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房総の名工「波の伊八」の作品を訪ねて 

2008年03月22日 08時16分28秒 | 千葉実年歴史倶楽部(友の会・同好会を含む)

                    千葉実年大学校 歴史倶楽部 平成20年3月度定例会 
江戸時代 "波を彫らせたら天下一” と言われた、名彫刻師 「波の伊八」 の作品を訪ねます。
「波の伊八」の作品は、千葉県南部にあり平成18年3月は鴨川地区を訪ねましたが、今回は夷隅(いすみ)地区を訪ねます。    
飯縄寺(いづなてら)の「天狗と牛若丸」 行元寺(ぎょうがんじ)の「波に宝珠」など、初代波の伊八(本名:武志伊八郎伸由)の傑作が見られます。
上記のご案内に大勢の会員が参加を致しました。    
            開催日 平成20年3月21日(金)   少~し  
            参加者 77名
            集  合 千葉NTT前 7時45分 


千葉NTT前 8時丁度発 大型  2台は千葉東金道路・東金IC→ 東金九十九里道路 → 「飯縄寺」(いづなでら)に向かう車中、会長さんから改めて 旅行先の説明 をいただきました。
今回の旅は、安房の名工「武志伊八郎伸由」の欄間彫刻を訪ねます。
伊八の彫刻は主に千葉県南部にあります。一昨年3月は、主に鴨川地区の寺院を訪ねましたが今回は、主に夷隅地区の寺院を訪ねます。
江戸時代「波を彫らせたら天下一」とうたわれた名彫刻師がいました。
その名を 「波の伊八」 と言い、厚彫りで躍動感のある波と龍の彫刻を得意としていました。
作品は遠近法や陰影法をうまく取り入れおり、他の彫刻師の作品にない迫力が伝わってきます。
伊八の技術を継ぐ彫刻師は江戸中期から昭和まで五代続き、千葉県南部を中心に関東一円におよび欄間彫刻や像を彫り続けていました。
初代武志伊八郎伸由 (1751~1824) は鴨川市打墨村の生まれです。

(1)天台宗・飯縄寺 (いづなでら) (夷隅郡岬町和泉)
 

大同3年(808)慈覚大師により開山された南総屈指の名刹。
ご本尊は飯縄大権現、天狗のお姿をしているところから「天狗のお寺、おいづなさん」と古くから親しまれています。

寛政9年 (1797) に再建された本堂は平成の大修理を経て、平成7年千葉県指定有形文化財となりました。
“見所”
「結界欄間彫刻」、天井画墨絵 「龍」    
結界欄間彫刻は正面 「天狗と牛若丸」 、左右二画 「波と飛龍」。
伊八壮年期 (45歳1796年) の最高傑作の一つとされています。
本堂再建 (1797年) 時の約10年間逗留して彫ったものとされています。
伊八の彫刻を見た中では素晴らしく、見る人を圧倒します絶品です。

 
        四面に花鳥風月の彫刻が施された鐘楼                     本堂屋根内側
                               

    結界欄間 作品に初代伊八の銘あり                          正面「天狗と牛若丸」左右2面「波と飛龍」 

(2)天台宗・行元寺 (ぎょうがんじ) (いすみ市荻原)
  

山号を東頭山と称し嘉祥2年 (849) 慈覚大師によって開山されました。
大正14年 (1586) 現在地に移築して本多忠朝などの信仰を集め、徳川家の庇護のもとに10万石の処遇を受け、学問寺として末寺100ヶ寺、人材育成や文化向上に努め、この間に多くの
学僧などを輩出し、天海と共に家康の信頼を集めた。

"見所”「伊八の彫刻」、「高松又八の彫刻」、等随の怒気土岐の鷹 (杉戸絵)」客殿欄間には欄間彫刻があります。
58歳 (1809年) の作品です。

「波に宝珠」、「梅」、「波に旭鶴」。
「波に宝珠」は葛飾北斎の名作富岳三十六景に影響
を与えたのではないかと言われています。

本堂欄間には、高松又鉢の 「牡丹に錦鶏」 があります。花や鳥が漆や金箔、岩絵の具を駆使して絢爛豪華に表現されています。
桃山時代です。
杉戸絵に描かれているのは鷹と老梅です。              

                        
         
             波の伊八 「波に宝珠」                         北斎名画の原風景 伊八の波
                     
豪華絢爛 「幻の名工 高松又八の世界」

                             日本一「大葵紋」に毘沙門天紋様
(3)天台宗・長福寺 (ちょうふくじ) (いすみ市下布施)
 

大同2年(807)宗祖伝教大師自ら建立されたと伝えられる古刹。
源頼朝が平家追討の書状を当寺でしたため、その時当寺の差し出した硯が素晴らしかったので「硯山」の山号を頂戴したとも伝えられます。
“見所” 
「欄間彫刻」、「筆掛の槙」、「薬師如来座像」、「端渓硯」、「欄間彫刻」 は波の浮き彫りで、中央に龍のすかし彫りをあしらった堅牢で色彩明瞭な作品。
 欄間という定形の空間にとらわれない自由な装飾彫刻の特徴ある作品で、初代伊八の作品、正面と左右の三画があります。    
 伊八が師匠から独り立ちした(38歳 1789年)最初の作品です。 


            御朱印                           「欄間彫刻」 正面と左右の三画

 
                       開山1200年記念建立の硯堂 「無量壽庵」 と 「端渓硯」

コメント (11)    この記事についてブログを書く
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11 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
遅ればせながらの蕗の薹です (matsubara)
2008-03-26 09:21:24
日に日に充実してゆく旅行記を楽しみにしています。お忙しいのに、きちんとupされ・・・
私はいつも簡略して怠けています。
蕗の薹の話題に刺激され、私も今日upしましたので
よろしく。
返信する
北斎 (matsubara)
2008-03-27 09:06:01
ついに完成しましたね。
葛飾北斎の「神奈川沖浪裏」を思い出させる
すばらしい波の彫刻ですね。
北斎はこれを見てあの作品を作ったという
ことに納得しました。
返信する
matsubaraさま (oko)
2008-03-27 15:47:54
度々有り難うございます。
同郷の偉人に感動しながら綴っておりますが、なかなか最後まで
ご案内が出来ませんで申し訳ございません。
ある時、「名工・波の伊八」がいなかったら、葛飾北斎の作品は
なかったと言いきった方も居られます。
今、総武線の中吊りで
「波の伊八。北斎の神奈川沖浪裏の原点がここにある。」
と房総を宣伝しております。

返信する
Unknown (tsuruoka)
2008-03-28 21:56:05
あっと言う間に桜が満開になってしまいましたね!

素晴らしい旅行記拝見出来て感激です。
プリントなさるついでがありましたら、図々しいお願いですが私にもいただけないでしょうか?
一度行って見たいと思いながらまだチャンスがありませんのでよろしくお願いします。
返信する
tsuruokaさま (oko)
2008-03-28 23:59:55
今晩は。
ご覧頂きまして嬉しゅうございます。
千葉県の生んだ偉人ですので、とても誇らしく綴らせていただきました。
プリント有り難くお届けさせていただきます。

昨年、鴨川地区の「波の伊八」を訪ねましたがブログに慣れない
事もあり綴ることが出来ませんでした。
この度、改めて郷土千葉県に思いを寄せることが出来ました。

お花見の予定 3/30、4/1、4/5、4/6
でしたが、又、遊びすぎで倒れるといけませんので
4/5 歴史倶楽部 東京散策 は不参加を申し出ました。
返信する
Unknown (シャボンダマ)
2008-03-30 16:24:52
ワードで覚書程度に書き入れていますが、行き先のみで、あとはすべて、お気に入りから覗かせて、役立たせて頂いています。

 お誘いにのれなくて申し訳なく思っています。
返信する
シャボンダマさま (oko)
2008-03-30 19:29:48
ご覧頂きまして有り難うございます。
シャボンダマさまも旅の記録をお書きに成られていらっしゃるのですね。
拝見したく存じます。
自己流のブログですのでこれが精一杯です。
しかし、大勢の皆さんに見て頂けます事嬉しく思っております。
4月の歴史倶楽部は他の行事と重なり不参加ですが、5月は
参加申し込みしております。
宜しくお願い致します。
返信する
伊八に感謝 (shugo)
2008-04-05 20:13:55
JRにも感謝!以前から行きたかった所で歴史倶楽部にも感謝! そして思い出を解りやすくまとめていただけているoko様に感謝!
今日4月定例会68名1万6000歩 花吹雪の最後
それなりに楽しんで参りました。
5月はお会いできる事を 
返信する
shugoさま (oko)
2008-04-06 09:19:46
お早うございます。
いつもブログをご覧頂きまして嬉しゅうございます。
お天気に恵まれた東京散策、大勢のお方の参加で宜しかったですね。
そうですか、花吹雪も素敵だったことでしょう。
一日の靖国神社参拝の折は強風に見舞われましたが、咲いたばかり
でしたのでまだひらりひらりと優雅に散っておりました。
5月は参加を申し出ておりますので宜しくお願い申し上げます。
返信する
波の伊八 (蝶明)
2008-06-21 13:20:24
私も行ってきました。
行元寺→飯縄寺と回りました。
波の欄間 圧巻でした。
わずかの厚みにダイナミックな彫刻 圧巻でした。
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