厳しいプロ野球界

 

１０月３日、マツダスタジアムでの中日ドラゴンズ戦は前田智徳選手の引退試合でした。元気で活躍していた頃の前田を知らなくても、ここぞと言うときに代打に立ちファンの願い通りにヒットを放つ魅力は誰でも感じることが出来ました。

 

試合には敗れましたが、球団が用意した破格の引退セレモニーは、最後のお立ち台が用意され、選手全員で記念撮影、球場を１周してファンとのお別れ、最後に高く高く宙に舞う胴上げ。球場に入った３万２千人を超える観衆、基町クレドの大型スクリーンの前、家庭のテレビで見ていたファンは感動のシーンとして満足したことと思います。

前日の試合では同じく今シーズンでユニフォームを脱ぐことになった菊地原投手も観衆に祝福され、選手から胴上げをして貰い感激していたようです。一方、引退ではなくて　「戦力外通告」　という解雇を宣告された選手も多数います。数多くのライバルに競り勝ちドラフト会議で指名され、大スター選手を夢みて入団したけれども結局夢が叶わなかった人、心身共にボロボロになって選手生命を断たれた人もいます。

 

ふと思い出しました。昨年のマツダスタジアムで試合前のバッティング練習中、タイガースの選手が打った打球が３塁側の観覧席に飛び込み誰かに当たったようです。いち早くその選手はスタンドに向かって走り出し、球が当たって負傷したのではと気遣っていました。その優しい選手は城島健司。かつてソフトバンクで活躍し、海を渡ってマリナーズでプレーしたその人です。

シーズン終了時には怪我のためかファームに落ちていて、戦力外通告だったのでしょうか、引退セレモニーもなく球界を去りました。前田選手のように最後に１軍登録して貰い、引退セレモニーを盛大にして貰ったのとは雲泥の差です。どんな事情があったのかは知りませんがプロ野球界は表舞台では華々しく見えますが、裏に回れば厳しさが伺える世界のようです。

 

 

過去データ　「なんでも辛口」　を残しました 

 読み疲れ有り難うございました。