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日本遺族通信 平成24年6月15日号 遺書と九段短歌   

2012年06月21日 19時30分16秒 | 日本遺族通信


                 平成24年6月 靖国神社社頭に掲示された遺書
           群馬県高崎市新町出身 海軍二等飛行兵曹  和田 博之 様 (19歳)
            昭和20年6月10日 土浦海軍航空隊に於て空襲のため戦死 合掌

ご両親に遺されたお歌をご紹介させて頂きます。

  身体髪膚(はっぷ)之ヲ父母ニ受ク敢テ毀損(きそん)セザルハ孝ノ始メナリ
  親思フ心ニ勝ル親心今日ノ訪レ何ト聞クラン

「父母ニ誓フ」
お言葉の 三、常ニ弟妹ノ良キ模範トナリ、立派ニ指導シ、兄弟妹ソロッテ親孝行シマス。
親孝行のお言葉が最後になろうとはご両親様もどんなにかお辛かった事でしょうと拝察致しております。

悲惨な戦争が再び起こることの無いことを心から願い、私たち遺族は命ある限り鎮魂の歌を詠みたく思います。
今号にも12名の遺族関係者の歌が掲載されております。
病の床にあります現在に、79首めの掲載を頂きましたことに大きな励みを頂いております。
お目を通して頂ければ有難く存じます。

   今年また護国神社に参拝す戦死の父の記憶無けれど           三沢市 遺児男性
   靖國の桜散りゆくひらひらと笑顔残れり吾が胸の中         甲州市 遺児女性
   いま何処「椰子の実」習ひしあの頃に小瓶につめた父への手紙    むつ市 遺児女性
   気にかけゐし夫の墓処を訪ひゆけば福寿草一輪咲きて春なり     横手市 妻
   靖國の遺児と呼ばれし遠き日よ老いて南の島を慰霊す         富士吉田市 遺児男性
   父にあふ宿の湯船で星を見る生きてゐたなら百才近く        むつ市 遺児女性
   大阪城梅ほころびて何鳥か鳴いてゐますと父母に語らふ          大阪市 遺児女性
   シベリアより還らぬ父のマフラーを好みて母は首に巻き居し        足利市 遺児女性
   丘に座し萌えたる草の香に憩ひ過ぎし戦の野に伏すを憶ふ      篠山市 遺児男性
   みたま祭巫女舞ひ給ふ淡紅の牡丹のごとき雅に映えし        名古屋市 遺児女性
   萬歳の声に送られ国の為いさぎよく行きいづこに眠る         京都市 遺族男性
   「鳥海」と共に眠れる艦長と父また九百余名の御霊よ         千葉市 私

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4 コメント

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Unknown (matsubara)
2012-06-22 16:10:10
19歳でこんなに立派な言葉を残されるとは・・・
今の10代に見せてやいたいです。
日本は儒教の精神がなくなってしまい、
親を敬う気持ちも失せてしまいました。
返信する
matsubaraさま (oko)
2012-06-22 18:24:07
いつもご丁寧に有難うございます。
これから親孝行しますと誓ったご子息様の戦死はどんなにか
辛かったことかと思います。
心のこもった素晴らしい文ですね。
とても残念です。
返信する
今の十代 (徳さん)
2012-06-23 08:38:06
確かに今の十代の人に見せたいですね。
昔の教育も一概に良くないとは言えませんね。
「修身」(今の道徳教育とはちょっと違う)も必要ですね。「敬う」この言葉が死語になるのは怖いですね。教育者の端くれとして深く反省し考えています。
返信する
徳さんさま (oko)
2012-06-23 09:15:38
いつもご丁寧に有難うございます。
先生のお言葉の「敬う」を今改めて大切に考えてみました。
おろそかにしたくないお言葉と存じます。
2週間以上も続いた咳も今朝は大分軽くなりちょっと嬉しい
気分で居ります。
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