千葉日報「読者文芸欄」は毎月2回、第2・第4(日)に掲載されます。
3ヶ月ぶり、久々の掲載にとても嬉しく継続する事の大切さを学びました。
各分野の入選作もご紹介させていただきます。
9月10日 第2(日)入選作品
「日報俳壇」
一席 亡友(とも)の書を返しそびれて曝すとは 男性
「梅雨で湿ったままの本や書物を、土用干しする習慣を曝書(ばくしょ)と言う。」
二席 六十年捨てぬ軍帽土用干し 男性
三席 梅雨の間に夜が賑わう長良川 夫
九才の鵜匠に声援頑張れと 妻
「日報柳壇」
一席 風船の中で主張をする空気 女性
二席 遠足日校長ひとり留守居番 男性
三席 花と散る勇気を持たぬペシミスト 男性
「日報歌壇」
一席 塒(ねぐら)からえさ場に通う白鷺の飛行ルートは我が家のまうえ 男性
二席 ふるさとの校舎改築いそぎおりタイムカプセル眠りしままに 女性
三席 杖をつき歩いてもなおひまわりと長嶋さんを人々は呼ぶ 女性
「私の歌」
「クレデマツ」の最後の電報色あせて母の遺品の中より出でぬ
9月24日 第4(日)入選作品
「日報俳壇」
一席 玉砕の島に重たき夏の月 男性
二席 還暦を過ぎてしみじみ原爆忌 男性
三席 終戦日近づき話題ぶり返す 女性
「選者の先生から」
戦争に関する作品も年々少なくなっているように思う。
もう60回以上も同じ話をするが、話題は尽きることは無い。
あのカンカン照りの蝉時雨の終戦記念日。
当時の人々は忘れようとも忘れられない。
今後の方々も、戦争の恐ろしさを学んでほしい。」といただきました。
「私の俳句」
変色の軍事郵便終戦日
俳句も川柳も学ばずに、自己流で川柳に投稿しておりますが、今回は俳句の部に投稿しました。
私にとりましては悲しい作品ですが、掲載していただいた喜びを味わっております。
「日報柳壇」
一席 年金日空の通帳持って行く 男性
二席 あの頃は正直だった丸坊主 男性
三席 鶴の一声今日もカラスは白くなる 女性
「日報歌壇」
一席 野良へ行くこともなくなり姑の足きれいな爪に生えかわりたり 女性
二席 梅雨やみて西陽に光る露玉の庭一面に眩しき夕べ 女性
三席 船を降り十年(ととせ)を超ゆる喜寿の漁夫出船を送り入船を迎う 男性
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俳句、川柳じっくりと拝見いたしました。
お父様があの戦争で戦死なさっておられるのですね。私は幸か不幸か身内には戦死者はおりません。でも空襲、敗戦の辛さ、悲しさは
身をもって体験いたしました。まだ子供だった私達を育てるのに親達はどんなにか苦労が
あったかと頭が下がる思いです。この体験は世代を越えて言い伝えて行かなければいけませんね。深く考えさせられるお歌でした。
有り難うございました。
ありありとその光景が浮かびます。
父は昭和19年レイテ沖開戦にて巡洋艦「鳥海」と共にレイテ湾に眠っております。
今までは義父母の看病、子育てなどに追われ戦死の父を偲ぶ時間も在りませんでしたが、昨今は両親に思いを寄せる事が出来ます時を大切に思っております。
先日お話申し上げました歌を投稿いたしましたが、一文字添削が在りました。
「クレデマツ」最後の電報 が
「クレデマツ」の最後の電報 と戴きました。