狸便乱亭ノート

抽刀断水水更流 挙杯消愁愁更愁
          (李白)

漱石全集のお客さん

2010-01-04 17:41:02 | 日録
            
お客さんが舞い込んできた。
漱石全集全28巻別巻1である。

次男が本の捜し物の目的を兼ねて正月にやって来た。オレがこれまで全く開けていない三島由紀夫全集(新潮社版限定1000部 35巻+補巻1冊)の中から何冊かを抽出して、さかんに首を捻っている。
この全集本は二重箱、革装本、天金という贅沢厄介な造本である。二重箱の上に更にカバーが付してあり、索引付きの補巻まで行き着くのも大事だが、やっと見つけ出しても、彼が文庫本で読んだ書名も確かでない著作を短時間で見つけ出すにはかなり困難な作業のようであった。
結局は1時間ぐらいで断念した。
彼が何を捜し何を調べていたのかは分からない。親子の世代の考え方の断絶であろう。
彼は、マンション暮らしなので、本の置き場所に窮していた。三島由紀夫の文庫本をかなり購っていたらしい。その中の一冊を探しに来たのだ。
彼の二人の子供たちも成長するにつれ、それでなくても狭い部屋が尚更窮屈になる。
それで帰郷する度毎に車のトランクに入れて本を持ち帰り、オレの物置を無料で使用して書庫代わりにしていたのである。
碌な本はなかったようだが、彼は新版「漱石全集」を予約購入していたのをオレは知っていた。
その後どうしたかは訊きもしなかったし、彼もオレには何も語らなかった。
きょう話の序でに出たのがこの全集のその後である。
なんと!!全巻揃って拙宅の物置の段ボールの中に眠っていたのであった…。
そして、この最新「漱石全集」を余の城であるパソコン部屋に持ち込んで来たのである。
オレの部屋は彼のマンションから比べれば広いには違いないが、この貴重全集を棒積みにして置くわけにもいかないだろう。
何処へ置くかが最大の悩みの種になってきた。
重さにして約35キロ、三島由紀夫より低い処へは置けないだろうから。

最新の画像もっと見る