呉明憲コンサルタントの中国ビジネス日記

中国の最新情報を上海・東京・神戸を拠点に活動する株式会社TNCリサーチ&コンサルティングの呉明憲が紹介します。

10元カットチェーン

2011年04月02日 | 日記

 

 日本で1000円カットの散髪屋があるが、中国でも10元カットがある(私はまだ見たことがないが)。台湾系のF10速極剪髪いう会社(以下、F10という)だ。台湾ではNT$100(約280円)という価格帯で展開している。

 

 

 

 中国で展開しているF10の売りは、(1)速い、(2)安い、(3)衛生的、の3点だ。時間は10分で完了、価格は10元、ここまでは吉野家の牛丼のような謳い文句だが、最後の衛生的という部分は、散発の際に使用した櫛を最後に記念としてプレゼントするというものだ。要するに使い切りなので、櫛は確かに衛生的に違いない。

 

 しかしながら、F10の展開についてリスクを指摘する人もいる。速いことは速いのだが、せっかく散髪屋というリラックスできる場所でこんなあわただしく終わらせてしまうということが消費者に受け入れられるのだろうかという考え方だ。もうひとつが、店舗は加盟の形態をとっているが、加盟者は売上金をいったんすべて本部に入金し、そして本部がコスト、管理費(毎月収入の10%)および商法品等の支払いを差し引いた残りの金額が加盟社の利益として返却されることになっている。加盟社にとっては前金を払っているようなものなのでキャッシュフロー的にはおいしくない。確かにこの二つはそうかもしれない。ただ、消費者の立場として個人的に思うところとしては、そもそも10分で終わらせる散髪で10元という価格設定が果たしてどうなのかという点だ。確かにここ数年で高級美容室のようなところもかなり増えてきたが、今でも近所の普通の散髪屋でもカットとシャンプーで15-25元くらいでやっているところは少なくない。シャンプーをカットすればもう少し安くなるだろう。ということは、シャンプーがなく、しかも10分で終わってしまって10元払うというのが果たしてリーズナブルなのだろうか。これは一度行って実際に体験しないとそのよさがわからないかもしれない。でも残念ながら場所がどこにあるかわからないんですよねえ。