27日の夜公演と28日の昼公演に行ってきました。
原作を読んだときはクスリとも笑えずこれのどこが喜劇なんだかさっぱりわからなかったんですが、演出と役者さんたちの演技でこんなに面白くなるんだなと驚きでした。これが戯曲なんですね。
それと蜷川さんがイメージぴったりとおっしゃってくださったアンジェロは酷い男で共感なんて出来ないし魅力もない。この役がぴったりなの?と思ってましたが、舞台の奥から颯爽と歩いてきた直人アンジェロは凄くカッコ良くて舞台映えがして、知的で冷徹で性格悪そうで(こら)アンジェロにぴったりでとても嵌ってました。
蜷川さんにはこの直人アンジェロが見えていたんだと思います。直人も直に稽古つけて欲しかったし、蜷川さんも稽古つけたかっただろうな~。
あのスタイルに貴族風な衣装が凄く映えてオーラがありました。カフカのときのりえさんは遠目に見てもオーラがありましたが、大島さんにオーラを感じることはなく、役のせいもあるんだろうけど、大島さんが出てくると爽やかな風が吹いてました。
アンジェロには気迫を感じました。芝居に関してはファン過ぎて冷静に見れないのでわかりません
前より声がよく出てますが、ここもうちょっとゆっくりはっきり言うといいかなと思ったところはありました。稽古と本番は全然違って毎公演が戦いなんだと思います。どんな戦いの終わりを魅せてくれるのでしょうか、楽しみに大阪公演・千穐楽を待ちたいと思います。
ファン目線で言うと始まる前から楽しめるし、出番が多い訳ではないけど、見せ場がしっかりあって見惚れます。台詞なくても舞台上にいて表情で演技してるし(細かいよ)、立っていても座っていても頭のてっぺんからつま先の先まで超カッコ良く素敵でした
でもアンジェロ様でなにか書くのは難しいわ、今の言葉で話すわけにはいかないし、半兵衛さん書いたときも、一応昔の言葉の言い回しとか調べて書いているんですよ。シェイクスピアで16世紀のウィーンだし。家に帰ってからすぐに松岡さん役の尺尺読みました。アンジェロの台詞難しいわ~読んで難しいのを、気持ち込めて話すのって大変だろうな
多部ちゃんはとても可愛くて上手くて、綺麗な声がよく通り、軽やかに駆けます。凄くよかったです。多部ちゃんを使いたいという演出家さんが沢山いそです。多部ちゃんの私を離さないでが見たいよ~映像はないんでしょうかね。
ストーリー的にも出番も尺尺の主役は公爵みたいなもんですが、上手いんだろうなとは思いましたが、辻さんの公爵は素晴らしかったです。
原作を読んでいて一番嫌いで、この役必要?て思う役があったんですが、役者さんがこの役を実にチャーミングに愉快に演じていて、なんていう役者さん?と思ってパンフレットを見たんですが、写真は普通のおじさんだった(失礼)役者ですね~
カテコで衣装を着た役者さん達が並んだ姿は壮観で華やかで、その姿はまるで遺影の蜷川さんに花を添えているように見えて素敵なカテコでした。沢山の人が蜷川さんにお別れとありがとうを言ったことでしょう。
そして座長として真ん中に立つ直人が堂々として立派で感動しました。普段は謙虚で前に出る人じゃないけど座長ですからね、こういう直人を見れるときがきたことに感動し、力の限り拍手してたら軽く筋肉痛になりました(^^;
絵空のときも主演で座長だったんですが、あのときは生瀬さんもいたし今回と全然違いました。金曜日の方が拍手も多く立つのも早かったんです。土曜日15列目の私の周りには男性が多く、FBIチケットの枠がよくわかりません。
2回目のカテコで電気が付きそうになって、「えっ?嘘ー」と思ったらもう1回幕が上がり速攻席を立つ私。そして周りも皆立ちました。カテコは3回と決まっているようです。土曜日は夜公演のほうが笑いも多かったそうだし、お客さんによって違うのかな。
金曜日はほぼセンター8列目で、土曜日は15列目のサイドでしたが結構よく見えました。ときどき丸窓で表情も見ましたが、とにかく立ち姿が素晴らしいので、丸窓だと全身を見れないのであまり使いませんでした。
以下内容に触れるので下げます。原作にあるシーンではありますが。
本を読んでいてもアンジェロの元の婚約者のマリアナさんはいい人だな~あんな酷い男を許すんだ~と思ったんですが、舞台のマリアナさんも綺麗で優しそうで(カフカの先生をやられてました)いい人だ~としみじみなんですが、思っちゃいました。
藤木直人なら許す! 5年くらい待つ! いや10年だって待つ!
マリアナを演じた女優さんのお芝居が素晴らしいのもありますが、アンジェロが直人ってことで凄く説得力がありました。
美人は得だねってことです(笑) 実際貴族の結婚において持参金はとても重要で持参金がないことはとても恥になったそうです。アンジェロはプライド高そうだもんね。
パンフレットには脚本の松岡さんが「大人の喜劇」、三成さんという方が「近世ヨーロッパ社会の制と結婚」と題して書いてます。難しいシェイクスピアですがこれらを読むと、登場人物たちの心情がわかったり、時代背景やその頃の考え方が書いてあったりして興味深く面白いです。パンフレットは先に買って読んでおくといいかもです。