
誰かがぶつかって、後姿のイカした男の横顔が見えた。
あっ・・・ あっあっあわわ・・・ ぶっぶっぶちょおーーーーー!(声にならないけど叫んでます)
ぶちょおだ!ぶちょおだ! バカ! バカじゃなくてアホ宮だった。
ぶちょおが香港にいる訳ないじゃん・・・だけど・・・だけどだけど。
考える間も無く、ただ夢中で男の後を追いかけた。
あ~あ~見失っちゃった。やっぱあれは私の妄想が生んだぶちょおの幻だったのかな(ガックシ)
あれっここ何処だろ? 来たことないし、なんか雰囲気のよくない所だな。
「ねえ君可愛いね~日本人だよね? 観光で来てるの?俺いい店知ってるんだ、案内するよ」
「いえ、ちょっと用事があるんで・・・」
「ごめん、待った!?」
そう言うと、男はホタルの手を握り自分の方へ引き寄せた。
「彼氏? でもこんなとこで待ち合わせなんかするかな?」
「なになにどうしたの?」
「やあケン!彼女を食事に誘ったんだけど、邪魔ものが入ってさ」
「俺たちと遊んだ方が絶対に楽しいって、なあ~」
「そうそう(笑)」
「君、足には自信ある?走るのは得意?(耳元で)」
「はいっ得意です」
「じゃあ走るよ、あの路地を右に曲がって次の角を左だ」
「はいっ」
「あっこらっ待て!・・・・・ちっクソッ」
*
「ハッハッ・・・久しぶりに走ったら息切れがする。ああいうときは逃げるが勝ちだよ。街中で女追いかけるのは恥ずかしいだろうから。でも咄嗟のこととはいえいきなり手繋いだりしてすまなかった」
「そんな誤らないでください。全然嫌じゃなかったし、むしろ嬉しかったくらいで(はっなに言ってんだろっ私)」
「そっ良かった(笑)」
「ぶっ・・・ぶぶぶぶぶ・・・・」
ぶちょおと同じ笑顔にたまらなくなり、思わず泣き出すホタル。
「大丈夫? やっぱ怖かったよね。香港には観光で来てるの?あそこはあまり治安がよくないから近づかないほうがいいよ。それとも道に迷ったのかな?」
「すみません、助けて頂いたのに泣いたりして」
「気にしないで(微笑)あっお腹空いてない? 美味い店知ってるんだ。助けたお礼に晩御飯付き合って」
「はい・・・」
優しい人・・・断ろうと思ったのにそんなふうに言われると断れなかった。
あんまりぶちょおに似てるから一緒にいるとなんだか息苦しくて、早く離れたいような、でももう少し一緒にいたいような。複雑過ぎて・・・あーゴロゴロしたい。
「美味いだろ、ここのスープ」
「凄く美味しいです。優しい味がして身体が温まります」
「香港は美味いものが多くて、最初はなかなかこっちの生活に慣れなかったけど、食べ物の力って大きいね。美味いもん食べると元気が出た。それが縁で知り合った人もいた」
「いつから香港に?」
「もう5年になるかな? あっ名詞」
「あっ私も・・・」
名刺交換する二人・・・
「葵商事の桐野さん・・・商社マンなんですね」
「SWコーポレーションの雨宮さん、香港には仕事で?」
「はい2年になります。でも毎日会社とアパートの往復で、何処にも出かけたことなくて香港の美味しいものもあんまり食べてなくて、ここのお料理凄く美味しいです」
「そっよかった(笑顔)」
なんて優しい笑顔・・・ぶちょおとクリソツ過ぎる。
駄目だ・・・我慢できない・・・又涙が。
「ご馳走様でした! このお礼は改めて、ここのお勘定は私が」
ダッシュで店を出ようとするホタル。
「雨宮さん? なにか困ってることとかあるんなら僕でよければ相談にのるよ。香港で働く同じ日本人として」
やたらと涙ぐむ女の子を男としてほっておけません(^^;
トボトボと引き返してくるホタル。
「すみません、お金が足りなくて・・・払えませんでした(アホ宮~!)」
「はっ!? あはは(笑)ごめんここ笑うとこじゃないか(笑)」
「実はですね・・・・・・(かくかくしかじか)」
「そう、そんなに似てるんだ、その部長さんと僕は」
「似てるなんてレベルじゃなくて、一卵性双生児かってくらいにソックリなんです」
「それで僕を見る眼の焦点があっていなかったり、涙ぐんだりしてたんだ」
「それで思わず桐野さんのこと追いかけて、挙句に迷惑かけて本当に申し訳ありませんでした」
「香港と日本の遠距離恋愛は大変だろうね」
「ぶちょおはメールや四季折々に手紙をくれるんですが、私はメールも手紙も苦手で、だって話したいことが有り過ぎてメールや手紙じゃ書ききれないんです。声が聞きたくて電話をしようと思うんだけど直ぐに会いたくなって、でも直ぐには会えないから、だったら電話しないでおこうとか、日本に帰るともう二度と香港に戻れない気がして、仕事投げ出すようなことはしたくないし」
「それでかれこれ2年間、なんの連絡もしてないの?」
「桐野さん、こんな女じゃ捨てられますか?愛想つかして他の女と浮気とかしちゃいますか?」
「えっ俺は浮気はしないけど(^^; でも2年もほっとかれるとどうだろ?ちょっと自信ないかな(笑)」
「桐野さんならまず周りの女性がほっておきませんよね、その桐野さんにそっくりなぶちょおも、まあ二枚目で年の割には若く見えて、会社では部下の信頼も厚く勿論仕事も出来て、でも家では細かいことに煩くて、まるで小姑みたいなんですよ。ぶちょおの本当の姿知ったら会社の女性社員はガックシだと思います」
「でも雨宮さんはガックシじゃないんだね(笑)」
「ぶちょおといる私は一番私らしくいれるんです。遠く離れていてもいつも心のこもったショッパイ手紙くれるし」
「ご馳走さま(微笑)」
「はっもしかして私ノロけてました?(笑) 桐野さんは日本に大切な人は? あっ すみません立ち入ったこと聞いて」
「日本にはいない。でもこっちにきてからとても大切な人ができた」
「そうなんですか」
「ずっと一緒にいたいと思っているけど、俺が日本に帰る日が来たらどうなるかな?彼女には大切な仕事があるし」
「恋人同志は離れちゃ駄目です! て私がいうのもなんですが」
「後悔してるの?」
「後悔はしてません。私たち離れていても心は繋がっていると信じているから。でもやっぱり離れ離れは辛いです」
「うん・・・本音を言うと彼女と一緒に日本に帰りたいと思ってる」
「想いは言葉にしなければ伝わりません・・・ぶちょおが結婚式のスピーチで言った言葉です」
「そうだね、その言葉・・・俺もしっかり胸に刻んでおくよ」
「アパートの近くまで送ってくださって有難うございました!」
「じゃあ元気で、なにか困ったことがあったら連絡して」
「はい、ありがとうございます」
「あっ男として一つ忠告するけど、その部長さん。雨宮さんが元気でやっているか凄く心配していると思うよ。俺が部長さんだとしてせめて今現在の恋人の写真くらいは見たいな」
「はい、そうします。 あの・・・桐野さんに一つお願いがあるんですがいいですか?」
「いいよ、なに?」
「アホ宮・・・て呼んでください」
「アホ宮・・・頑張れ!(微笑)」
ぶちょおだ・・・ぶちょおの声がした。
私は溢れそうになる涙を堪えながら、桐野さんを見送った。
その私の気配を察したのか(^^; 桐野さんは私に背を向けたまま、右手を上げてバイバイをしてくれた。
惚れちゃいそう

ちっ違う! いくらアホ宮の私でもそれは無い、断じて無い!
でもあの手の顔の男に弱いのね~顔だけじゃなく、優しくて凄くいい人だし

そうだ!写真写真。 写真か~干物女の私は何処にも行かないし写真なんてないや。
そーだ!今日の接待中に同僚の真菜ちゃんが私の携帯で私を写メってたんだった。
どれどれ、あった~! て・・・これか

まっいっか~無いよりマシよね。 後編に続く。