上画像は、アニメファンの間では「ガールズ&パンツァー」のパロディであると指摘されているワンシーンです。大洗にひっかけて「大笑い」しているキャラクターは、髪形といい、服装といい、キャプテン磯辺典子によく似てますね・・・。
このシーンが登場するアニメは私もよく知っています。パロディ満載のラブコメディーなので、各話の至るところにアニメやコミックや映画や有名人などのパロディがちりばめられています。ガルパンより後に制作されて2014年にテレビ放送されていましたから、ガルパンのパロディが含まれていても不思議はありません。
このアニメは「のうりん」といいます。公式サイトはこちら。岐阜県の美濃加茂市が舞台で、主人公たちの在学する農林高校がメインステージですが、実在の農林高校をそのまま設定に採用していることで知られます。手前のキャラクターは「ゆかたん」こと草壁ゆか、その右肩に乗っているのはワラビーの「若旦那」です。
これが「のうりん」の主なキャラクターです。左から良田胡蝶(よしだこちょう)、過真鳥継(かまとりけい)、中沢農(なかざわみのり)、木下林檎(きのしたりんご)、畑耕作(はたこうさく)ですが、主人公は一番右の畑耕作で、最初の「大笑い」シーンの人物でもあります。素でもどこかガルパンの磯辺典子に似た雰囲気がありますので笑えます。
さらに過真鳥継も、ガルパンの河嶋桃にどこか似ているんですね。磯辺典子や河嶋桃の男性版が登場してるなー、と思って観ていた記憶があります。
「のうりん」には数多くの名シーン迷シーンがありますが、一番有名なのが、上図の良田胡蝶が無精卵について簡潔に力説するシーンでしょう。農業県でもある岐阜県は養鶏業も盛んで、各地にブランド卵があって人気も高く、卵かけ御飯の材料として、美味しい無精卵などがアピールされています。無精卵についての知識はこちら。
で、良田胡蝶の力説シーンがあまりにもウケ過ぎて、ついにはアニメ内での創作キャラクターまで登場してしまいました。この萌えキャラの名前も夢星らん(むせいらん)ですから笑ってしまいました。
で、ついには夢星らんが無精卵をアピールする「もえたま(萌えたま)」コンテンツまで登場してしまったのですが、これが実際の岐阜県発の新たな卵ブランドと勘違いされ、ツイッターやネットなどで拡散して数々の混乱と騒動を巻き起こしたことは周知の通りです。
しかし、それだけでは終わらずに、岐阜県のサッカークラブが関連特典商品として本当に岐阜県養鶏卵を「もえたま」として発売、ファンが殺到したというオマケつきです。詳細は岐阜FC公式サイトの記事をどうぞ。
ガルパンが水戸ホーリックとコラボしているように、岐阜FCも「のうりん」とコラボしており、密着度は「のうりん」の方が強いようです。関連のイベントでよく岐阜県の特産品や農産品が販売されるので、それらの方が目当てという人が多いです。かくいう私も、どうしても「濃姫いちごゴーフレット」が欲しくて予約までしたぐらいです。あれは本当に美味しんですよ、高いけど。
で、ガルパンと同じように「のうりん」も献血イベントが時々あります。日本赤十字社はアニメ人気の効果をよく分かっていらっしゃるようです。
「のうりん」は、アニメとしての人気度はガルパンに及ばず、円盤の売り上げも少なく、ご当地アニメとしては失敗作のほうに数えられているようですが、舞台の美濃加茂市が風光明媚な土地であるうえ、アニメに登場する地域が周辺の市町村に及んでいて観光エリアとも重なるため、アニメファンの聖地巡礼のほうはかなり盛り上がっていて、舞台の美濃加茂市もバックアップしています。「のうりん」聖地巡礼の記事はこちらとこちらとこちらとこちら。現地でのイベント等を含めて聖地巡礼をサポートしている美濃加茂市観光協会のツイッターはこちら。
さらに面白いのは、「のうりん」の原作者である白鳥士郎さんがノリノリな方で、自身の作品の聖地巡礼をファンと共に楽しんでおられるほか、関連イベントに出席して色々と盛り上げているようです。そのブログはこちら。
この「のうりん」は、私も結構好きなので、原作のライトノベルも全巻読みましたし、テレビシリーズも全部観ました。ですが、現地へはまだ聖地巡礼に行っていません。行かなくても、大体分かるからです。
実は、私の実家のある地域は、美濃加茂市のすぐ近くです。実家から「のうりん」の主舞台となった農林高校までは車で20分ぐらいで行けます。「のうりん」に登場する場所の多くは知っていますし、行ったこともあります。劇中では「愛生」として登場する郡上市八幡町相生あたりは景色の綺麗なところで、近くには史跡や温泉や観光地も多く、よく行きました。劇中に登場する長良川鉄道にも何度か乗っています。ガルパンの鹿島臨海鉄道とよく似たローカル鉄道で、清流長良川に沿って走るので良い景色が多く、終点の北濃は霊峰白山の美濃馬場(入峰口)として知られます。
ガルパンブームが一段落したら、「のうりん」の舞台巡りをしてみるのもいいですが、実家に帰省する感覚の延長上にあるという感じなので、ガルパンの大洗へ行くような旅気分というものは、あんまり味わえない気がしますね・・・。