経理・経理・経理マンの巣窟

大・中・小あらゆる企業で経理実務経験約40年の蔵研人が、本音で語る新感覚の読み物風の経理ノウハウブログです

マンションの大修繕を考える

2024-03-22 11:31:17 | ひとりごと

 15年前に購入した自宅マンションの大修繕がやっと終わった。ここは300世帯超の大規模マンションで、工事期間は4~2月で約10か月の時を要してしまった。当然真夏も真冬も含まれており、ことにベランダ側の扉を封印された真夏の息苦しさや、エアコンを外された真冬の凍てつく冷気には辟易したものである。
 まあそれは一時のことだったので、ことさらこれ以上ここで究明する気はない。だがこの際、いまだマンションの大修繕を経験していない方々に少しでもお役に立てばと、事前に承知してもらいたいことをここに書き留めることにした。もちろん施工業者や管理組合の対応により多少の違いはあるので、そのあたりの事情は理解し揚げ足取りなどはしないで欲しい。

 まず各世帯に直接影響が及ぶ事柄をまとめると以下のようになる。

廊下側の窓に固定してある網戸の一時撤去
 個人でもドライバーを使って外せないことはないのだが、基本的には業者が家の中から外すことになる。ただ窓際に机や本棚などが設置してある場合は、当然だが事前に移動しておく必要がある。また一時撤去とあるが、およそ3か月間位は家の中に保管することになるだろう。もちろん業者に保管してもらうことも出来るが、当然保管費用がかかり個人負担となるはずである。

ベランダ側の網戸の一時撤去
 こちらは廊下側と異なり簡単に取り外せるが、半年間位外したままなので保管場所に困るであろう。ただし有料(1枚5千円)だが網戸の張替えを頼めば、業者が無料保管してくれる。因みに私の家ではその方法を選んだ。

二段重ねのエアコン室外機
 ベランダ壁面のペンキ塗りや長尺シート交換の際には、エアコン室外機を移動しなくてはならない。たが室外機を二段重ねしている場合には、かなり手間がかかるうえにガス抜きなどの処理が必要となるため移動費用が別途有料となるようだ。もちろんかなりの住人が二段重ねしている場合は、管理組合の負担となる可能性もあるのだが、対象者が少ないと個人負担となる場合がある。事実私の家でも、移動費用2万円を現金徴収されてしまった。

ベランダにある荷物等の移動
 ベランダにある植木や物入などは、工事期間中指定された荷物置き場に移動しなくてはならない。この際に全て廃棄してしまえばよいのだが、植木などはそうも行かないので中庭などに設置された臨時の植木置き場などに移動することになる。

 そのほかにも前述したように、工事シートのお陰で真夏は息苦しいし、真冬にエアコンを使用できないときは寒くて堪らない。さらにペンキ塗りの際はシンナーの臭いがたまらないし、突然工事職人がベランダでウロウロしていたり、作業音がやかましいなどの被害は当然のように起こるはずだ。さらに場所によっては、重機搬入などのため外部の駐車場へ長期間移動させられる場合もある。まだまだ細かいことを言えばキリがないので、このあたりでこの話はお終いにしよう。

 さて初めてマンションの大修繕を経験して感じたことは、まず工事期間が長過ぎるということだ。ダラダラと仕事をしている訳ではないのだが、一部の場所の仕事が終わるまで、その他の場所は閑散としているのである。施工会社の言い訳としては、人手が足りないということに尽きるのかもしれないが、もしもっと大勢の職人を使って一斉に「せいのっ!」で全ての仕事をやれたとしたら、1/3以下の工期で十分ではないだろうか。

 何が言いたいのかと言われそうだが、もし工期が短ければ足場のレンタル料金が激減するはずである。なんとこの足場のレンタル料金は工事全体費用の1/3も掛かっているというのだから、かなり費用節減になるはずである。ただそうして請負金額を下げてマンション住民の負担を削減しても、施工会社にとっては何のメリットもない。それどころか足場レンタル料のピンハネ収入が減るだけだし、現実には多くの職人を集められないので、絶対に自主的には行わないだろう。

 さてブツブツ文句だけ言っていても何も変わらないので、次回の大修繕の際には次のような提案をしようと考えている。

マンション大修繕の問題点と有効手段

1.問題点
 ➀ 管理会社の見積もりには、部位によっては不要なものや不適切なものが含まれている。
 ➁ 管理会社は修繕積立金の残高を見て、その全てを使いたがるので不要不急な工事を無理矢理含めた計画を立ててくることがある。
 ➂ 施工会社が関連企業に工事を丸投げしていると、マージンが生じてコストが上昇する。下請けが1社増えるごとに約10~20%のマージンが増加するといわれている。
 ➃ 職人の技術力低下による品質の低下や、職人数の不足と監督者の能力不足で工事が遅延しているのが現状である。
 ➄ 工事価格の高騰、品質・技術の低下・工事期間の長期化の理由
  a.管理組合ではコストの基準が分からない
  b.輪番制の理事たちは、多忙だったり無関心である
  c.管理会社に頼り過ぎてしまう

2.有効手段
 ➀ 全工事を同じ時期に施工せず表側と裏側に分けて3~5年ほど時期をずらす。これにより修繕積立金の不足を補えるし、表裏交互にダラダラやっていた工事期間を圧縮し、足場のレンタル期間を短縮することができる。
 ➁ 裏側で足場が必要な個所は、エレベーターと外階段部分のみなので、全面的に足場を設置せず設置範囲を限定すれば足場のレンタル料金及び設置手数料を半減させることができる。
 ➂ 管理会社が勧めるドアの新調などの「美観目的などの不要不急な工事」などは、具体的に不具合が出るような期間(耐用年数)に達するまでは施工しないように心掛ける。
 ➃ 建設技術は日進月歩なので、先延ばしすれば性能が良くなり価格も安くなることがある。但し人件費は上がるのでその兼ね合いを調整しながら検討する。

以上、マンションの大修繕での苦い経験を踏まえて、今後の改善提案などをまとめてみた。

作:蔵研人

 

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