行政書士中村和夫の独り言

外国人雇用・採用コンサルティング、渉外戸籍、入管手続等を専門とする25年目の国際派行政書士が好き勝手につぶやいています!

格差社会の拡大は、グローバリズムという強者側論理による政策が原因?

2011-10-22 10:25:01 | 国際・政治

 アメリカ、ニューヨークのウォール街で始まった格差社会に対する抗議デモが世界に拡散しているようだ。

 金融は、経済の血液だから! 法人税、所得税、相続税が高いと企業や投資資金は逃げ出すから! 人件費の固定化は企業負担が大きく国際競争力を失いかえって雇用を減少させる結果となるから! 等々

 強者の論理として、決して間違っているとは言わないが、この論理を実行する為に、グローバル化という美名の下に、多くの国々で強者の論理に従って、政策を進め、法律を変え、そして多くの血税を注ぎ込んでしまったのだった。

 政治というものは、本来は強者による論理を規制したり、強者にハンディキャップを課したりして、社会全体のバランスを舵取りして、強者達が強くなり過ぎないような政策や法律、税制を立案し、施行することが本質的な役割であった筈なのだが・・・。

 こうした強者側の論理に基づく政策実行の原資として創設された消費税は、欧米諸国や日本などでも、結果として経済的弱者である失業者や生活保護受給者を激増させる結果を招いてしまったのであった。

 一般的には、付加価値税率、或いは、消費税率が高いと、貧富の差が広がってしまう傾向にある。

* 2007年5月 8日 (火曜日)消費税と格差社会http://blog.goo.ne.jp/gestorjapones-kazuonakamura/d/20070508

* 2008年8月28日 (木曜日)消費税だけになったらどうなる?http://blog.goo.ne.jp/gestorjapones-kazuonakamura/d/20080828

 そこで、ヨーロッパ諸国では、一定の食料品などを非課税とすることで、低所得者層を保護し、かつ、社会保障を充実させ、高額所得者への所得税の累進性を維持し続けることで社会の不満は極力少なくなるような工夫をしている。しかし、米国はそうではない。

 米国では共和党系の保守勢力の抵抗により、相変わらず国民皆保険制度に反対する者が多い上に、高額所得所得への所得課税の累進性は低く、相続税率は著しく低い。その結果として、天文学的資産を持つ富豪達が誕生する一方で、その富豪達が経営する企業に99%の米国民が事実上使われている社会構造になってしまっている現実がある。

* 2008年12月11日 (木曜日)多くの製造業が滅びてしまったアメリカという国http://blog.goo.ne.jp/gestorjapones-kazuonakamura/d/20081211 

* 2009年9月29日 (火曜日) もう、投機経済はやめましょうよ!http://blog.goo.ne.jp/gestorjapones-kazuonakamura/d/20090929

* 2008年12月 6日 (土曜日)雇用調整という名の安易な米国式首切りhttp://blog.goo.ne.jp/gestorjapones-kazuonakamura/d/20081206

 米国を左右するこれらの富豪達が経営する企業群によって成り立っている米国経済であるからには、米国政府は彼等富裕層を保護し、かつ、彼等の資産を運用する金融機関を保護しようとする政策を取ろうとするのはある意味では当然である。

 実際、今回のリーマンショックに始まった金融危機では、米国政府は莫大な税金をウォール街に投入したのである。

* 2009年1月10日 (土曜日)経済危機の原因はいつも金融機関?http://blog.goo.ne.jp/gestorjapones-kazuonakamura/d/20090110

* 2008年10月20日 (月曜日)銀行という金融機関の謎! 上http://blog.goo.ne.jp/gestorjapones-kazuonakamura/d/20081020

* 2008年10月22日 (水曜日)銀行という金融機関の謎! 中http://blog.goo.ne.jp/gestorjapones-kazuonakamura/d/20081022
* 2008年10月25日 (土曜日)銀行という金融機関の謎! 下http://blog.goo.ne.jp/gestorjapones-kazuonakamura/d/20081025

* 2009年7月11日 (土曜日)官僚たちの夏http://blog.goo.ne.jp/gestorjapones-kazuonakamura/d/20090711

 そんな、99%側の人々にとっては納得できない国家の経営手法に対して、今回ついに声を上げる人々が出てきたという訳なのである。

 一方、日本ではこの米国型政策の遂行に何ら矛盾も感じず、むしろその手法を模倣して推奨さえしていた政治家、経営者達、御用学者、そして無節操な評論家達によってこの20年ばかりの間、日本も知らず知らずに深く病魔に侵されていったのではなかろうか。

* 2009年3月10日 (火曜日)リストラという言葉の本来の意味とは!http://blog.goo.ne.jp/gestorjapones-kazuonakamura/d/20090310

* 2009年2月25日 (水曜日)投機経済から投資経済への転換のススメ!http://blog.goo.ne.jp/gestorjapones-kazuonakamura/d/20090225

* 2008年11月17日 (月曜日)やっぱり貧しくなっていた日本!http://blog.goo.ne.jp/gestorjapones-kazuonakamura/d/20081117

 あの東日本大震災の起こった日に、都心の豪華ホテルに暫く滞在することになったある資産家の老婆は、日頃歌舞伎の観劇三昧の上に、地震で壊れた数百万円もする花瓶や置物の破損に嘆いていたのである。このような人達が居る一方で、家も流され、家族も失っって絶望の底にあり、先の人生が全く見えない多くの被災者達がいる今の日本社会の矛盾した現実が実際にあるのを目の当たりにすると、日本も既に格差社会になっていると思わざるを得ないのである。

* 2009年10月 8日 (木曜日)貧困率って何?http://blog.goo.ne.jp/gestorjapones-kazuonakamura/d/20091008 

* 2009年9月11日 (金曜日)悪い奴ほど、貧しい者や弱い者達を食いものにするhttp://blog.goo.ne.jp/gestorjapones-kazuonakamura/d/20090911

 こんな優しさのない強者の論理だけが通用する格差社会になろうとしている世界の風潮、一体これからどうなるのであろうか?

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