行政書士中村和夫の独り言

外国人雇用・採用コンサルティング、渉外戸籍、入管手続等を専門とする25年目の国際派行政書士が好き勝手につぶやいています!

日輪の遺産(浅田次郎著)

2011-08-15 09:06:07 | 本と雑誌

日輪の遺産 (徳間文庫)

 私の大好きな短編小説「ラブレター」を書いた浅田次郎氏が、

 18年ほど前に発表した作品の文庫版です。

 巻末にある解説文によると、当時極道作家系であった浅田次郎氏が、

 大作家として飛躍したきっかけになった一冊なのだそうです。

 ストーリーは、現在価値200兆円にものぼるマッカーサーマネー、

   いわゆるM資金を巡る歴史ミステリー小説のような内容なのですが、

 このジャンルの定番であるハッピーエンドでは決して終わらせずに、

 徹底抗戦しようとする一部の軍人達による終戦前夜のクーデター場面や

 少女達の集団自決という衝撃的な結末も出てきて、

 戦争を知らない我々読者に今の時期というものを

 一人の日本人として改めて見直すよう

 やんわりと再考を促しているようにも思える秀作でもあります。

 

 それにしても、浅田作品は、どれもこれも

 一旦読み始めたら、すぅ~と引き込まれてしまいます。

 それは、浅田文学の登場人物の生き生きとした

 人物描写魔術のせいなのでしょうか。

 この時期、電車の中で読むお勧めの一冊です。

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