行政書士中村和夫の独り言

外国人雇用・採用コンサルティング、渉外戸籍、入管手続等を専門とする26年目の国際派行政書士が好き勝手につぶやいています!

映画ダイハードに見る、日本という国が絶頂だった頃!

2009-11-10 09:02:35 | 国際・政治

 先日、久しぶりにDVDで、私と同年代でもあるブルース・ウィリス主演のダイハードを見ました。

 舞台は、ロサンゼルスにある超高層ビル。その保有者である日本企業のナカトミ・グループ(勿論、架空の企業グループ名ですが。)のビル内の金庫に同グループが保管・管理する米国債6億ドルを、テロ集団を紛った強盗団がそれを奪おうとするストーリーです。この強盗団に対して、ブルース・ウィリス扮するニューヨーク市警のタフガイ刑事が、たった一人で重装備の強盗団全員(なぜか、ドイツ系が多かったような)を殲滅してしまうという、単純明快なアクション映画です。

 このナカトミグループの米国支社長に大抜擢されて、ニューヨークから夫の反対にも関わらず転身して来たのが、キャリアウーマンでありこのニューヨーク市警刑事の妻なのです。そして、この超高層ビルのオープニングパーティーの日であったクリスマスイブの夜に、この襲撃事件が起きるという設定です。

 ブルース・ウィリス演ずる主役の刑事も、日本人支社長の特別な計らいでニューヨークよりロスに招待はされたものの、このテロまがいの強奪事件に巻き込まれてしまい、テロ組織並みに強力に武装された強盗団に対して、孤軍奮闘して闘うはめになってしまうという荒唐無稽なお話しです。

 ところで、このダイハードが製作された1988年の頃、日本企業は世界経済を席捲していた頃でもありました。また私自身も、86年はコロンビアでの火力発電所建設プロジェクト、87年以降はメキシコでの大径管製造会社プロジェクトでの通訳アドミとして勤務し、日本経済の世界進出の先兵の端くれの一兵卒として、日本との間を頻繁に往来している時期でもあったのでした。そして、必ずその途中にワンストップしていた地が、このロサンゼルスの街でありました。

 ロスの空港からタクシーに乗る度に、「あんた日本人かい?日本は凄い!俺の家の電化製品は日本製品ばかりだし、車も日本製だ。それに、あの高層ビル、あちらの高層ビル、それにそこの建設中の高層ビルも日本企業のものだ。」と毎回うんざりする程言われ続けていたのでした。

 当時の日本のバブル経済による株高、不動産高を背景に、疲弊していた米国経済をターゲットにした日本企業は、西海岸のロスだけのみならず、アメリカ中の不動産や企業を買いあさっていた(日本の株式市場の株価時価総額で、アメリカが何個も買える程であった。)頃でもあったのでした。

 この様にタクシー運転手に、おべんちゃらのように言われていたのは、何も私だけでは無かったはずです。おそらく、数多くの日本人達が、この様に世界中から礼賛(実は、脅威に思われていたか、或いは、軽蔑されていたのだと思います。)され、日本の国力に酔いしれていて、日本人であることに過剰な自惚れを抱いていた時期でもありました。

 そんな、砂上の楼閣も、バブル経済崩壊による日本の株価・不動産価格の下落によって、あっけなく終焉を迎え、今現在に至るまでも低迷が続いているが現状なのです。

 これが、日本の本当の実力とは、日本人としては到底思いたくはないのですが・・・。

 「奢れる平家は久しからず!」栄耀栄華を誇り、政(まつりごと)を疎かにしていた平家の堕落した姿を見て囁かれた言葉だったのですが・・・。

 このダイハードというアクション映画を20年ぶりに見て、「日本の時代は終わったのだろうか。もう、日本は復活しないのだろうか?」などと決して思ってはいけないと私は思うのです。

 日本という国は、バブル時代の日本の姿に戻るのではなく、むしろ北ヨーロッパにあるような小さくとも豊かな国々のように、経済力や軍事力などでは決して目立たず、そして平和でかつ高度な福祉国家を目指して復活再生して欲しいと私は思うのです。

 今日のニュースで、年間1,000万台を越える世界最大の自動車消費国となり、急速に強国になった某お隣の国が、奢れる平家になるのかはどうかは私には分かりませんが、どうもそのような奢った気持ちを持った隣国人が急増している事だけは確かなようです。

 さて、10年後20年後には日本は、そして隣国は一体どうなっているのでしょうか。

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