嵐電の「嵐山」駅に着きました。駅構内に所狭しと林立する「キモノフォレスト」のポール群が出迎えてきました。昔の駅の景色を知る身にとっては、多少の違和感が無くもないのですが、これによって外国人観光客の人気が飛躍的に高まったそうですから、評価すべきしつらえとして受け止めておくべきでしょう。
駅のホームに降り立ちました。嵐山本線の終着駅にあたり、第四回近畿の駅百選認定駅に選ばれています。
創設は明治43年、嵐山電車軌道の駅として開業しましたが、昭和4年に現在地に移転し、戦時中の昭和17年に路線継承により京福電気鉄道の駅となり、そのまま現在に至っています。古めかしいホームの屋根は、昭和4年の移転時からのものらしく、古い駅舎の多い京都においても文化財級とみられますが、指定や登録には至っていないようです。
乗ってきたばかりの列車をスマホで記念撮影するナガシマさん。最近はバイクや車よりも電車での移動に魅力を感じているそうです。嵐電の乗車移動も短かかったですが、印象には残ったでしょう。
改札口が廃止撤去されて駅内全体がオープンスペースとなり、出店が並んで商店街のようになっている駅舎を出て、嵐山のメインストリートである長辻通を歩きました。劇中に登場した景色のうち、平沢唯と田井中律が注目していた「嵐山モンキーパーク」の標識が無くなっていました。標識のあった場所を背にしつつ、あれ?と周囲を見回して首をかしげるホシノでした。
(上画像はナガシマさん撮影)
順に聖地スポットを見ながら、桂川に架かる渡月橋を見ました。そして、橋をわたって中之島へと移動しました。
劇中に登場した喫茶店のモデル、「カフェ・ド・えむ」です。既に17時を過ぎて店は閉まっていましたので、外観を撮っただけに終わりました。
予定では、上図の岩田山にも登ることにしていましたが、登山入場時間は16時までなので、この日はもう無理でした。ナガシマさんも「けっこう高い山ですね」と見上げていました。朝の5時台からずっと動きづめの二人には、この急峻な山に登るだけの気力も体力も無かったのでした。
岩田山登山は諦めたものの、それ以外の聖地スポットは精力的に見て回りました。上図は清滝道の車道陸橋です。劇中で真鍋和たちが道に迷っているシーンに登場します。ナガシマさんは相変わらず高テンションのまま、幸せそうに橋を見上げ、スマホを操っていたりしました。
ナガシマさんが一番好きな回が、2期第4話「修学旅行!」だそうですから、嵐山のスポット群は「聖地の中の聖地」という位置づけであるに違いありません。
陸橋の下から東に進んで竜門橋の脇で北に進み、川沿いに進んで上図の場所を見ました。劇中では黄昏時に登場、橋の袖で田井中律がへたり込んでいました。
JR「嵯峨嵐山」駅の西から南へと、市街地の中の路地を二度曲がった後、上図の場所に着きました。ナガシマさんが「おおー、ここですか」と歓声を上げていました。劇中でHTTが一度迷い込み、次いで真鍋和たちと巡るも再びここに迷い込んだ、という場所です。
同地点で西を見た図です。劇中シーンを見慣れた目には、既視感がバッチリです。
さらに東へと抜けて高島診療所の前を過ぎ、教会のある辻で右に折れて嵐電の踏切を渡りました。そのまましばらく南へ進み、聖地スポットが次第に見えてきたところで、ナガシマさんに問いかけました。
「前方の景色、分かりますか?」
いや、分かんないです、と最初は首を傾げたナガシマさんでしたが、近づくにつれて思い当ったようで、ああここですか、と嬉しそうにスマホを取り出していました。
劇中での道迷いの最初の場面がこの景色です。田井中律が地図をにらめっこしているシーンですね。そして平沢唯が民家の飼い犬とじゃれていた場所でもあります。
同地点の電柱なども劇中そのままである旨を、ナガシマさんに説明しました。そんな景色ありましたっけ、と言うので、スマホで私の巡礼記録の該当画像を見てもらいました。
それから西に進み、民宿「嵐山」の西の辻で、田井中律が地元住民に道を尋ねた場所を見ました。これで、劇中の道迷いスポットを全て踏破しました。
時刻は18時、時間的にはHTTが迷った時間帯に近くなっていたので、劇中の雰囲気はある程度味わえたように思います。 (続く)