旧校舎南側より、前庭を見ました。駐車場の木立ちに隠れていますが、遠くに比良山系が望まれます。琵琶湖の上をストレートに走る比良山系からのおろし風のために、豊郷町域は風がかなり強いことでも知られます。ですが、この日は珍しくそよ風程度でした。
二階の一部にある、創建当時の状況を復元した教室です。戦前の小学校には稀な、洋風の一体型の机と椅子です。
二階より、北側階段を使って下に降りました。ここのウサギの銅像は鍍金の輝きが剥げ落ちて、ブロンズ特有の鈍い黒光りに包まれていました。
北側階段の二階より、こちらにスマホを向けるナガシマさん。
この時のナガシマさんの撮影画像です。デジカメを向けて構えるホシノが居ました。 (上図はナガシマさん撮影)
ホシノも豊郷小学校に在っては終始笑顔でした。 (上図はナガシマさん撮影)
劇中において、軽音部部室へ通じる中央階段は、実際にはこちらの北側階段の状態をそのまま描写しています。階段の折り返し踊り場に面して大きな窓が設けられている点が共通します。実際の中央階段の折り返し踊り場にある窓は、小さな明り取りタイプで、壁面の上に設けられます。
同じ北側階段折り返し踊り場より、外を見ました。
中央階段を経て唱歌室に入るや、早速ステージ上に置いてあるベースギターを構えるナガシマさん。
普段ギターを練習しているというだけあって、前回3月の訪問時より構え方が決まっています。表情もジミ・ヘンドリックスばりに厳めしく作っちゃっています。うーん、末は米軍101空挺ゴッコでジミ・ヘンゴッコですか・・・。
唱歌室ステージの袖に繋がる準備室に入りました。前回は無かった額装イラストが置かれてありました。これもなかなか良いですね。
京都アニメーションが限定で出していたクリアポスターなど、公式発の数多くのイラスト類には、このようなアニメ本編には見られないHTTの姿や場面が自在に展開されます。
これは、芸術学理論でいうところの「延長展開表現」に該当します。定められた一定の空間世界は、その枠内にとどまるものではなく、むしろ枠外にも無限の広がりを持っている。その広がりを、おおもとの空間世界との結び付きを維持し、かつその基本イメージを逸脱することなく、どこまで自在に表現し得るか、という楽しいテーマの表現です。
日本の美術史は、もともとこうした「延長展開表現」が好まれて多くの作品が知られます。その最も分かりやすい一例が、絵巻物でしょう。本来は口頭や文章で短く表される説話を、絵画で再構築して表し、さらにその続きをイメージしてドンドン膨らませて広げる、という形です。
この手法を積極的に使用したのが、文学を絵巻に置換した「源氏物語絵巻」です。日本人はこういう展開イメージを好んだ歴史があるため、現在のアニメ作品においても、本編の世界観を自由自在に展開して広げる手法が、主に二次創作という形でよく使われます。それとは別に、公式が同じように「延長展開表現」を行って関連グッズを拡大する、というケースもあります。
そして「けいおん」シリーズの場合は、その「延長展開表現」の大半が、京都アニメーション発の限定品となっているのが特色の一つだと思います。しかも現在では、そのクリアポスターですら、なかなか入手が難しくなってきているようです。
今回は、なぜか鈴木純関連の寄贈品が目だっていました。色紙類の前に置かれた陶器類は、映画版にて水槽内のトンちゃんの選択シーンに出てきたアレですね・・・。 (続く)