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Tea Time

ほっと一息Tea Timeのような・・・ひとときになればいいなと思います。

我が愛しのアンジェロ様・前編

2016-07-19 20:42:15 | 小説(ホタヒカ外伝以外の小説です)
「お帰りなさいまし、アンジェロ様」

「キャー、やだ~、( ゚∀゚)アハハ八八ノヽノヽノヽノ \ / \/ \」

「また来てるのか・・・」
「ええ、かれこれ一刻(2時間)になります」
「一刻も一体何を話しているんだ」
「なんでしょね(笑)貴族等の身分の高い女性は寡黙であることが美徳とされてきましたが、マリアナ様はイザベラ様にすっかり感化されたようで」
「そうなのか、最近お喋りで仕事で疲れているときなど、ちとうっとおしいのだ」
「話すのが面倒なときは・・・うん、そうか、なるほど、それで、わかった と大体この5つの言葉を使って返事すれば会話は繋がります」
「なるほど、ヨハンはいろんなことを知っているな」
「お役に立てるならなによりです」


「マリアナはアンジェロのどこがよかったの?やっぱり顔?まあ顔がいいのは認めるけど、相当酷い男じゃない。あらっごめんなさい、今やあなたの夫なのに」
「いいのよ、イザベラにとっては相当酷い男であることに違いないもの。5年前まだ兄フレデリックが生きていて船も沈まずに裕福だった頃持参金目当てに沢山の男性が私に求婚にきたの、誰もが花束や贈り物を持って詩人のように美しい言葉を私に投げかけるのよ、そんな中アンジェロは、君の顔は毎日見ても見飽きないって」
「それって褒め言葉じゃないわよ」
「そうね、でも私はそれを聞いてなんて不器用で嘘の付けない純粋な人なんだろうって思って(微笑)」

そんなお目出度い思考回路が出来るなんてマリアナって育ちがいいというか、生粋のお嬢様なのね。

「そうだったの」
「イザベラこそどうして公爵と?公爵は立派な人物で素晴らしい方だけど・・・」
「おじいちゃんよね(笑)でも公爵といると楽しいの、いろんなことを知っているしとても会話が弾むの(お喋り大好きなイザベラです)」
「わかる、私も公爵と話してると楽しいもの」
「アンジェロはつまんないでしょ」
「ええ、まあ・・・」

悪気はないんだろうけど思っていることを直ぐに口に出すのよね、イザベラに修道女は向いてないってしみじみ思うわ(^^;

「あらっイザベラのその髪留め素敵ね」
「いいでしょ、この髪留め公爵が買ってくれたのよ。マリアナも買ってもらいなさいよ」
「あの人は贅沢はしないというか、無駄なものは一切買わない人だから」
「ふーん、なんかつまんない。私もかつては修道女を目指した女、こういうものに興味はなかったんだけど貰うと嬉しいものよ」
「なにもいらない。私5年も待ったのよ、一緒にいられるだけで幸せだもの。でも一つだけ欲しいものがあるの」

                                *

私が何をしても何を言っても陰であざ笑われている気がする。実際そうだろう、賢者と呼ばれたこの私が下心を持ち醜態をさらした。誰もそのことを忘れはしまい。こんな生き恥をさらすくらいならいっそ死刑になったほうがよかったのではないかと今ならそう思う。いや公爵はマリアナが大のお気に入りだ。そのマリアナは私を愛している。その私を処刑にする気はなかったのだ。大体神父の成りして事の成り行きを見ていたとは、あの狸親父め。いや私はまだまだだな、公爵には到底叶わない。くっそーイライラする。

「ガチャン」

なんだ、今の音は?

「これは・・・結婚祝いに公爵から賜った壺ではないか、こんな大事なものを誰が割った!」
「私でございます、お許しください、何年かかっても弁償し」
「おまえごときに弁償できるわけがないだろ、もうよい、何をしておる、さっさとこの家から出ていけ!」


「ああ、かわいそうに」
「なにかあったんですか?」
「ドンキが壺を割っちまってね、追い出されたのさ。ドンキには身重の妻と5人の子供と病気の母親がいるんだよ、これからどうやって家族を養っていけばいいのさ、誰よりも長く真面目にこの屋敷で働いてきたのにさ」

「アンジェロ様!」
「ドンキのことを許してはもらえませんか?ドンキには身重の妻と5人の子供と病気の母が」
「私の知ったことではない、割れた壺は元には戻らん、折れた桜の枝も元にはもどらん」
「桜の枝?」
「当時の公爵から賜った桜の木の枝を幼き私はうっかりと折ってしまった。正直に話せば叱らないからと父に言われ、正直に話したら気を失うほど酷くぶたれ地下牢に閉じ込められた。失敗はなにがあっても許さぬと」
「かわいそうなアンジェロ様・・・」
「ヨハン、何故おまえが泣く?」
「アンジェロ様は想像することはないのですか?もし自分がそんな目に合ったらと、私なら地下牢が怖くておしっこもらします」
「私も少し粗相したかもな」
「アンジェロ様が粗相を(ぷっ)すみません、笑ったりして」
「つまり相手の身になって考えろということか、そんなふうに考えたことなどない。私の父は厳格で自分にも他人にも厳しく、その一方で女にはだらしなく母以外の女を孕ませ、その子は死産で、母は心労が重なり早死にした。私はどこか父に似ているのかもしれんな」
「違います!アンジェロ様は優しい方です。屈強そうな若者の中で一番小さく非力そうでみすぼらしい私を憐れんで雇ってくださいました」
「おまえは足には自信があると言っていたな」
「はい!」
「ならば早く行って伝えよ、明日からもここで働けと」
「はいっ!行ってきます!」


「あら、ここにあった壺は?」
「家来の者が割ってしまってな」
「なら私が割ったことにいたしましょう、公爵は私に甘いから怒ったりしないわ」
「そうか・・・」


「辞めなくてもよいと?」
「そうだよ(笑顔)アンジェロ様は話せばわかる方だ」
「詳しくは知らないがあの厳格なアンジェロ様が女絡みで問題を起こしたとかで宮中での立場が悪くなっているらしい」

マリアナ様とイザベラ様の話で大体の察しはついているが。

「ドンキ泣いて喜んでたな。よかった、さて帰るか」
「泥棒~!誰かそいつを捕まえてくれ!」
「向こうを走ってるあいつか、こらっ待てー!」

「エスカラス様、この者が盗人を捕らえました。盗まれたものも傷一つ付けずに取り返してくれたようです」

あの人情に厚いと名高いエスカラス卿、公爵に次ぐ№2

「名はなんという」
「ヨハンと言います」
「我が家に伝わる家宝が盗まれたとあってはご先祖さまに申し訳が立たずに死んでお詫びするしかないと思っておった。感謝する。どんな褒美でも取らせようぞ」
「私はアンジェロ卿の屋敷で働いております」
「ほほう」
「褒美など要りませぬ、ただエスカラス卿にはアンジェロ様を引き立てて頂きたいと」
「なんと」
「先の失態でアンジェロ様の評判がよくないのはわかっています。ただウィーンきっての学識を持つと言われるアンジェロ様を隅に追いやるのはこの国にとっても損失だと思うのです」
「おまえの言うことには一理あるが、一度信用を無くした人間がその信用を取り戻すのは難しいものだ。それに私もアンジェロの賢者なることは認めるが性格に問題があるのは確かだ」
「アンジェロ様はお優しい方です。先の大雨で田畑を流され生活に困窮したものは下男の募集をしていたアンジェロ様の屋敷に大勢集まりました。屈強そうな若者の中で私はいささか背が低く、兄弟に食べ物を分け与える為になにも食べていなかった私は痩せこけていました。そんな私が哀れに見えたのでしょう。下男として雇うなら身体が大きく強そうな者を雇うべきところ、アンジェロ様は私を雇ってくださいました。冷たい方だと人は言いますが私はアンジェロ様は心根の優しい方だと思います」
「よいなアンジェロはおまえのような家来をもって、なにか粗相をして首になったら私のところに来なさい」
「それは・・・」
「正直なところもよい。さっきの言い分、頭の片隅にでも入れておくとしよう」
「はっ!ありがとうございます!」

あのとき・・・

「名はなんと言う」
「ヨハンと言います」
「特技は?」
「足の速さには自信があります」
「いい眼をしているな、では明日から働いてもらおう」
「あっ ありがとうございます! せっ 精一杯務めさせて頂きまじゅる・・・頂きます」

緊張のあまり噛むわ、声が裏返るわ、すっとんきょうな声でまじゅるって・・・恥ずかしかった。けどそれが面白かったのか可笑しそうに声を出して笑った。周りの者は皆驚いていた。

「まじゅるか・・・アハハ」

なんて美しい少年のような笑顔、このときはまだアンジェロ様のことをよく知らなかったけれど、いや知っていたとしてもやはり俺はこの瞬間・・・

アンジェロ様、あなたに恋をしました。


「隣国で行われる国王の子息の結婚式だが、私はちと腰を痛めてしまっての、名代を立てようと思うのだが誰がいいかの」
「公爵ほどの威厳を持つ者はこの国にはおらず大変難しい質問ではありますが、結婚式という華やかさを考えた場合、見目の良いアンジェロがふさわしいかと」
「うん、なるほどアンジェロか。ではアンジェロで」
「よろしいのですか?」
「ん?」
「あれほどの失態を犯したものを名代とするはさすが公爵はお心が広くあらせます」
「そなたが推薦したのだろが」
「ええ、下心が疼いたとはいえ、アンジェロほどの学識と英知の持ち主は他にはおりませぬ、重要な役に付けぬのはいささか勿体ないのではと思っておりました」
「アンジェロの実力は認めておる。だが私の親友の妹をないがしろにしたことがどうにも許せなくてな、結婚はしたもののまだまだ安心できん。マリアナが真に幸せになったならアンジェロを取り立ててよいと思っておる」
「そうであられましたか」


                                  *

「ヨハン、どうだろう?おかしくはないか?」
「アンジェロ様が一番立派で美しくあられます。本日の主役の新郎が霞むほどに」
「世辞を言うでない(笑)」


「ねえ、あちらにいる殿方は見かけない顔だけど誰かしら?」
「ウィーン公爵の名代でいらした貴族のアンジェロ卿だそうよ」
「まあなんと見目麗しいお方」
「眼福ですわ」
「人の幸せを祝う結婚式に出るなんておっくうだったけど、あの方に会えるなら来てよかったわ」
「本当よね」

「もうお帰りになるのですか」
「はい、女王様。女王様にはご健勝であられますこと心より願っております」
「アンジェロ殿も道中気をつけてくださいね、あなたに会えたこの日を私は忘れないことでしょう」
「はっ光栄の極みでございます」

ご婦人方にモテモテのアンジェロ様です

「アンジェロ様どうしました?お顔の色がすぐれないようですが」
「うん、水に当たったかな、ちと腹の具合が」
「ならこれを飲んでください、祖母の代から我が家に伝わる胃腸薬です。少し苦いですが良く効きますよ、旅に出るとお腹を壊すことが多いからと母が持たせてくれたんです」
「そうか、じゃあもらおうかな」
「はい!」
「ゴクゴク・・・・・ウッ」

バタン(倒れる音)

「アンジェロ様? アンジェロ様!どうしました! 息をしてない・・・まさか、そんなことが。そんなそんな、アンジェロ様ーーー!俺のせいだ、俺が胃腸薬を飲ませたばかりに・・・いや何故胃腸薬で死ぬんだ!わからない、わからない・・・だけどアンジェロ様を一人で黄泉の国へは行かせはしません、私がお伴いたしまじゅる・・・アンジェロ様、もうあの時のようには笑ってはくださらぬのか、アンジェロ様ー!」

「もしやそこのお人?」
「なんですか? あなたは・・・さっきすれ違いざまにぶつかりそうになって荷物をばらまいた」
「そのときにこの小瓶が入れ替わったのです」
「えっ?それは私の」
「ええ、私のものとよく似てました」
「あの小瓶には毒でも入っていたんですか!この人殺し!女だとて容赦はせん、覚悟しろ!」
「違います、そのお方は死んではおりませぬ。仮死状態になっているだけで24時間経てば息を吹き返します」
「はぁ?何故そのような」

「私の名前はジュリエット、そしてこの私がお慕いする方はロミオ様、私はキャピレット家の一人娘、ロミオ様はモンタギュー家の一人息子、両家は昔から仲が悪くときには死人が出るほど敵対しているのです。そんな双方の親が私たちの愛を認めてくださることは到底有りえないこと。途方に暮れていましたところあるお方が、この薬を飲めば24時間仮死状態になります。霊廟に葬られた後でロミオと落ち合い二人で駆け落ちしなさいと助言くださったのです」
「事情はわかった。アンジェロ様は死んではいないのだな・・・神よ、ありがとうございます」
「もう薬はありません、このままだと計画はつぶれ私とロミオは永遠に会うこと叶わないでしょう」
「それは残念だったな、でもいいではないか」
「はっ?」
「あなたは大層美しいが女性というよりまだ少女のようだ(ジュリエットの年齢はこのとき13歳だそうです)。これからまだいろんな人に出会えるし、そのロミオ様よりいい男だっているだろう、その年で結婚を急ぐことはないだろう」

そういえばこの男、よく見ると綺麗な顔をしている。世の中にはまだまだ沢山のいい男がいるのかしら?

「いいえ、私はロミオ様と婚姻の誓いを立てました。私の純潔の誓いは守らなければいけません」
「あっそっ、なら勝手にすればいい」
「そうはいきません、私はどうしても今仮死にならなければいけないのです」
「だから薬がないって」
「そのお方に私の身代わりをして頂けないでしょうか、殿方にしては身体は細く美しい顔立ち、私のドレスを着れば女に見えるでしょう」
「なに言ってんだよ、そんなことできるわけねぇだろ!」
「あなたは誰かを愛したことがないのですか?世界中を敵に回してもこの人が好き、愛する人の為ならこの命だって惜しくはない・・・わかりませぬか、この気持ち」
「わかりました・・・協力しましょう」
「ではこちらのドレスに着替えさせてくださいね、このヘアピースも使うといいわ」

ああ、夢にまで見たアンジェロ様のまっ裸・・・細マッチョなんですね お美しい。はっ見惚れている場合ではない。いやもうちょっと、ドレスなど着せずにこのままでもいいではないか(こら)

「やはり髭は剃ったほうがよろしいのでは」
「そうですね、失礼します、アンジェロ様」
「まあこれなら誰も疑いませんわ、恩にきます。私たちは下男と下女のふりをして霊廟までついていきましょう」
「当たり前です、途中でなにかあったら私が命に変えてアンジェロ様を守りますゆえ」

「上手くいったわ・・・だけどみんなあんなに哀しんで、お父様、お母さま、親不孝な私をお許しください、いえもう娘はいないものと」
「だからあんんたは死んだことになってるって、けどよ、今ならまだ引き返せるんじゃないのか」
「・・・・・・・ロミオはどうしたのかしら?」

「ジュリエットー!何故・・・何故こんな姿に。君が死んだなんてまだ信じられない、僕を映し出す大きな瞳はもう二度と開くことはないのか、黒真珠のような瞳を覆う長い睫毛、ん?死ぬと睫毛は長くなるのか? 形のよい薔薇の蕾のような唇。死してなお美しいジュリエット・・・いや死んでからのほうがより美しく見えるのは何故だろう?そうか、これから僕たちは結婚式をするのですね、花嫁になった君は今までで一番美しい・・・」

「ちょっちょっロミオったらなに言ってるのよ、死してなお美しいとか」
「くくくっ」
「ちょっとそこ笑うとこじゃないでしょう」
「ロミオ殿の言うことは正しい(笑)」
「あなた、さっき私のこと大層美しいと言ったじゃないの」
「ええ言いましたよ、ただアンジェロ様は別格なのです」

「ジュリエット、僕も直ぐにあなたの傍に参ります」

「ダメーーー!」

ヨハンの投げた小石が見事にロミオの腕に当たりました。

「ジュリエット? わぁー幽霊だ~幽霊怖いよ~誰か助けて~」
「ロミオ様!幽霊じゃありません! ほらっちゃんと足があります」
「じゃあ、君が本物のジュリエットなのか? これは一体どういうことなんだ」
「かくかくしかじかで、さあ早く逃げましょう、私たち二人だけで遠くへ行くのよ」
「無理」
「どうして?」
「腰がぬけてしまって動けない」

「さっきの幽霊といい君のロミオ様はなんとも情けない男だな(笑)いや恋は盲目というからな」

ちょっと冷めてきたかも(^^;

「ジュリエット?ジュリエット!生きておったのか!」
「おー私の可愛いジュリエット」

そーとアンジェロを移動させるヨハン君。

「お父様、お母さま、ごめんなさい」
「おまえは生きている、それだけでいいのだ。ロミオとの結婚も許すから」
「もう何処にも行かないで私たちの傍にいるのですよ」
「はい、お母さま、ですがロミオとの結婚はやめることにしました」
「なんと!」
「私はまだ幼く世の中のことをわかってはいません、もっといろんな経験を積みたいと思っております(男はロミオだけじゃないし)」
「そうか」
「ですがキュピレット家とモンタギュー家がいつまでも敵対しているのは不幸なことです。そろそろ仲直りしてはどうでしょうか」
「うん、そうだな、そうしよう」

「ということで、ごきげんようロミオ様」
「うん、またな」

そうだ、さっきの美しい女性といい世の中にはジュリエット以外にも沢山の女がいるのだ、早々と17歳で結婚を決めることはないよな。しかも出会ってまだ3日だったし、まるで三日麻疹みたいなもんだったな、俺たちの幼い恋は。

これが誰も知らない本当の 喜劇・ロミオとジュリエット シェイクスピア様~


「ヨハン、私は随分長く寝ていた気がするのだが」
「お疲れだったのでしょう」
「髭はどうしたんだろう?」
「あっ薬の副作用ってやつですかね」
「身体の調子はよくなったから髭くらい仕方ないな」
「そうですよ。髭はまたはえてきますからね」
「ここら辺は賑わっているな」
「ここでマリアナ様にお土産を買いましょう」
「うん・・・なにがいいんだろう?」
「アンジェロ様、そんな変な置物を喜ぶ女子はどこにもいませんよ」
「そうか(^^;」
「この髪留めなんていかがでしょう、こちらの首飾りも素敵です。色の白いマリアナ様に似合いそうだ」
「二つも買うのか?」
「アンジェロ様は女心がわかっておりませぬ」
「ヨハンは女心がよくわかりそうだな、女子の好みそうな顔をしておるし、求愛されたことも多いのでは」
「まあ、それなりには。でももう女はいいです(笑)」

その年で女はもういいなんて一体どれだけの女と

「アンジェロ様、私の知り合いが公爵家で働いているのですが、アンジェロはまだまだ信用がならんがマリアナを真に幸せにしたなら全てを水に流そうと話しているのを立ち聞きしたそうです」
「本当なのか、それは?」
「ええ、本当です。マリアナ様はお子を望んでおいでです」
「そういうのは授かりものだから」
「数打ちゃ当たるです!」
「うんわかった、頑張る」

「それにしても今度の旅は楽しかったな、ヨハンと一緒だったからだな。私には友がおらぬゆえ私の友になってはくれぬか」
「勿体ないお言葉、ありがとうございます。下男であることに変わりはないですが時にはアンジェロ様の友でいたいと思います」
「うん、よろしくな、我が友ヨハン」

「まあなんて素敵な髪留めに首飾り、ありがとうアンジェロ(選んだのはヨハンだろうけど)」
「喜んでくれて私も嬉しいよ」

今頃アンジェロ様はマリアナ様と・・・私がけしかけたとはいえ、アンジェロ様はどんな顔でマリアナ様を抱くのか?どんな風に・・・それを思うと胸が張り裂けそうだ。あんなにお優しいマリアナ様に私は嫉妬している。ドロドロとした醜い塊がマグマのように私の身体に張り付いてこの身体を焼けつくすようだ、熱い・・・熱くてたまらない。

「ヨハン、もう水は冷たいんだから水浴びしてると風邪ひくわよ」

水浴びばかりしていた俺は丈夫な身体になり風邪一つひかずに冬を過ごした。               後編に続く。

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我が愛しのアンジェロ様・後編

2016-07-19 20:41:57 | 小説(ホタヒカ外伝以外の小説です)
「まあなんて愛らしい赤ちゃん、名前は?」
「ギルバートよ」
「いい名前ね、アンジェロにそっくりな美しくて利発そうなお顔だわ、これで性格がマリアナに似てたら素晴らしい子に育つわね」

顔は私に似なくてよかったってことね(^^;

「私は母親になるのが夢だったから夢が叶って本当に幸せ、イザベラは子供はどうなの?」
「私は別に子供はいいわ」
「えっ?愛する人の子供を産みたいというのは女の夢じゃないの?」
「私の夢は修道女になることよ」
「えーーー!じゃあどうして公爵夫人やってるのよ」
「だって兄を救う為とはいえ私が修道女らしからぬ言動をしたことが修道院に知れ渡って修道女になる夢を絶たれてしまったんだもの。だから公爵が死んだら私はその遺産で修道院を作って修道女になるの、いい考えでしょ」

だからあなたは修道女には向いてないって。

「遠い異国の国の日本というところでは夫が死ぬと頭を丸めて寺に入り尼になると聞いたわ、私それに憧れてるの」
「でも公爵って・・・」
「元気なのよ、元気なうちに世界一周しようという話になって明日からウィーンを離れるの、アンジェロに公爵代理を頼むって言ってたからよろしくね」
「まあそれはそれはアンジェロが喜びます」
「ギルバートくんの出産祝いみたいなもんね、もう孫が生まれたみたいに喜んでいるわよ、公爵」
「そう(^^; 気をつけて行ってきてね」
「ありがとう」


「常に閣下の御意に従う臣下としてご用を承りに参りました」
「アンジェロ、おまえに公爵代理を命ず」
「わっ 私がですか!? 光栄の極みではありますが私などが」
「つべこべ言わなくともいい、私は早く出発したいのだ。後のことは頼んだ。おまえは同じ過ちを繰り返すバカではなかろう?ウィーンの英知としての自覚を持て」
「御意」


「ヨハン!ヨハンはどこだ!ヨハンはいるか!」
「アンジェロ様、どうなさいました?大層声が弾んでいますが」
「公爵代理を命ぜられた、これがその書状だ」
「アンジェロ様!」
「ヨハン!ヨハンのおかげだ、ありがとうヨハン」

ヨハンを抱きしめるアンジェロ・・・

アンジェロ様・・・このままここで死んだとしてもなんの悔いもないです。

「今夜は飲もう、付き合ってくれ」
「はいっ」

「アンジェロ様、こんなとこで寝てたら風邪ひきますよ、アンジェロ様・・・」

少しだけ・・・少しだけ触れてもいいですか・・・その唇に。。。

「お酒足りてる?」
「マリアナ様!・・・申し訳ありません。直ぐに荷物まとめて出ていきますのでどうかお許しく・」
「あらっいいのよ」
「えっ?」
「別に減るもんじゃないし」
「どうして?」
「なんとなくヨハンはアンジェロのことが好きなのかなって思ってたわ、あなたが女なら嫉妬するけど男だから孕む心配もないし、私は子育てで忙しいからアンジェロのことよろしくね」
「え・・・えーと(はいと言っていいものだろうか)」
「でもね・・・恋をしている間はいいとこしか見えないけど、これだけは覚えておいて。アンジェロはひとでなしだから、それを忘れないで、でないとあなたが傷つく」

                                  *

「エスカラス、婚姻の前に交渉を持った男女はそのどちらかが責任を取って1年の禁固刑という法令を出したいのだがどう思う?」
「ウィーンの街は乱れ切っておりますゆえ、秩序を正す為にもよろしいんではないでしょうか」
「ではそうしよう、同じく私生児を産んだ母親が父親を申告すればその父親を1年の禁固刑に処すというのも付け加えよう」
「申告するものなどまずいないでしょうが」
「何故?」
「申告した母親が父親から恨みを買いますからね」
「そうだな」


「なんだと!?申告するものがいたのか?」

「一人は子供が出来なくて嫁ぎ先を追い出された資産家の娘がどうしても子供が欲しいと願っていたら良い子を授かったと、もう一人は仕事がしたいから結婚はしたくないけど子供だけは欲しいと思っていたら良い子が授かったと。一人は独身主義者だが兄夫婦に子供がなく代わりに自分が産もうと思い良い子をさずかったということで、3人とも父親には内緒に産んで育てていました。3人とも父親に深く感謝しており誰も恨んでないそうです。ところが今度の法令を聞き、厳しいと評判の公爵代理の出した法令だからなにかお咎めがあっては大変とやむを得ず申告してきたそうです。そして子供は3人ですが父親は一人でして」

「なに?」

「ヨハンという者はいるか!」
「私ですが」
「連行する、おとなしくついてこい」
「何故私が?なにかの間違いです。アンジェロ様~!」


「エスカラス様、これはどういうことですか?」
「かくかくしかじかこういう理由で3人の女から申告があった。一人1年として三人だから3年の刑だ」
「そんな・・・アンジェロ様はどこですか!アンジェロ様に取り次いでください!」
「判決を下したのは公爵代理だ、如何なる理由があろうと法は法、親兄弟でも知り合いでも皆平等に罰すると言っておった」
「そんな・・・そんな~」

マリアナさまの言っていたのはこのことだったんだ。。。


申告した女たちはヨハンから恨まれることはないと知ってのことだろうが、そしてヨハンも女たちを恨みはしないだろう。ヨハンが恨みを抱くとすれば・・・

「エスカラス様、褒美など要りませぬ!」(エスカラスの回想)

私がどうこう言うことではない、どうするかはヨハンが決めることだ。哀れなヨハンに神のご加護を、アンジェロには天罰を。


                              *

そして3年の月日が流れた・・・

「ヨハン、よく辛抱したな、ここを出る日も近い」
「はい、いつも差し入れありがとうございます。エスカラス様の差し入れがあったから私は牢屋での立場がよく、またエスカラス様からお借りした本は私に様々なことを教えてくれました。なんと言って感謝していいのか」
「よいよい、私はおまえが可愛いのだ、行くところがなかったら私のところに来なさい、いつでも大歓迎だ」
「お優しいエスカラス様、それに比べてアンジェロ様ときたら」
「アンジェロはヨハンが傍にいないと駄目だな、また昔のように難しい冷徹な顔をしておる。優しい顔の一つも見せねば下の者は付いてこないだろうに」



「マリアナ様!」
「まあヨハン、お勤めご苦労様でした」

犯罪者じゃないんだけど(^^;

「思ったよりも元気そうでよかったわ。迷惑をかけてしまいましたと沢山のお詫びの品が届いたからとりあえず北の塔に運んでおいたわね」
「ありがとうございます。こちらはギルバート様、大きくなられてますますアンジェロ様に似てきた」
「ええ、それにこの子は賢くてもうアルファベットが全部書けるし、読めるのよ」
「それは大したもんだ」
「ヨハンはボール投げれる?」
「はい、投げるのも受けるのも蹴るのも得意です」
「じゃあ一緒に遊んで」
「今日は忙しいから明日でもいいですか?」
「うん」
「お父上とは遊ばないのですか?」
「お父様は仕事が忙しいそうです」

そんなこったろうと思ったよ。

「よかったね、ギルバード。私は男の子の遊びにはついていけないわ」
「お母さま、おしっこ」
「メアリ、ちょっとお願い」
「はい、奥様」
「ヨハン、ギルバードに出来ない約束はしないで」
「私は約束を破ったりはしません」
「と言いますと」
「はい、またこちらでお世話になろうと思っています」
「ありがとう、本当にありがとう。ヨハンにギルバードの教育係をお願いしたかったの、アンジェロはどうやって子供に接していいかわからないって逃げてばかりなのよ(苦笑)」

アンジェロ様の教育もせねば。

「一つお願いがあります」
「なあに?」
「アンジェロ様を好きにしてもよろしいでしょうか」
「もちろんよ、3年間の恨み辛みが多々あるでしょう、煮るなり焼くなり押し倒すなりお好きにどうぞ(微笑)存分に仕返しなさいませ」
「ありがとうございます」



「ヨハン・・・・元気そうでよかった。私のことを許してくれ。いや許してくれなんて虫のいいこと言わん」

私の為に涙を流し私にひざまづくのですか? 誰よりも高潔で美しいあなたが・・・こんなのずるいです。

「どうして一度も面会にこなかったのですか?」

「囚人たちに顔を覚えられたら後で仕返しされるかも知れないと思って」

どうしてこんなひとでなしを好きになってしまったんだろう

「てか、正直に言いすぎます。もう少し上手い言い訳は出来ないんですか?」

「うーん、どう言えばいいのか教えてくれ、私はヨハンに教えてもらうことが沢山あるらしい(微笑)」

だからその微笑はずるいって!

「確かに私はアンジェロ様に教えることが沢山あります(教えてやろう~)。まずは・・・」

「えっ?」

まさかのお姫様抱っこ((ノェ`*)っ))タシタシ

「随分と腕っぷしが強くなったんだな」

「ええ、体がなまらないように毎日筋トレに励んでいました。エスカラス様が差し入れてくださった本を沢山読んだのでアンジェロ様と哲学を論じても負けない自信があります」

「それは凄いな、で、どこに行くのだ」

「北の塔にいい寝所があるそうです」

「そこで哲学を論じるのか?(^^;」

「なんで寝所でそんな無粋なことしなきゃいけないんですか、さあ着きましたよ」

「ここでなにを?」

「恨み辛みを果たしたく、3年間必死で耐えてきました」

「どんなことでも受け入れよう、好きにすればいい。鞭打ちにだって耐えて見せるぞ」

「好きにすればいいんですね(微笑) 鞭打ちなどではありませね、私の激しい欲望に応じる覚悟はおありですか?」

そっちかいっ

「小半時(30分)待ってはもらえぬか? 心の準備が(;'∀')」

「逃げられては困ります。仕返しには仕返しを、お仕置きにはお仕置きを、尺には尺を、アンジェロ様には愛を

「ん?」

「愛しています! 我が愛しのアンジェロ様!」

「あいわかった、優しく頼む」

「御意」                                                        end


こんな落ちでごめんなさーい 喜劇ってことで(^^; 楽しんで頂けたでしょうか。
好きで書いていますが一生懸命書きました。一言でも感想頂けたら嬉しいです。
拍手だけではなく小説やblogの感想等頂けたならより嬉しいです。よろしくお願いします


因みに私の趣味でヨハンくんは○くんで書いてますが、○○くんでも、○○さんでも○○○○でもお好きにイメージしてくださいね。

コメント (4)
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それぞれのバレンタインデー①

2016-02-14 13:23:12 | 小説(ホタヒカ外伝以外の小説です)
「夏・恋に煌めけ!白球に煌めけ!(カテゴリーのラストシンデレラにあります)」の光ちゃんと光太郎くんのその後のお話です。光ちゃんはぶちょおとホタルの長女で、光太郎くんは凜ちゃんと桜の長男です。
 

「えっ!?」

「なんか新聞に大きなニュース載ってるの?」

「いや、別に」

「今パパ、私の顔見たでしょう~」

「なになに、あらっ光太郎くんプロに行かないんだ」

「ふ-ん、そうなんだ、ごちそうさま、わっもうこんな時間、学校行く用意しなきゃ」



「すぐにわかることだからさらっと言ったほうがいいよな、さすがママだ」

「えっ?まあね(^^;」

ママはなにも考えずに言ったと思うな←by誠くん


2週間前の立花家・・・

「自分で決めたんだよな」

「うん」

「後悔はないか?」

「もちろん」

「ならいい」

「ちょちょっと、そんなあっさりと。母親としてもうちょっと詳しく聞きたいわよ~」

「お父さんは気がついていたと思うけど、決勝戦の8回辺りから肩に違和感があったんだ」

「うそ~」

「治らないことはないと思うけど・・・」

「じゃあなんで?」

「野球は好きだけど、プロになるのはすげぇー大変なことだと思うし、何よりも一生出来る仕事じゃないから」

「俺だったら後先のこと考えずにプロ野球選手の道を選んだろうな」

「じゃあ進路はどうするの?」

「美容学校に行こうと思う」

「えーーーーーーーーー!」驚き過ぎて固まる二人です。

「なんでそんなに驚くんだよ、物心ついた頃から店でハサミ持って働く親を見ていて、そういう環境で育ったんだからそう思ったって不思議じゃないだろ。でもお母さんにお父さんの甲子園の話聞いたときは俺が甲子園に行くぞっ!て思って、負けず嫌いだったから甲子園でてっぺん取りたくて、がむしゃらに練習して連投連投で決勝まで投げたら肩痛めたかなって」

「光太郎~」

「ちょっちょっいくつだと思ってんだよ、小学生じゃないんだから!勘弁してよ、ちゅうしたかったらお父さんとやって」

「お父さんとはいつもやってるから

「あっそっ」

「たまには若い子がいい~お肌つるつる~」

「お母さんは若い男が好きなんだよ」

「へっ?」

「ちょっちょっ何十年前の話持ち出してくんのよ!」

「なになになんの話?」

「おかえり桜子、今光太郎の進路について家族会議してたとこなの」

               
                                *

「光、新聞見た?」

「見たよ、光太郎君が決めたことだからいいと思うよ」 

「そうだね」

「光は大学推薦でいいな~」

「推薦だって受かるかどうかわかんないよ、小論文の試験が厳しいらしくて毎日先生にダメだしされてるよ」

「そっか、光は作文苦手だもんね、そりゃ大変だ」

「推薦駄目だったら入試センター試験受けることになるだろうから、そっちの勉強もしとかなきゃね」


光太郎くんのことは気にならないと言えば嘘になるけど・・・今は目の前にあることを頑張ろう!

                                *

東京は雪になれてないから大変だ、明日大学の合格発表だから滑らないように歩かなきゃ・・・

「キャッ!」

転ぶ~と思ったら腕を掴まれた。

「光ちゃん?」

「光太郎くん・・・」

「もしかして光ちゃんかなと思って後をつけたんだ、なんかストーカーみたいだけど(^^;」

「ううん、ありがとう。おかげで転ばずにすんだ、明日大学の合格発表だから滑って転んだりしたら縁起が悪いもん」

「そうなんだ(笑)明日か~受かってるといいね」

「うん」

「気になるから結果教えてもらえる?」

「うん、いいよ」

よっしゃー!

「じゃあ、電話待ってる」

「うん」

びっくりしたーまさかこんな偶然の再会があるなんて。神様!仏様!合格しますように、どうかどうかよろしくお願いします!


「光、どうだったかな」

「学校に直接連絡が入るんでしょ」

「うん」

「駄目だったら一般で受ければいいじゃない」

「一般だとちょっと厳しいと思うぞ」

「そっか」

「ただいま~」

「声が明るいぞっ」

「お帰り~!」

「高野光、無事に合格しました!」

「よかった」

「おめでとう!光」



「もしもし光太郎くん、合格したよ」

「おめでとう~光ちゃん」

「ありがとう」

「あのさ、今度の日曜会えないかな・・・話したいこと沢山あるんだ」

「うん」

「よかった、じゃあ光ちゃんちの近くの公園で2時に待ってる、時間いい?」

「うん、大丈夫」

はっ今度の日曜日っていったらバレンタインデーだ、チョコ、チョコ作らなきゃ



「こんにちは~」

「いらっしゃい、光ちゃん、久しぶりだね」

「すみません、定休日なのに」

「ううん、光ちゃんとチョコレート作るの僕も楽しみにしてたんだ(微笑)」

はぁ~素敵~小野さんて全然年をとらないのよね。甘い香りに天使の微笑み、パパと同じ顔なのに全然違う~

「今年はママと作らないの?」

「はい・・・」

「てことは大事な人にあげるチョコなんだ(微笑)」

「上手く作れるかな」

「大丈夫だよ、愛情もって作ればその思いはちゃんと届くから(笑顔)」

「はいっ!」



「ただいま~」

「お帰り~誠、あらっその紙袋は?」

「14日は日曜で学校休みだからって今日もらったんだ」

「なんか年々増えるわね(^^;」

どれもこれも綺麗なラッピングね、みんな手作りチョコなのかな。あれっ?一つだけ随分雑なラッピングのチョコが(^^;



「ただいま」

「あっ パパだ、おかえり~。誠がチョコ沢山もらってきたんだけど、その中で一つだけ随分雑なラッピングのチョコがあってね」

「さっき誠が大事そうに箱持って二階に行ったけどそのチョコだったりしてな」

「あらっそういえばその雑なラッピングのチョコだけないわ」

てことはそのチョコが誠にとっての本命チョコなんだな、雑というのが気になるんだが(^^;



やった~朋美ちゃんの手作りチョコだ、見た目は少々悪くても、愛情いっぱいのチョコだから・・・ん?自分で愛情いっぱいなんていうと照れるや、いただきまーす。

ん? これは・・・これは激まず、ゲロまず、どうしてたかがチョコレートでこんな味になるんだ?

「誠くん、甘いものはそんなに得意じゃないっていうから塩チョコ作ってみたの、食べて」

って言っていたけど、どう考えても塩の分量を大幅に間違えたに違いない味だな、これは


                               *

「光、出かけるのか」

「うん、ちょっとね」

ちょっとにしては随分とお洒落に気合が入っているように見えるけどな。あー心がざわつく。byぶちょお



「光ちゃん!(可愛いな~

「光太郎君、あの・・・これ食べて」

「えっ?」

「チョコレート」

「あっ今日バレンタインデーだったか、なんか間が悪いな」

「間が悪いって? チョコいらないんだ」

「違うよ、そうじゃなくて・・・光ちゃん、僕と付き合ってください」

「えっ?」

「先にバシッて言いたかったんだけどさ、その前にチョコレート・・・」

「だから間が悪いんだ(笑)」

「で・・・さ、返事は?」

「はい(笑顔)」

「ヤッター!」

「ねえ、チョコ食べない?」

「うん、うっまっ! なにこれ滅茶美味いんだけど」

「天才パティシエ指導の下に作ったから

「そうなんだ~うん、美味い!」

「よかった~」

「話したいこと沢山あるんだけど」

「うん」

「今日はデートしよう」

「うん」

「といっても俺、ずっと野球一筋だったから何処行っていいかわかんないんだけど(^^;」

「一緒にいるだけで嬉しいよ」

「うん」


                                   *

「光太郎って結構有名人じゃん」

「そうだな」

「ここらへんの美容学校て・・・」

「NYに行かせるか」

「ナイス凜太郎!私もそうしたらどうかなって思ってたんだ」

「じゃあ早速ベンに電話しよう」

「ずるーい、私が留学したいって言ったときには滅茶反対したくせに~」

「短期留学くらいなら行ってもいいぞ」

「光太郎がNYにいれば安心だもんね」

「光太郎は?」

「ちょっと出かけてくるって出ていったわよ」

「早く帰ってこないかな~」

「心機一転、新しい地で新しいこと始めるっていいよね、きっと光太郎も喜ぶわよ」

「まずは英会話をなんとかしなきゃな」

「そうだっ これこれ英単語のカード」

「まだ持ってたのか、すっかり黄ばんで(笑)」

「なにこれ、見せて」

「あっ 駄目~」

「明るく元気で、だけど本当は淋しがりやで・・・ってママのこと? で、これ作ったのはパパ~? キャーバンバン(机をたたく音)」

「なんだか捨てられなくてね」

「甘いな~チョコより甘いね(笑)」

「懐かしいな(微笑)」

光太郎君の留学話で盛り上がる立花家に、交際をスタートさせた光太郎君と光ちゃん。交際早々遠距離恋愛になってしまうのか。

親の心・子知らず  子の心・親知らず


                             *

「ママ、チョコレート作ってるんだ」

「うん、塩チョコ」

「へぇー(^^;」

「試作品だけど食べてみる?」

「うん、へぇー美味いじゃん」

「よかった~」

ママでも作れるんだ、塩チョコ(^^;


「ただいま~」

「あっパパだ。パパにはこっちの形の綺麗なのを入れてと」

「おかえりなさ~い」



完成品は試作品より美味しいのかな・・・ん?なんだこれはゲロまずっ ママ塩の量間違えてるよ~なんで完成品が失敗するんだよ、てか味見しないの?ママも朋美ちゃんも(^^;


「ママ~そのチョコじゃなくてこっちのを」


「食べてみて! あーん」


遅かったか・・・


「うん、美味いっ ありがとうホタル


パパ・・・後光がさしてるよ。 僕はとてもパパの領域にはなれそうもありません


干物女を嫁にして早20年。もはや仙人の領域に達しようとしているぶちょおなのでした。



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それぞれのバレンタインデー②

2016-02-14 13:22:48 | 小説(ホタヒカ外伝以外の小説です)
「今日も春太くんの作った椅子売れたんだって」

「なんかそうみたいで」

「凄いな~そのうち大手から引き抜かれるんじゃ(笑)」

「静、静さんの仕事で店が雑誌に載ったから」

「やっぱりマスコミの力は大きいね」

「イケメン店長がいるっていうんで女性のお客さんも増えましたね」

「イケメン店長て?」

「社長のことですよ」

「そう?俺ってイケメン?」

「だと思いますよ~(自覚ないだろうけど)」

「俺、春太くんの作る家具好きだな~なんか素人っぽい、あっこれは褒め言葉だからね、あったかいんだな」

「それもこれも社長が僕を拾ってく・・・痛っ」

「ごめんなさい!おじさん、大丈夫ですか?」

「あっ大丈夫、大丈夫」

「よかった」

「このボール、君たちの?」

「はいっ」

「ちょっと投げていい?」

「あっはいっ」

「よっしゃっ うぉおぉー」

「ナイスピッチング!」


「社長は子供好きですね」

「うん、好きだよ。子供は正直で嘘つかないからね」

正直で嘘つかないのは社長も一緒だな・・・

「でも静の年で子供は・・・・・無理かな」

「別に子供が欲しくて静と結婚したわけじゃないから。俺は静がいればそれだけで十分幸せだから(笑)」

ホームレスになった俺を拾ってくれて、俺が幸せにできなかった静と結婚して。社長がいなかったら俺たちどうなっていたんだろ?まさしく社長は神だな。なんか贈り物したいくらいだけど、好きなものと言ったらテキサスバーガーか(安っ)

「明日はバレンタインデーだろ、静がバレンタインパーティやるって言うから皆で盛り上がろうぜっ」

「はいっ」

                                *

「ただいま~」

「お帰り~、あっこれちょっと味見してくれる?」

「うん美味しい~さすが静さん、お洒落なうえに超美味しいです~」

「ただいま~テキサスバーガー買ってきたよ~」

この料理に不釣り合いなテキサスバーガー(^^;

「うぅぅ この匂い駄目・・・気持ち悪っ」

「みやこちゃん、どうしたの大丈夫?」

「ごめん、トイレ」

「ただいま~」

「あっ春太くん、なんかみやこちゃん、具合悪そうだよ」

「病院、連れていかなきゃ」

「うん」

「病院ならもう行ったから」

「どこか悪いの?」

「私・・・赤ちゃんができたの」

「えーーー!」

「おめでとう、みやこちゃん」

「凄いや~可愛いだろうな~赤ちゃん生まれたら俺も抱っこしていいかな」

「もちろんだよ、だって心さまはこの子のお父さんだもん」

「えっ!?」

「心・・・」

「嘘だろ・・・」

「違う、違う~みんな誤解しないで! 心さまが春太と私を拾ってここに連れてきてくれたから、それが縁で私たちは結婚して、それで妊娠したの。だから心さまはこの子のお父さんみたいなもんだよ」

「そういうことか、あービックリした(笑)」

「静さんもお母さんになってよ」

「へっ?」

「私子供生んだことないし、お母さんやったことないし」

「それは私も一緒だから」

「あのね、お腹の赤ちゃん双子なんだ」

「ふっ ふふふ・・・・・」

「春田くん、落ちついて~さあ水飲んで」

「いきなり双子の赤ちゃんなんてどうしていいかわからなくてパニクリそうなんだ~だから」

「赤ちゃんが二人、お父さんが二人、お母さんも二人、みんなで赤ちゃん育てよう!」

「春太くん」

「春太・・・」

「賛成~!」

「なんか楽しくなってきたね、乾杯しよう!」

「私はジュースで乾杯~!」

「乾杯~! ほらっ静さんも」

「うん、乾杯~!」

「ハッピーバレンタイン!」

「そういえば今日はバレンタインデーだったね」

「そうそう昨日みやこちゃんとチョコレートケーキ作ったんだ」

「すげぇ~美味そう~」

「そうだ心、もうテキサスバーガー買ってきちゃ駄目だよ」

「なんで?」

「だってさっき、テキサスバーガーの匂いでみやこちゃん、気持ち悪くなったんだよ」

「そっか、じゃあもう買ってこない。いや無事に赤ちゃん生まれるまではテキサスバーガー絶ちする!」

「そこまでしなくても」

「いいんじゃないかな~」

「私もそう思う」

テキサスバーガーがお腹にもたれる年の二人なのです(^^;


                               *

「いきなり双子のお父さんか~俺ちゃんとお父さんになれるかな?」

「私も全然自信ないよ、でも心さまと静さんがいる」

「そうだな」

「やっぱ心さまは神だね」

「うん、拾う神だ」

「みんなで幸せになろうね

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それぞれのバレンタインデー③

2016-02-14 13:22:31 | 小説(ホタヒカ外伝以外の小説です)
「社長、これどうぞ」

「ありがとう(笑顔)」


「社長にチョコ渡したら笑顔でありがとうって」

「私もそうだった」

「私も~」

「いつも難しい顔してるから、意外な笑顔でビックリだった」

「そう、でもあの笑顔にはキュンとしちゃった」

「私も~」



「女子たちが騒いでたわよ。意外な笑顔にキュンとしたって(笑)」

「バレンタインデーって嫌いなんだ」

「えっ?」

「小学生のとき好きな女の子がいて」

「あらっ意外と早熟?」

「普通だろ」

「なんか奥手ぽいんだもん(笑)」

「で、その子がバレンタインデーにチョコくれたんだ。凄い嬉しくてありがとうって言おうとしたらクラスメイトが通ってからかわれた」

「それで?」

「こんなのいらないって突き返した」

「ひどーい!」

「恥ずかしかったんだよ」

「最低だよ」

「子供だったんだな~」

「まあね、男の子より女の子のほうがませてるからね」

「それで謝ろうとしたんだけどひと月後にはもう卒業式で・・・」

「終わっちゃったんだ、初恋」

「なんかずるくないか、俺の初恋だけ聞いて」

「じゃあ私のも聞く?」

「別にいいよ」

「それでチョコ貰うときは笑顔でありがとうって言うことに決めたんだ」

「うん」

「はい、久しぶりに手作りチョコ作っちゃった」

「へぇー嬉しいな、ありがとう(笑顔)」

「確かにキュンとくるね、その笑顔は(笑)でも私だけじゃなく、その笑顔みんなに振り向いたんだよね」

「あっ それってやきもち?」

「まさか、いい年して今更やきもちなんかやかないわよ・・・ん」

特別な人には笑顔と極上のキスをする柳さんなのです

「明日仕事だよね?」

「明日は横浜で講演会があるんだ」

「そっか」

「なんか用?」

「ううん、大したことじゃないから」


                                   *

「めぐみさん、今日休みなんだ」

「田舎から母親が出てくるって言ってたわよ」

「お母さんが~お見合いでもするのかしら?」

「えっ!?めぐみさん、お見合いするんだ」


嘘だろ・・・見合いなんて聞いてないぞっ はっ

「明日仕事だよね?」

そうか・・・そういうことか。


「あらっ見合いだなんて言ってないわよ」

「そうなんですか~、でも最近めぐみさん綺麗になったと思いません?」

「前から綺麗だけどなんか女性らしくなりましたよね」

「誰かいい人がいるのかしら」


俺たち付き合っているんじゃないのか?食事をしたり飲みに行ったり、忙しくてデートらしいデートはあまりしてないけど、夜明けのコーヒーだって何度も・・・コホン俺としたことがつい盛ってしまった。何度ではなくまだ一度だけだった(^^; ん?そうだ、横浜には朝比奈がいるじゃないか。


「俺だけど今日忙しいか?」

「貧乏暇無しですよ」

「悪かったな、安月給で」

「俺になんか用ですか?」

「すまんが今日横浜で開かれる講演会、俺の代わりに出てくれないか」

「えっ!」

「頼む、俺の人生が掛かってるんだ」

「いいですよ」

「すまん」

なんだろな~俺の人生が掛かってるって?


                                  *

「お母さん、早くしないと遅れるわよ」

「久しぶりの着物だから着付けに時間かかっちゃって」

ピンポンピンポン!

「はーい」

「めぐみ・・・」

「どうしたの?」

「用意できたわよ~」

「行くなっ 見合いなんかするんじゃない!」

「えっ?、こちらどなたかしら?」

「会社の社長の柳さんよ」

「申し遅れました。柳主税と言います」

「いつも娘がお世話になっています」

「もう~挨拶は後でいいからお見合いに遅れちゃうじゃないの」

「見合いなんかするな! 俺と・・・僕と結婚してください」

「えっ!?」

「あらっまぁ~(微笑)」




「お母さん、姪御さんの見合いに間に合ったかな」

「大丈夫よ、タクシーでホテルまで送って行ったから。叔母が怪我して来れなくなったから代わりに姪のお見合いに尽きそうことになって」

「早とちりしてしまってすまない」

「あんなにてんぱったの始めて見た(笑)」

「いろいろと段取りしてたのにな」

「いいよ、段取りなんて・・・嬉しかった」


「俺はちゃんとしたい性格だから」

「そうだね」

「関めぐみさん、僕と結婚してください」

「はい(微笑)」

「よかった(微笑) ほっとしたら腹減ったな」

「私も」

「なんか食うか」

「またオムライス?(笑)」

「今日はオムライスじゃなくて、ん?あれって杉崎じゃないのか?」

「えっ?」

「誰だ?一緒にいる怖い顔(失礼)した男は、あっ腕組んだしっ」

「さっき桃ちゃんから今日の横浜の講演会、盛況だったってLINEが入ったばかりよ」

「そっか、他人の空似か、それにしてもよく似てたな」

「ほんと」

「同じ顔でも雰囲気が違ってたな、杉崎はもっと素朴というか純粋で清楚で頑張りやで」

「桃ちゃんに直接言えばいいのに(笑)」

「褒めるの苦手なんだ」

「だから柳さんもてないのよ。それで婚期逃して40女につかまっちゃったのよ(笑)」

「君は奇麗だし、スタイル抜群だし、気配りが出来て優しくて」

「ありがとう(照)」

「愛してる・・・」

「えっ?ちょっとよく聞こえなかった、もう1回言って」

「無理! そんな何回も言えるか」

「私も愛してる」                                end

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それぞれのバレンタインデー①

2015-02-14 11:42:23 | 小説(ホタヒカ外伝以外の小説です)
「ん?なにこれっ・・・嘘っーーー!」



「どうしたの未知子、暗い顔でマスクして風邪?」

「実は・・・・・・」

「髭?(笑) なんか前にそんなドラマやってたよね」

「もう~笑わないでよ」

「女性ホルモンが不足すると男性化するらしいわよ、最近恋してる? エッチは?」

「昔過ぎて記憶にない」

「だから駄目なのよ」

「別にいいもん、今の生活に不満はないもん。あんたこそどうなのよ」

「私はまあそれなりに」

「嘘っ 母親のくせに~」

「それ凄い偏見~母親が恋しちゃいけないの? この手術バカ」

「バカってなによ!」


あーあ、くだらないことで喧嘩しちゃったな。もしこのまま段々と毛深くなったらどうしよう~そんなのやだっ ミニがはけなくなる~

ガシャン!

なに今の音は?

「取替中の窓ガラスが落ちて下に人がいたらしい。子供と男性一人、子供は無事だそうだ」

「どいてっ 私は医者です。相当刺さってるわね、大丈夫ですか! 返事できますか?」

「はい・・・大丈夫です」

「え・・・・・近藤先生!」


手術中・・・

「さすが未知子、早い~」

「致命傷となる傷はないんだけど、どんな小さな破片でも見逃しちゃいけないからね」

「なんでも手術が恐くて病院抜け出した患者さんを近藤先生が追いかけて、その患者さんをかばって怪我したみたいよ」

「私みたいに絶対に失敗しないって言えばよかったのよ」

「近藤先生に限らずそんなこと言える医者はあんたしかいないわよ」

「そこって1㎜ずれてたら使い物にならなくなったかも(^^;」

「集中してるんだから黙っててよ・・・終わった~完了」

「どこもかしこも随分と細かく綺麗に縫ったわね~」

「近藤先生には借りを作りたいのよね。 ふふ」

「そうだっ 近藤先生とエッチしなさいよ」

「はっ? なに言ってるの、いきなり」

「だって近藤先生なら女慣れしてそうだし、あとくされなく軽くエッチできそうじゃん。それで女性ホルモン復活よ」

「私にだって選ぶ権利あるわよ」

「それを言うなら逆でしょ、近藤先生はもてそうだよ。顔もいいけどいい身体してんじゃん、私のタイプじゃないけどね(笑)」



「えっ・・・明日ですか」

「はい、是非お礼させてください」


「近藤先生、身体のほうは?」

「ええもうすっかり元気になりました。あの子の手術までして頂いてありがとうございます。凄い眼力の女医さんに絶対に失敗しないから恐がるな!って怒られたって言ってました。 敵わないな~大門先生には」

「あの子、僕の身体を手術に耐えられるまでにしてくれたのは近藤生成なのに逃げてしまって、おまけに僕をかばって怪我までさせてしまってごめんなさいっ 今度近藤先生にちゃんと謝るって言ってました」

「そうですか(微笑) 今日は大門先生にとことん付き合いますよ、何処行きます?」

「じゃあ・・・」

聞かなくてもわかるけど、 競馬に卓球に銭湯に〆は肉だよな(^^;


「美味しい~ 」

「沢山食べてくださいね」

「あっ・・・あのこれチョコレートですけど、甘いものは?」

「好きですよ、そっか今日はバレンタインデーか。 嬉しいな~大門先生にチョコレート貰えるなんて(笑顔)」

近藤先生の笑顔ってちょっと可愛いんだよね。

「ご馳走さまでした!」

「あの・・・大門先生にちょっと診て欲しいんですが」

「えっ? どこか違和感があるんですか(まさか破片がどこかに)」

「じゃあ直ぐに病院に行きましょう」

「いえ病院に行くほどではないというか、診察というよりは確認して欲しいんです」

「はっっ?」

「部屋とってありますから」

「へっ?」

なっ なんなの~ホテルの部屋でなにを確認して欲しいのよ。

「うわぁ~素敵な部屋」←はしゃいでます。

こんな部屋男の人と泊まったことがない・・・恋愛経験の乏しい私。

「意外と可愛い人ですね、大門先生は(笑)」

「あの~確認て・・・」


「大丈夫みたいです・・・・・フルヘンヘッド↓

須賀ちゃん・・・て、ドラマ違いますからっ

「大門先生・・・」

えっ? えーーーキス? 嘘~ でもこれで女性ホルモン活性化するかも・・・よしっ(かかってこい!)」

ルルル ← 携帯の音。

「なに晶さん(こんなときに~)えっ急変? わかった、直ぐに行きます」

「病院から?」

「ええ、来週手術の予定の患者なんだけど急変したそうです」

「それは大変だ」

「今日はご馳走さまでした」

「いえ、大門先生とデートできて楽しかったです」


大門未知子の女の顔を見てみたかったけど・・・・・やっぱピンとこないや(笑)それに大門先生は手術してるときが一番綺麗輝いてる(微笑)


「あっ僕だけど今からこれる? うんKホテル、じゃあ待ってる。着いたらメールして」


折角とった部屋、有効に使わなきゃね。 近藤忍、男の武器に自信有り


「あらっこのチョコ誰にもらったの」

「患者さん(^^;」

「美人だけど色気のない女ね」

「えっ?(まあそうだけど)」

「定員さんにお任せチョコっていうのがわかるわ、美人は男にこびないからね。それにチョコを入れた紙袋の端が傷ついてる。何処かにぶつけたのね(ガサツな女)」

「なるほど」

「私チョコ買うの忘れちゃった」

「いいよ、チョコなんかなくって」

「チョコの代わりに私を早く食・べ・て」 ←ベタ過ぎる台詞が書いてて恥ずかしい(^^;


                            *

あーあ、今朝もお肌がカッサカサ


「ねえねえ、ママお洒落して何処行くの?」

「ジョニーに会いに行くんだよ」

「ジョニー?(外国人なんだ)」

「私も行くんだ~」

子供OKなんだ、そこまで話が進んでいるのか、どんな人なんだろ? 後つけてみよう~と。

「ん? ここは?」


「早く早く始まっちゃう~ジョニーが私を待ってる~」

「えっあんたってジョニ短だったの、私は断然nao短よ」

な~んだ、ジョニーってアイドルグループの一人のことか。


「そこのお姉さん、チケットあるよ」

「いくら?」

「いい席なんだけど、もう始まってるからまけとくよ、5000円!」

「高い! 1000円にしな」


なっなんだ、この女の眼力・・・怖すぎる

「じゃあ1000円でいいです」


「ジョニー! naoto~! ケント! キャーーー

なんだろう・・・なんだか楽しいっ すっごく楽しいぃぃー!


「キャー私を見たっ ジョニー!」


「未知子! どうしてここに?」

「へへ


翌朝・・・なんだか今朝は肌の調子がいいわ


「相手は誰でもいいのよ、ドキドキしたりトキメク気持ちが大事なの、これこそが若さと美貌の秘訣よ」

「わかる! 今度いつコンサートあるの? 私も誘ってね!」

「うん」

こうして未知子のお肌のトラブルは無事に解決したのでした。

バレンタインデーの意味はあまりなかったんではないかというお話で

そして未知子と近藤先生を男女の関係にするのは非常に難しく、とどのつまり無理でした

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それぞれのバレンタインデー②

2015-02-14 11:28:33 | 小説(ホタヒカ外伝以外の小説です)
「お世話になりました。これからは親子5人、力を合わせて仲良くやっていきます」

「淋しくなるな~ずっといてもかまわないのに」

「いやいや子供達は大きくなりますからね、いくらこの家が大きくても手狭になってしまいます」

「いつでも気軽に遊びにきてくださいね」

「健人、また遊ぼうなっ」

「うん!」

「夏美ちゃんと別れるの淋しいよ~」

「星野さん香、今迄本当にありがとう。またお邪魔させてもらうね」

「うん、待ってる」



「あーあ、行っちゃった~。今日からは親子三人水入らずだね」

「健人、難しい言葉知ってるね」

「うん、おじさんに教えてもらったの」

親子三人ね~(^^;


                                  *

「ただいま~」

「ママ、お帰り」

「いい子にしてた?」

「うん」

「いつもすみません」

「いいのよ、健人は私の生きがいなんだから。健人といると健康で長生きできるわ。こんないい子を生んだ友美は世界一の親孝行娘ね(微笑」

「ええ」

「それはそうと、あなたたち籍入れてないんですって、一周忌もすんだことだし、友美や私に遠慮しなくていいのよ。健人のためにも正式に母親になったほうがいいと思うの」


びっくり・・・友美のお母さん、そんなこと思ってたんだ。



「香、話しがある」

「なに」

「俺たち、籍入れたほうがいいと思うんだ」

「私、洋介の奥さんになる気は1㎜もないから」

「わかってる、それはわかってる。でも健人も春から小学生だろ? 健人の通う幼稚園は大学まで行ける幼稚園だけど、小学生になる前に親子面談ていうのがあるんだ。そういう場所に香がいなくて卒園式や入学式にだけ香がいたら変だろ? 健人が香のことをママと呼んでいる以上、親戚のおばさんや死んだ母親の友人で通すのも無理がある。運動会や音楽会や父兄参観等々、学校行事は沢山あるんだ。進級する度に身上書だって書かなきゃいけない。ずっと母親の欄が空欄でいいのか?」

「ちょっと考えさせて」


回想・・・

「香は洋介の奥さんになる気はないの?」

「ない、1㎜もない。洋介は健人の大切な父親ではあるけど、私にとってはただの同居人でしかないの」

同居人か(^^;

「でも気持ちが変わるときがあるかも知れないよ。健人もいつまでも可愛い健人じゃないし、思春期になったらウッセーババアとか言うかも知れないよ」

「えーーー 想像できない」

「好きな子が出来ると母親よりその子の方が大事になるしね」

「そういう日もくるんだね」

「香には健人の成長を見届けて欲しいと思ってるけど、香には香の人生をちゃんと生きて欲しいと思ってる。だから洋介と共に生きるのも有りだと思う」

「ないない」

「そんな全力で否定しなくても(笑)ただこれから社会的にも正式に健人の母親になったほうがいいと思うときがくると思うし、洋介にも情が沸くかもしれないし、そんな日が来たら私に遠慮しないで籍入れてね」

「うん(しぶしぶ)」

「洋介は私と香を同じように愛してるって言っていたけど・・・ちょっとだけ私の方を愛していたと思うんだ(微笑)」

「ちょっとじゃないよ、所詮愛人は愛人だから(笑)」

「香として洋介に抱かれるのは最初は抵抗があったけどいつの間にか楽しんでいた。香の顔と身体だと思うと大胆になれた。友美だったら絶対にあんなSE〇は出来なかった。部下を顎でつかったり(笑)香として生きた時間は結構楽しかったよ。だって私は香になりたかったんだから、洋介も香だから好きになったんだと思う。最初はふざけるなーって思ったけどね」

「うん、ごめん」

「大好きだよ、香」


                                      *

「ママ、見て見て~チョコ沢山もらったよ」

「凄いね~健人は女の子に大人気だね」

「パパとどっちが多いかな~」

「どっちだろうね(^^;」


「ただいま」

「遅いんですね、接待ですか?」

「えっ?」

どうしたんだ? いつも俺にはなんの興味も無さそうなのに(^^; しかも敬語で。

「うん、まあそんなとこ。あっこれ健人のおやつに・・・」

「沢山のチョコだこと」

「得意先とか回ると方々で貰うからさ」

「健人もチョコ沢山もらってきたわよ。幼稚園バックがパンパンになってた」

「へぇー」

「親子ね」

「うん(^^;」

「景気がいいのかしら? 高いチョコばっかりじゃない」

「へぇーそうなんだ」


なんか変だな、今日の香は・・・

私ったらなんで浮気チェックみたいなことしてるのかしら・・・


「一つ洋介に聞きたいことがあるの」

「なに?」

「前に友美と私を同じように愛してるって言っていたけど、どうなの? 本当に私と友美を同じように愛してた?」


「・・・・・・・少しだけ、友美の方をより愛してた。ごめん」

「そう、同じように愛してたなんて言ったら一生渡す気なかったけど、じゃあこれあげる」

「えっチョコ? 香からチョコ貰うの初めてだね、嬉しいな~。」

「高級チョコじゃなくて普通のチョコだけどね」

「香からもらったチョコが一番美味しいに決まってるだろっ あれっこの封筒は?」

「開けていいよ」

「婚姻届!

「契約書にも判子押して」

・・・・・浮気は黙認します。 但し少しでも女の影を感じたら即籍を抜きます。夜這いはしないこと・・・・・

これって絶対に浮気は許さないってことだよな。それと夜這いじゃなくて香の方からくる分にはいいってことだよな←自分に都合よく考える洋介。果たしてそんな日はくるのか?

「OK! 速攻で押すよ(微笑)」



春・・・


入学式の帰りに友美のお墓参りに寄った三人です。


友美、君の大好きな健人と香を幸せにできるかどうかはわからないけれど、父親として男として健人と香を全力で守ることを誓います。


「ねえ、おめでとう! て友美ママの声が聞こえたよ」

「よかったね! ママは、ありがとうって聞こえたよ」

「パパは?」

「パパはなにも聞こえなかったな」

「ふーん」

「パパは頑張りが足りないのかな?(笑)」

「そういうことかな(笑)」

「パパ頑張ってるよ、カレーだけじゃなくってハンバーグも作れるようになったんだよ~」

「ありがとう~健人」


なんだか、もったいなくて言えなかった(微笑)


ちゃんと聞こえたよ・・・君の声が。


洋介! 大好きだよ                                  end


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それぞれのバレンタインデー③

2015-02-14 11:23:17 | 小説(ホタヒカ外伝以外の小説です)
blog 7周年で書いた稲葉さんの小説「世界の果て」のその後の話です。


「えっ私にチョコレートですか」

「甘いものはお嫌い?」

「いえ好きです」

「住職がバレンタインデーなんて可笑しいかしら」

「いえ、嬉しいです(微笑)」

「家がお寺だと、おやつはお饅頭や和菓子ばかりで、逆に洋菓子やチョコレートの方が好きになっちゃいました。この時期は美味しそうなチョコレートが沢山売っていて楽しくて(笑)」

「住職さんも女の子ですね(笑)」

「女の子? その言い方ちょっとキュンときます(笑) 実は今日病院に行きました」

「どこか悪いのですか?」

「三か月だそうです。ほらっこれが超音波の写真です。これが眼でこれが鼻で結構ちゃんと顔になってますね」

「まさか」

「別に驚くことではないでしょ、もちろん父親はあなたですよ」

「殺人犯の父親などあってはなりません!」

「そう言うと思ってました・・・・・私生みますから」

「はい、影ながら今まで以上に住職さんを精一杯支え、力になりたいと思います」


未婚で母になることを非難するものはあまりいなかった。それだけ住職さんは慕われ尊敬されているということで安堵した。


回想・・・


「私を抱いてください」

「しかし・・・」

「女として生きることを捨てたはずなのに、あなたを愛してしまった以上、この煩悩を抑えることができないのです。こんなはしたない女は嫌ですか」

「そうじゃない・・・だけど」

「お願い・・・」

「辛くなったら直ぐに言ってくださいね」

以前は男性と交わろうとすると背中のあざが燃えるように熱くなったという。私は業を背負って生まれてきたんだと・・・。

しかし恐れていたことは起こらなかった。

「私は許されたんでしょうか?」

「当然です。あなたはなにも悪くないのです。仏の道に精進することで、あなたの前世が犯したかもしれない罪もきっと許されたのでしょう」

「私、今まで生きてきた中で今が一番幸せです(微笑)」

そういう住職さんはいつにもまして美しくたまらなく愛おしかった。

もっとあなたを幸せにしたい・・・・・だがこの身はなにをもってそう思うのか? それは自分には出過ぎた思いに他ならない。



あなたが母になる・・・・・思いもしなかった。優しく微笑むあなたはもう母なのであろう。

それを望んで抱いて欲しいと言ったのですか?

だけど僕は生まれてくる子供にただただ申し訳なく複雑な思いでいっぱいだった。せめて僕には一寸も似ませんようにと願い続けた。

願いは叶い母親似の男の子が生まれると、真っ直ぐに育つようにと直樹と名付けられ、跡取りがお生まれになったと皆に大層祝福された。

君に父親はいません、けれど素晴らしい母と、君を愛する沢山の人がいます。どうぞ健やかに育ってください。




                              *

「ただいま~」

「お帰りなさい、直樹さん」

「お母さんはお仕事?」

「ええ・・・淋しいですか?」

「もうなれたよ」

「直樹さんは強くて優しくて、お母さんそっくりです(微笑)」

「ふーん、一番にお母さんに見せようと思ったけど、やっぱり管理人さんに見せよう~と」

「私が見ていいんですか?」

「うん」

「算数のテスト100点じゃないですか!」

「クラスで100点は僕一人だったんだよ」

「そうですか、凄いな~直樹さんは」

「管理人さんが算数教えてくれたからだよ、いつもおやつ作ってくれるし遊んでくれるし、管理人さんは僕のお母さんみたいだ」

「お母さんですか(笑)」



以前より門徒も増え寺の仕事は忙しく、また全国から住職さんに救いを求めて来る人が後を絶たなかった。

「お疲れではないですか?」

「あの子に淋しい思いをさせて、あなたにも苦労をかけて申し訳ないと思ってます」

「私は苦労などと思っていません、ただ住職さんの身体が心配なのです」

「あなたと愛し合って女になり、母親にもなれた私は前世の罪が許されたのだと思いました。でもそうではなかった。救え、もっと救えと私に呼びかけるのです。一体私はかつてどれほどの人を苦しめたのでしょうか」

「それはあなたのせいではない!」

「これは私の宿命だと思っています。あの子とあなたがいれば私は頑張れます。それにこの一時だけは私は一人の女でいられる」

「住職さん・・・」

「こんなときくらいは名前で呼んでください」

「珠美さん・・・」

「透さん・・・」

                                *


そして月日は流れ・・・

「今日をもって私は住職の座を退きます。これからはあなたがこの寺の住職です。心して務めるのですよ」

「はい、甚だ若輩者ではありますが元住職のご指導ご鞭撻を仰ぎながら誠心誠意心を込めて務めさせていただきたいと思います」

「あら、たまに助言くらいはするけど、ご指導ご鞭撻する気はないから、しっかりあなたらしくおやりなさい」

「ありがとうございます!」

「朱実さんと仲良く力を合わせてね。今日は疲れたでしょうから早くお休みなさいな」

「はい、ではお先に失礼させて頂きます」


「あなたにしてはいいお嫁さん連れてきたわね」

「どういう意味ですか」

「私もこれでようやく肩の荷がおりたわ」

肩の荷ね、僕は管理人さんに育ててもらったようなもんだけど(^^;


「あの、お呼びでしょうか」

「はい、お母さんと管理人さんにはここを出てもらいます」

「えっ!?」

「お二人は新居の方に移ってください」

「なにを言うの、あの家はあなたと朱実さんの為に立てた家じゃないの」

「僕は最初から二人に住んでもらおうと思ってました。朱実も快く賛成してくれました。他の方々も門徒の皆さんもわかってくれています。薄々気がついていたとおっしゃる方や、そうならいいなと思っていたという方や、お二人は皆にとても慕われているんだと実感しました。ついでに僕も親孝行な新住職として株が上がりました(笑)」

「なんか・・・ビックリし過ぎて」

「お二人とも天然というか鈍感なところがあって、誰も気づいてないと思っていたかもしれませんが(笑)見て見ぬふりするのも有りかなと思ったんですが、親孝行してこそ仏の道だと思いました」

「ですが・・・」

「お父さん」

「えっ・・・・?」

「僕は管理人さんのことをお父さんだと思ってます。母が多忙でも管理人さんがいたから淋しくなかった。僕が悩んでいるときは一緒に考えてくれて、僕が辛い時は黙って美味しいもの作って励ましてくれました。僕が真っ直ぐ育つことができたのは管理人さんがいたからです」

「私は?(^^;」

「もちろん僕を生んでくれたんだから感謝してます。ありがとうございます」

それだけなんだ(^^;

「そのように言って頂けて勿体ない限りです。肉親のいない私にとっては、ここで生活しながら直樹さんの成長を見ることはとても楽しく毎日が充実した日々でした。礼を言うのは私のほうです」

「これからは少しのんびりと過ごしてくださいね(微笑) ほらっ二人とも早く行ってくださいよ、僕たち新婚なんですから早く二人きりになりたいんですよ」

「じゃあ遠慮なく」

「住職さん!」

「だってあの家素敵なのよ、バリアフリーだし、床暖房で温かいし、あの子が親孝行したいって言ってるんだからそうさせてあげましょうよ」

「ですが・・・・・」

「おやすみなさい、お母さん、お父さん!」


お父さん?


「なにか気づいているんでしょうか?」

「わからないわ、でもどっちでもいいんじゃないかな。血が繋がっていようがいまいが、あの子にとってあなたはお父さんなんですよ」

「・・・・・・・」

「あっ 泣いてる~」

「住職さん、なんか最近性格変わりました?」

「最近あの声が聞こえなくなったんです」

「えっ?」

「救え・・・救え・・・というあの声が(微笑)」

「それはもう十分に頑張ってきたからではないのですか」

「おかげですっかりおばあちゃんになっちゃいましたけど」

「住職さんは今も美しいです。僕の方こそすっかりおじいちゃんです」

「あらっ 透さんもダンディで素敵よ(微笑) 床暖房ってやっぱり温かいわね」

「ええ」

「私これからは透さんの為にコーヒー入れます。ご飯も作りますよ」

「ありがとうございます。でもコーヒーは僕が入れたほうがきっと美味しいだろうし、ご飯も僕が作ったほうが美味しいですよ」

「知らなかったっ 結構意地悪なこと言うんだ~。今まで猫かぶってました?」

「そうかもしれませんね(笑) あっ・・・」

「どうしたの?」

「今、本気で笑ってしまいました。いいんだろうか・・・自分のことでこんなに笑って」

「私はそんなに大層な人間ではなく、誰かを救うなんておこがましいことだと思ってました。でも透さんを愛して母になったことでわかることも多く、よりいろんな人の声を真摯に聞くことが出来ました。四季折々を映し出すお寺の磨かれた本堂で私と話された方達は元気が出た、救われたと言われて来たときより明るい顔をして帰っていかれました。私一人では成し得なかったことでした。透さんも私と一緒に沢山の人を救ったのですよ。犯した罪が消えることはありません。ですがあなたはもう許されているのです。心の底から笑ってください。誰もそれを責めたりしません。そして残りの人生を私と一緒に生きてください」

「はい・・・」

「幸せになりましょうね」

「はい(微笑)」

「新婚旅行とか行っちゃいましょうよ」

「えっ?」

「インドの寺院巡りとかしてみたかったんですよ」

「それいいですね、僕も行きたいです。インドの仏像とか見て見たいです」

「レッツビバ! ほらっ手を合わせて、昔見た映画でやってたんですよ。それで私もあんなふうに弾けてみたいな~て思ったんです」

「こうですか?」

「そうそう、せーのっ」

「レッツビバ! インド! (笑)」

                                    完

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妄想彼ンダー劇場・スターな彼

2015-01-23 19:23:06 | 小説(ホタヒカ外伝以外の小説です)
注・N人さんのビジュアルイメージで書いているだけで、N人さんとはなんの関係もありません。

そしてヒロインはあなたです



ここはとある国のとある島、私はそこで突然のスコールに襲われた。運よく近くに洞穴があったのでそこに逃げ込んだ。

暗いな~蛇とか変な虫とかいないよね?

カサカサ・・・

「ギャーーー!」

「大丈夫ですか?」

ん?・・・人? しかも日本語・・・

「あの~もしや日本人ですか?」

「うん、奇遇だね~こんなとこで日本人に会うなんて」

暗くて顔はよく見えなかったけど優しい声でホッとした。特別な状況でたまたま会った日本の男。気が合ったというか特殊な状況だからなのか思いの外話が弾んだ。これはもしや吊り橋の恋ってやつ? いやいやこれはただの雨宿りだから。暗くてはっきりと顔が見えたわけじゃないけど、その横顔はスッとして素敵な人に思えた。なによりも声が私好みで少しドキドキした。

「今度は君の番だよ、恥ずかしい話」

「あなたのは恥ずかしい話と言っても可愛いけど、私のはシビアだよ」

「へぇー」

「誰にも話したことないんだ」

「じゃあ聞かないほうがいっか」

「全部話してごらん、楽になるよ」

「えっ!?」

「友達がそう言ってくれたの、昔見てた好きなドラマの台詞なんだって。凄くいい子なんだけど・・・やっぱり話せなかった」

「無理に話さなくていいと思うよ」

「結婚詐欺にあったんだ」

「え・・・・・・」

「私貯金が趣味で、しかも銀行員だったから結構持ってたの。そんな話はしたことなかったんだけど、母親が病気で手術するのにお金がかかるって聞かされて、1日悩んで決心してお金おろしに銀行に行こうと思ったら、結婚詐欺で捕まった男のニュースをやっていて、そしたらその男は彼だった。そこで終わればヤケ酒飲んで終わったんだけど。その後彼の母親が病気で死んだと聞かされて、君のことは本気で愛していた。真っ当な人間になって君と結婚したかったなんていう手紙までよこしてさ、ズルくない?」

「ドラマみたいな話だね(^^;」

「私、ドラマとか全然見ないんだけど」

「そう」

「それで傷心の旅に出て、そこでレトロな雰囲気の写真館があってそこに入ったら笑顔の写真が沢山あって、それを見てたら私も笑顔になっておまけに涙まで出てきた。その写真館のおじさんがまた素敵な人で、そんなこんなで今カメラマンの卵として頑張ってます」

「凄いや

拍手してくれるんだ・・・・・おまけに「いい子いい子」って頭まで撫でてくれた。惚れてまうやろう~違ーう! もう男はいらない、二度と恋はしないと誓ったんだ。

「外、明るくなってきたね。雨止んだみたいだ」

「雨上がりの景色って凄く綺麗~撮りたいな、あーカメラ持ってくればよかった」

「じゃあ、また(笑顔)」

その笑顔に私は手を振って応えるしか出来なかった。

いるんだ・・・白馬に乗った王子様って

私は真に美しいものを撮りたいといつも思っている。その美しいものを撮りたくてただ心の中でシャッターを切り続けた。

ん? じやあまたってどういう意味? アドレスもなにも聞いてくれなかったじゃない。まああれだけかっこよかったらモテまくるだろうし、じゃあまたなんて日常茶飯事なのかも知れない。だけど洞穴で話していた彼はとても素朴で誠実な人に思えた。顔が見えなくてよかった~見えてたら緊張してあんなに話せなかった。うん、旅のいい思い出ができた! それでいいや。


                            *

あーやっとお昼食べれる~カメラマンて本当に体力勝負だわ。

「去年いい男が沢山結婚したね~」

「NとMがダブルできたときはもう倒れるかと思った」

「私が結婚できるわけじゃないけどなんかショックよね」

「そうそう、あーこの時間てドラマの再放送やってるんだ。このドラマH派とR派で盛り上がったよね」

「いつ見てもいい男よね、NもMも結婚したし、もう彼が最後の砦よね」

「うんうん、当分結婚しないで欲しいわ」

「最近、相手の女性は一般の方ですとか、会社員のB子さんとか多くない?」

「芸能人と一般の会社員の女の子が何処で知り合うのよ、きっと裏があるに違いないわ」

「そうよね、おばちゃん、ご馳走さま~」


やっと静かになった。たく芸能人が結婚しようがどうしようがどうでもいいじゃん。

「幸せになれよ・・・」

ん?なんか聞いたことがあるというか、懐かしい声が・・・


えっ? えーーーーー 彼だ・・・うっそっー そんなドラマみたいな話あるわけない。きっと他人の空似よ。でもあのレベルでカッコいい人なんてそういるもんじゃない。そうだっ 彼はきっと双子なんだわ。(スマホで検索)ビンゴ!双子って書いてある・・・でも二卵性だから似てないって。

彼はあのときの彼なのか違うのかはわからなかった。でも普段滅多にテレビを見ない私が調べたスターな彼は思った以上にスターだった。同じような顔でも気さくで、私に「いい子いい子」してくれた優しい人。あの時の彼とスターな彼は別人だと確信した。


「えっ?急病のスタッフの代わりに明日Kスタジオに行って欲しいって、いいですよ。で、なんの撮影ですか?」

スターな彼のカレンダー撮影・・・・・・私はしばし固まった。


なに意識してるのよ自分! スターな彼とあのときの彼は別人なんだからね!


                                *

「おはようございます。今日はよろしくお願いします」

スターな彼はカメラマンのOさんににこやかに挨拶する。機材を抱えたアシスタントの私には眼もくれない。そりゃそうだっスターだもんね。

マネージャーを顎でこき使ってるし、まあ見るからにとろそうなマネージャーだけど、あれは付き人っていうのかな? おまけになにもないとこでつまづいて転んでる(^^;

「ちょっと、そこの君」

「えっ私?」

「これ買ってきて」

これってカメラマンのアシスタントの仕事? 別にいいけどさ、彼はああいう言い方はしないけど声は似てる・・・顔が似てると声も似てるのかな。

湿布なんてなにするんだろうと思っていたら、あのとろい付き人に渡してた。どうやら足をくじいたらしい。高飛車で態度悪~い感じなのによく見てるんだと、5㎜ほど好感度up。どうでもいいことだけど(^^;

撮影が始まるとそのカッコよさや、香り立つ大人の男の色気に眼を奪われた。さっきまでと全然顔が違う。写真を撮られるのが好きではないスターな彼はいろんなシチュエーションの中でいろんな自分を演じているそうだ。確かにモデルと役者のスターな彼では表情が違うと思った。

7月は誕生月ということで笑顔を撮っていく。私は島で極上の神がかりな笑顔を見てるからどの笑顔もピンとこなかった。
外に出て自然光の下でも撮ればいいのにと思うけど1日で撮影するんだから仕方ないか。

女たちが次々と差し入れをもってやってくる。結構有名な女優やモデルだそうで男性スタッフの鼻の下が伸びている。

「ありがとう~でもごめんね、今日は時間がないからまた今度ね」と営業スマイルを振りまいてる。

私でもわかるよ、また今度の今度がないってことは(^^; 


ここは女子トイレ・・・

「あーあ、彼をものに出来たらまたKKの表紙を飾れるのに」

へぇーそういうもんなんだ。

「彼のことは諦めたほうがいいよ、だってもっぱらの噂だよ」

「もしかしてあれ?」

「ゲ〇だって」

「やっぱそうか~あんなにカッコよくて浮いた話の一つも出ないなんて可笑しいよね」


なるほど~そうか、そういうことだったんだ。そういえば足の組み方が女っぽいし、時々小指立ててるし、人差し指で髪耳にかける仕草とか板に付き過ぎだわ。

それにしても女優やモデルってなんて細くて綺麗なんだろう。あの人たちに比べたら私の眼なんて半分しかないし、このスタイルといったらほぼ寸胴でこけしみたいだ。これでも若い頃は十人並みには可愛かった気もするけど、もうアラフォーの入り口だもんね。


「撮影終了です。お疲れ様でした~」

「お疲れ~」

「お疲れ~」

「あっこれ買い物に行ってくれたお礼だそうです」

「えっ? あ、わざわざどうもです」

なんだろ?・・・ポケットティッシュ(^^; なんの冗談なんだか、ん?裏になんか書いてある。そこには電話番号とアドレスと、食事でもどう?と書いてあった。
は?・・・思考回路が停止しそうだった。落ち着こう、落ち着いて考えよう。
スターな彼がこけしな私に興味を持つわけがない。だとするとスターな彼はあのときの彼? あのときいろんな話をした。食事はその口止め料だとすると納得できる。1週間考えに考えたあげく清水の舞台から飛び降りたつもりで電話した。

                                 
                                    *

こちらへどうぞと店の偉い感じの人に個室に案内された。

「来てくれて嬉しいよ、前に島で会ったよね」

やっぱり彼とスターな彼は同一人物だったんだ。

「あのときはいろんな話を沢山して楽しかったね」

「はい、私も楽しかったです」

「もう一度君に会いたいなって思ってたんだ」

「私もそう思ってましたが、たまたま見たドラマの再放送でテレビに映ったあなたを見てビックリしました。でも別人だと思いました。だって島のあなたとスターなあなたは違い過ぎる。あのときのことや、あのとき聞いた恥ずかしい話とか誰にも喋ったりしませんから安心してください。ではさようなら、お仕事頑張ってください」

「えっ?」

ピューと一目散に店を走り去るこけし嬢。

「早っ」

慌てて電話をかけるも着信拒否された・・・人生で初めての女性からの着信拒否

店の裏口から出ると彼女の乗ったタクシーが見え、俺もタクシーを拾った。

「あのタクシー追いかけて」

「お客さん、なんか訳ありですね。タクシー追いかけるより少し戻ってやり直すっていうほうが効率的だと思いますよ」

「は?」

「当タクシーは過去にタイムスリップできるタクシーでございます。15分毎に料金が加算されます。ご利用いかがでしょう」

マジかよ、そんなドラマみたいな話があるのかよ。そもそも俺はタイムスリップして過去を変えるという姑息な手を使うのは嫌いなんだよ。役の上とはいえ昔そんな経験したんだよな(^^;  うーんだけど背に腹は変えられない・・・

「運転手さん、15分前に戻ってください」

「へいっ 毎度有りっ」

よしっ今度は単刀直入に言おう!


                                     *


「来てくれて嬉しいよ」

カレンダー撮影のときと違って態度がやわらかいというか、素顔はこっちなのかな? ちょっと島で会った彼に似てる。

「お話ってなんですか?」

「島で会ったよね」

やっぱりあのときの彼とスターな彼は同一人物だったんだ。

「あのとき君といろんな話をして凄く楽しくて、また君に会いたいと思った。でもあの頃の僕は大きな仕事を抱えていて、それに誰かと付き合うと変な噂をたてられたり、芸能リポーターに追いかけられたりろくな恋愛が出来なくて・・・だから君に連絡先を聞くのを躊躇した。それになんだろう?何故か君にはもう一度きっと会える、そんな気がしてたんだ。そしてまた会えた。スタジオでキビキビと働く君はとても素敵で思ったとおりの人だった。僕は確信した。僕の運命の人は君だったんだ。だから僕と結婚してください」

「けっけけけけけ結婚て、付きあってもないのにいきなり結婚なんですか!?」

しまった!今度は単刀直入に言い過ぎた・・・

駄目だ、完全に思考回路が停止しようとしてる。逃げよう、とにかく逃げよう・・・ダッシュ

「待って!」

腕を掴まれてしまった。

「わかった!」

「なにが?」

「あなたゲ〇なんでしょ?」

「は?」

「だから世を欺く為に偽装結婚がしたいんだ」

結婚詐欺の次は偽装結婚だなんて私ってつくづく男運のない女

「誰がゲ〇なんだよ!」

「違うんですか?」

「違うよ、いきなり結婚なんて単刀直入に言い過ぎたと思う。それに君の気持ちを聞いてなかった」

「私もあなたにもう一度会いたいと思ってました。でも、だからと言ってスターなあなたと結婚とか付き合うとか、小心者でこけしな私には到底無理な話です」

「こけし?」

「だからこの話はなかったことに・・・

うわぁーん、今度は両腕掴まれた~。

「離してください!」

「嫌だ!」

この手を離したら一生結婚できない気がする。 絶対にこれは運命なんだ! 俺の第六感が逃がすなと言ってる、俺

「君のことが好きです。僕と結婚してください」

その眼でじっとじっとじっと見つめられて見つめられたら、もうなにも言えなかった。そして・・・

「はい・・・・・・」

まるで催眠術にかかったように思わず返事してしまった。

「やったー! ありがとう!」

えっ握手? 両手でぶんぶんと握手してる。こういうときは抱きしめてキスじゃないの? やっぱり消せない〇イ疑惑

それにありがとう・・・って、なんで礼を言うの? やっぱり消せない偽装結婚疑惑


「俺だけど今送ったメール、マスコミ各社にFAX送っておいて。さてとお腹空いたね、なに食べる」

メニューを広げる彼・・・何処かで見た光景、前にもこんなことあった? あっカレンダー撮影のときだ。

食事は美味しくて話は弾んだ、やっぱりこの人とは波長が合うんだ。でも洞穴と違って明るいから眼が疲れる、そう二枚目過ぎて眼が疲れるんだ(^^;

もう一度会いたいと思っていた人にプロポーズされてこうして食事をしてる。まるで夢みたい・・・そうだっ!これは夢なんだっ、そう思うと気が楽になる。美味しい料理に美味しいワイン、緊張しないで味わおう~と。


                               *

翌朝・・・ 「俳優 NF 電撃結婚」というニュースがワイドショーやスポーツ紙やWebを賑わしていた。

夢じゃなかったんだー


「関係者によるとお相手の方は都内の企業に勤める会社員の一般の方で、女優の北海景子さん似のスレンダー美人だそうです」

関係者って誰? 私はフリーの駆け出しのカメラマンだし、全身整形でもしなきゃ北海景子にはならないって!

そっか~ 相手が芸能人でない場合は、せめて北海景子似のスレンダー美人にしとかなきゃ話が地味すぎてワイドショーのネタに困るってわけか。

こんなに大々的に報道されたらもう後戻りできないや・・・・・・てか、早くない?

「俺だけど今のメール、マスコミ各社にFAXしといて」

あれがそうだったのか。それにしてもなんでこんなに結婚を急ぐわけ? 〇イじゃないって否定したけど・・・私たちって握手しかしてないし。やっぱり怪しい。うん、これはゲ〇であることを隠す為の偽装結婚に違いない。

(人を騙すような悪い人じゃないよ~)と心の中の白子さんが言う。

(会って3回でプロポーズなんてなんか裏があるに違いないよ、騙されちゃダメだよ)と心の中の黒子さんが言う。

要するに私は自分に自信がないんだ・・・だから〇イじゃないかって思うんだ、いや、仮にゲ〇だとしてもだからと言って偽装結婚するような人じゃない。

「じゃあ、また(笑顔)」 あのときの笑顔を信じよう。


「おはよう~」

そうだ、ここは彼の部屋だった。

「おはようございます・・・キャッ なんで裸なんですか!(腰にバスタオル巻いてるけど)」

「お風呂入ってたんだよ」

朝風呂に入る男ってなんかナルシストって感じがしてドン引きなんだけど(^^; でもこれだけ美しい男なら有りか。

「君も入ったら」

「えっ いいの」

「遠慮することないと思うけど」

「じゃあ、私も朝風呂入ってきます」

三度の飯よりお風呂の好きな私、うわぁー素敵なお風呂。窓から見える景色が凄過ぎ! ここ高層マンションだもんね。夜には夜景が綺麗だろうな~。
彼と結婚する価値見っけ~(そこかい)


「随分長いお風呂だったね、待ちくたびれたよ」

「キャッ えっ? えーーーゲ〇じゃないんですか!?」

「嘘だろっ 本気で疑ってたの?」

「だって私たちって握手しかしてないし」

「それは君が酔いつぶれて寝ちゃったから、とにかく今から僕が〇イじゃないってこと証明するから」

「むっ 無理(恥ずかしすぎて死ぬ) 

「こらっ 逃げるな、大体どうやってここから降りるんだよ」

そうだ、ここは超高層高級マンションだった。彼がいなきゃ一人じゃエレベーターにも乗れない


こうして無事に彼がゲイでないことが証明されて、こけし嬢なB子さんとスターな彼は嬉し恥ずかし楽しい新婚生活をスタートさせたのです。

料理上手で倹約家で貯金が趣味なB子さん。思ったよりも早くマイホームが建てられそうで、俺は三国一の花嫁をもらったと幸せいっぱいのスターな彼です。

が・・・ある日のこと、彼の部屋を掃除していたB子さん。

あらっこれって前に枝美が嵌ったっていうドラマよね。何処の店にもレンタルはおいてないしAゾンでも買えないし、DVD買っときゃよかった~て言ってたな、ちょっと見てみようかな。

「ねえドラマばっかり見てないで、こっち来いよ(キメッ)」

「黙ってて、今いいとこなんだから」

て・・・・・・中の人がここにいるのに

「けー子さんはどっちを選ぶんだろ? あー気になる~」

「それはだね」

「言っちゃ駄目~ 言ったら離婚だから」

ドラマに嵌り過ぎて人格が変わってるB子さんです(^^;

「ねえねえ、無視か・・・・・・呼び方変えてみるか、B~子さん

「なあに

俺は須加ちゃんに負けるのか


今更ながら彼のドラマに嵌ってしまったB子さんです。

沢山あるな~TSUTAYAでレンタルしなくてもただで見放題だわ


「えっ ジャムパン?」

「ドラマ見てたら食べたくなっちゃった。一緒に食べようよ」

「俺は一生分のジャムパン食べたからもう食べなくていいの」

「一緒に食べると美味しいよ」

「うん、じゃあ」

もぐもぐ

「美味しい?」

「なっ ジャムパンはジャムパンだろ?」

「そうね」

「どれだけ高級ないい材料でジャムパンを作ったとしてもジャムパンはジャムパンだと思うんだ」



「おはよう~どうしたのその顔、眼が腫れて(ますますこけしになってる)」

「徹夜で恋し君へ見ちゃったの。これから先あなたになにがあったとしても私が支えるからね!(うるうる)」

「うん、ありがとう(^^;」



「メシ、フロ、ドッチニスル?」

今度はギャルパラか、なんて感化されやすいんだ。 そーだ、あのドラマ見る前にDVD隠しておこう、干物女になったら大変だ(^^;


                              *

「最後に一つ、新婚生活はいかがですか?」

「あの、すみませんプライベートな質問はちょっと」←マネ

「あっそうでしたね、失礼しました」


「彼って変わらずに知的でクールでミステリアスね、家庭の匂いが全然しないわ。新婚生活って聞いても表情一つ変えないし」

「なんでも北海景子似のスレンダー美人の奥様を誰も見たことなくって、なにかを隠すための偽装結婚じゃないかっていう噂があるとかないとか」

「へぇーまあ芸能界なんて虚偽で出来てるようなもんだから。それに私は真相は別にどうでもいいわ。ただ彼にはずっとラブストーリーを演じて欲しいのよね」

「私も~ハリウッドなんて50を過ぎてもラブストーリーやるよね」

「そう、日本もそうでなきゃ。女はいくつになっても夢を見たいのよ、ラブストーリーは若者だけのものじゃないっつーの」

「そうだ、そうだ~」



                              *


メロンパンがいっぱい・・・・・今度はナースか、あのドラマ長いんだよな。

「メロンパンて今まで殆ど食べたことなかったけど、美味しいね~食わず嫌いだったわ」

「メロンパンて一つで約450カロリーあって、これはご飯3杯分に相当するって知ってる? 」

「うっそ~」

「菓子パンてカロリー高いから、袋に書いてあるカロリーをチェックすると買う気が失せるよ」

「これからそうするわ、でも今日食べたメロンパン2個、ご飯6杯分はもう消せない、ダイエットしようと思ってたのに~」

「別にいいじゃんそのままで、ありのままの君が好きだよ」

ズキュン、バキューン

「そのリアクション・・・見たな(^^;」

「大丈夫大丈夫、私は干物女にはならないから。部屋が汚いの駄目なんだ、部屋が汚いと運気も下がるっていうしね」

「そう、ならよかった」

てゆーか、彼って干物男よね~ 知的でクールでミステリアスってさすが役者だわ(笑)


「もしもしB子さん」

「えっ? 私ですか・・・あの、どなたでしょうか」

「安心してください、芸能リポーターじゃないですから、していえばスターな彼のファン代表です」

「それはどうも」

「いつかファン全員が素晴らしいと拍手するような素敵なカレンダー作ってくださいね」

「はい、頑張ります」

「それと・・・ちょっとしゃくなんですが優秀な遺伝子は残さなきゃいけないから、子作りもそこそこ頑張ってくださいね」

「はい(照照)」


これはスターな彼とB子さんの恋物語です。 B子さんは皆さんですよ~(笑) 突っ込みどころ有り過ぎでしょうか(^^;

楽しんで頂けたなら嬉しいです。こんな話ではありますが感想等頂けたならもっと嬉しいです。

コメント (4)
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世界の果て(前編) 稲葉透その後のお話です

2014-01-23 19:38:40 | 小説(ホタヒカ外伝以外の小説です)
「やはり彼の作るものは違いますね」

注・稲葉さんは刑務所の作業室で工芸品を作ってます。

「ああ、彼の作る物はよく売れているそうだ」

「アーティスト稲葉透には才能はなかったんでしょうか?」

「わからんよ、著名な誰かがこの作品は素晴らしいといえば皆そうかなと思うし、高い値がつけばいいものだと思うだろ、ゴッホなんてその才能が認められたのは死んでからだしな」

「そうですね、ここではそんなに変わったものを作るわけではないけれど、仕事は早いし技術があるというのだけはわかりますが・・・いたって普通の好青年にしかみえなくて、なんで殺したかな~」

「そうだ、なにがあっても人が人を殺しちゃいけないんだよ」

                 *

不便な刑務所暮らしの中でふとどうして殺してしまったんだろうかと思うときがある。
信じていた人に裏切られた絶望からなのか、罵倒されたことに対する屈辱からなのか、だからといって何故殺さなければならなかったのだろう。。。
ただあのときはどうしても許せなかった、自分を抑えられなかった。。。
綿密な計画まで立てて、例えトリックが成功してたとしてもあの時点で俺は死んだも同然だったのに。
人を殺したこの手はおぞましく、もう彫刻刀を握ることは出来なくなっていた。


「稲葉さんも野球やりませんか?」

「俺はいいよ」

「駄目ですよ~たまには身体動かさなきゃ」

ここに来て唯一よかったことと言えば、この人懐っこい笑顔の青年に出会ったことだろうか。
けれど・・・そんな彼の犯した罪も殺人だった。。。


「稲葉さん、これなんだかわかります?」

「石だよね? 石に顔を書いたのかな?(^^;」

「この石拾ったときに、ちょっと人体に似てるかなと思って顔書いたんです。少しでも供養したくて」

「供養?」

「父親は昔家を出たきりで生きているのか死んでいるのかもわからないし、母親は5年前に死んで、妹と二人で生きてきました。妹は俺と違って美人で頭がよくて、勤めていた会社の息子に見初められて結婚が決まっていたんです。そんな幸せの絶頂にいた妹がレイプされたんです」

「・・・・・」

「もちろん結婚話もなくなり、妹はそのショックに耐え切れず自ら命を絶った。俺は妹を助けてやることも出来ずに、俺がやったことといえば、そのレイプ犯を殺害したことだけ。そんなことしたって妹が喜ぶわけないのに、ホント俺ってどうしようもない馬鹿で・・・だからこの石に顔書いて仏さんに見立てて供養してるんです。すみません、つまんない話聞かせてしまって」

                      *

「本日の作業は終了」

受刑者たちが作業部屋を出ていき、最後に残った稲葉が手をあげた。

「稲葉透、なんだ?」

「10分だけ私に時間を頂けないでしょうか?」

「どういうことだ?」

「ここにある木の切れ端で作りたいものがあるんです」

「そういう私的なことは認めるわけにはいかない」

「・・・・10分だけなら」

「ありがとうございます」

「刑務官、いいんですか?」

アーティスト稲葉透の作りたいというものを見たくなった。

透は少し躊躇したが彫刻刀を手に取り一気に彫りはじめた。


「ありがとうございました」

「それは?」

それは小さな仏像だった。とても綺麗な顔をした優しいその顔に眼が釘付けになった。

「部屋の者が家族の供養をしたいというので作りました。これを持ち帰ってもいいでしょうか?」

「特別に許可しよう」

「ありがとうございます(笑顔)」


「おい、おまえっ なに顔赤らめているんだ」

「いやっ なんかちょっとドキッとしてしまって」

「へぇ~」

「別にそういう趣味ないですからっ」

「それにしても僅か10分であれだけのものを彫るのか・・・」

あの仏像の残像はしばらく消えなかった。芸術のことはわからんが、本物だ、稲葉透は本物だと実感せざるを得なかった。


「ありがとう、ありがとう稲葉さん、なんて綺麗で優しい顔した仏さんなんだ、妹にそっくりだ。俺この仏さんを妹だと思って供養するから一生大事にするから、本当にありがとう」

彼は涙ながらにそう言った。俺の作品に涙したのはきっと君が初めてだよ。

「よかった、喜んでもらえて」


それから透は工芸品を作る他に仏像を彫るようになり、その仏像は評判を呼んだ。
仏像の専門家の指導により仏像の修復も手掛け、その技術は称賛された。

一切透の名前が出ることはなかったが凍てついていた透の心はほんの少し温かくなった。
悪夢にさいなまれることもいくらか減っていった。こうしてやがて出所の日を迎えた。

「お世話になりました」 

これからどうしようか?

初めてここに来たとき・・・世界の果てなんて見たことはないけれど、ここは俺にとっての世界の果てなのかもしれないと思った。或いは出口のない迷路。だがここは世界の果てでも、出口のない迷路でもなかった。出口はあった。だがその出口の向こうに一体なにがあるというのだろうか。俺はこれからどう生きればいい?

俺名義のマンションがあるから住む場所はある。アーティスト時代の貯金もあった。

この財産はあの人が僕にもたらしてくれたものじゃなかったのか?
そう思うと透は再び罪の意識にさいなまされた。
シャバは薔薇色だと言うけれど、堀の外はこんなにも明るく青空だけど少しも心は晴れなかった。
当たり前だ・・・俺は人を殺したんだから。。。


「稲葉さん!」

「木口くん? どうして・・・」

「出所の日に一人も迎えがないと寂しいでしょ なんか食べたいものとかあります?」

彼の心遣いが嬉しかった。そして近くにあった中華の店に入りビールで乾杯した。


「出所の日に父が迎えにきたんです」

「えっ? 生きてるか死んでるかわからないと言っていたお父さんが」

「起業して成功したそうです。ずっと僕たち家族を探していたそうです。だからと言ってよく前科者の息子を迎えにきたもんだと驚きました、普通は親子の縁切りますよね」

「よかった、本当によかった(君ならやり直せるよ)」 

「父が懇意にしてるお寺に母と妹の納骨をしました。そう父が稲葉さんの作った仏像を見て、母と妹を思い出すととても喜んでました」

「10分で作った簡単なものだったんだけど、そう言ってもらえて嬉しいよ」

「それでそのお寺なんですが住職が女性なんですよ。遠縁の老夫婦が離れに住み込んでお寺の管理をしていたんですが、相次いで亡くなってしまって、男手がなくて不便で困っているんですが、山深い不便な所にあるお寺で雪は沢山降るし寒いしで、なかなか管理してくれる人がいなくて困っているそうです。稲葉さん、どうでしょうか?」

「僕が寺の管理を?」

「断ってくれてもいいですが」

「いや、お寺のことは全くわかりませんが僕でよかったらやらせて下さい。東京にはいたくないので」

「じゃあ、是非!」

「はい(微笑)」

「福井って知ってます? 福島でも福岡でもないですよ」

「北陸の福井だよね、知ってるよ(^^;」

「なにもない所ですが(こら)、水と食べ物が美味しくて、人の温かいいい所ですよ。稲葉さんのことは東京の会社で働いていたんだけど体調を崩して会社を辞めて療養中で、今は大分良くなってきたので空気のいい静かな所で仕事を探している、父の知り合いの息子さんということになってます」

「ですが素性を隠したままお寺に関わるような仕事をしてよいのでしょうか?」

「この仏像を彫った人なら大丈夫と父が言っていました(微笑)」

福井が舞台になるのは初めてですがそこは作者の特権ということで              
                                   後編に続く       
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