一乗寺駅で降りたのは、上図の恵文社一乗寺店に行くためでした。看板にあるように、西へ徒歩3分の左手にありますが、実際には3分もかからないように思います。
恵文社一乗寺店は、御覧のようにビルの一階部分をレンガ造りのスタイルでまとめて書店とギャラリーを併設した造りです。遠くからでもそれと知れる、分かり易い外観です。
恵文社は、本屋ファンならば知らない人が居ないほどの有名書店で、イギリスのガーディアン紙が2010年に発表した「世界で一番美しい本屋10」に日本で唯一選ばれたことでも知られています。現在、京都に三ヵ所の店舗を展開していて、その本店が一乗寺店になります。公式サイトはこちら。
中央部分が書店になっています。その外観が劇場版の劇中に登場しています。
これが劇場版の該当シーンです。店名が「さくら堂」になっていますが、外観の造りはまったく同じです。店先にベンチや立て看板が置かれる点も一致します。劇中で、中野梓や平沢憂がロンドン旅行のための資料を買いに入っています。
この書店は、京都造形芸術大学の学生もよく利用しています。私も、夏季集中講義の期間中に二度ほど立ち寄った記憶があります。恵文社は文房具や画材も扱っているので、大学の方にも出張販売をやっていた筈です。恵文社は西大路にも支店を持っており、私の下宿にも近いので、時々仕事帰りに寄って雑誌などを買ったりしています。
今回は、向かって左側のギャラリー「アンフェール」に入りました。ギャラリーと雑貨販売コーナーがあります。
お目当ては上図の「月光荘画材店」委託販売コーナーでした。「月光荘画材店」は東京銀座に本店を置く画材卸売の老舗で、芸大の学生が必要とする画材や文具を豊富に扱っており、京都造形芸術大学への販売を恵文社に委託している形ですが、一乗寺本店でも販売しています。
「月光荘画材店」の公式サイトはこちら。
今回は、上図の「月光荘画材店」オリジナルの消しゴムが欲しかったのでした。美術科の写生実習などで使われる練り消しゴムのような優れた消え具合が評判で、私も以前に大量に購入して使っていました。
表に印刷されたホルンの印は、「月光荘画材店」のトレードマークである「友を呼ぶホルン」です。消しゴムだけでなく、他の製品にもこの印がついています。
この消しゴムが、けいおん2期第10話「先生!」にて、秋山澪の使用品として上図のシーンに登場しています。放送を初めて観た時点で、ああ月光荘の消しゴムやんか、とすぐに分かりました。
だから、人気の全盛期にはファンが争って買い求め、常に売り切れ状態であったというのも、頷けます。
けいおんシリーズに登場する景色が全て実在の景色であるのと同じように、アイテム類もほとんどは実在の製品がそのまま取り上げられています。主人公たちが身につけて使用している品々は、楽器や時計や携帯やオーディオなど多岐にわたりましたが、全てが実在の製品でした。文具であれば、ペンケースはコクヨやナカノの製品、シャーペンは無印良品やラミー、そして消しゴムは「月光荘画材店」、というように実在の製品ばかりでした。
それらを買い求めて使用することで、けいおんキャラクターと同じポジションや気分を味わう、というのが、けいおんファンの重要な楽しみ方の一つでした。
これは、ガルパンファンには絶対に出来ない事です。ガルパンファンが幾ら頑張ってもお金持ちでも、本物のⅣ号戦車やティーガーⅠなどを買って乗って同じ気分を味わうことは不可能です。しかし、けいおんファンは、キャラクターの所持品と同じ楽器を買い、文具や所持品を購入して同じ気分に浸れます。
この差はとてつもなく大きい、と私個人は常々思っております。けいおんシリーズがあれほどの人気と400億円近い市場規模を誇ったのも、劇中アイテムと同じものを日用品レベルで普通に買えてキャラクターの存在感を身近に感じ取れたからだろう、と思います。
女性を中心とする熱心なファン層は、楽器も携帯も文具も全てキャラクターアイテムで揃えて楽しんだそうなので、関連製品が長期的に品薄もしくは売り切れ状態であったのは当然の成り行きでした。
とにかく、今回は秋山澪の使用アイテムをゲットしました。秋山澪のファンであるナガシマさんの分も購入して送っておきました。
久し振りに訪れた場所でしたが、昔はギャラリーがありませんでしたので、いまは大きく広がっている、といった印象でした。生活雑貨フロアもありますが、昔は他に喫茶スペースがあったように思います。 (続く)