(一見土地改良の顕彰記念碑のように見えるけれど、土屋文明の揮毫による『文学碑』である。)
今日は仲間と一緒に伊藤左千夫の文学散歩に参加した。
復習として、古い冊子を探して確めてみた思い出。1987年の頃のことである。
嘗て僕は、「北の壁」という短歌会の一員だったことがあった。当然「北の壁」なる短歌冊子に毎月作品を発表して、相互に作品評を出し合っていたものだ。
この会員に満蒙開拓義勇軍出身者で、M町町議会議員のT.Yさんがおられた。
農は国の基といわれ履きこし来破れ地下足袋とふとも較べぬ
地下足袋は幾足履きしなお幾足履けるならんとふっと思うなり
借金の督促に今宵来るという地下足袋なかば脱ぎしままいる
(T・Y詠)
このように、氏は「地下足袋」を歌材にすることが多かったから、僕がT・Yさんの歌評に代えて次の歌を投稿した。
戯作「地下足袋のうた」(T・Y大兄に)
地下足袋のうたよむ時に世の中のあたらしき歌おほいに起る
しかし次号この歌は 戯作「地下足袋のうた」という表題省略で一般作品欄に載せられ、次号作品講評の対象になったのである。佳作なりとのご講評を得た。
蛇足となるが、『戯作(たわむれさく)』と註を入れてくれないと、困るのである。しかし誰も気がつかぬらしく、今でも冷や汗物となっている。小冊子といえども、何十部もかがどこかに配られているのである。恥ずかしいが、今となっては抗議も弁解もままならぬ。
牛飼がうたよむ時に世の中のあらたしき歌おほいに起る
伊藤左千夫
あたらしき歌おほいに怒る
(贋作・犬飼のうた)
午後雨も上がり、快適な気温。
ウイー苦・デーだったので、各道路も思いの外。 柴又で昼餉「ざるそば」1丁。これは評価外。
戸定歴史公園散策。最後の利根町柳田國男公苑では閉館の時間なりしが、気品あるわれわれ1行のため、館長長時間のご説明あり。
:たこつぼを ほらねばならず たかじょなし
:たかじょうも クラスに2足 くじをひき
戦時中の疎開地で中学時代、学校で防空壕ほりなどのため履く必要があったがゴム製品が不足し、地下足袋(疎開地では、「たかじょう」と言ったと記憶)なども配給などに頼っていた。
注)「たかじょう」は底が厚く指先は二股だが上部がゴムで補強してあり、祭りや鳶職用とは異なる。
あたらしき歌おほいに怒る
(贋作・犬飼のうた)
傑作ですね。さすが。「起こる」と「怒る」をかけたあたり。
棹させば 矢切りの渡し 遠くなり
ゴルフを避けて 踏む犬のくそ
(やけくそのうた)