寓居人の独言

身の回りのことや日々の出来事の感想そして楽しかった思い出話

春燃えて 人も自然も 衣替え

2012年05月01日 20時05分38秒 | 日記・エッセイ・コラム

 春は自然も人の気持ちも新しい息吹を感じる時期である。後期高齢者の筆者も春になると何故か新たな事に挑戦してみようと心が引き締まってくる。木々の枯れ枝に新芽が出て、葉が大きくなると同時に色が濃くなっていく。その葉が太陽の光を利用して、大気中の二酸化炭素を、根から吸い上げた水とで有機化合物を合成していく。その際に、大気中へ酸素を放出する。この反応を光合成という。

 合成された有機化合物と酸素は動物によって利用される。前者はエネルギー源となり、後者は有機化合物を燃焼させてエネルギーを産出する原動力になる。

 この現象に目をつけた科学者がいた。それはShimuraさんという某公立大学の教授になった方である。この方は、前記の光合成は電子的に進行することに目をつけた。そして葉緑素の成分であるクロロフィルに構造が似た物質を合成することに成功した。

 この物質は、フタロシアニンという名前で呼ばれており、別の物質を合成するさいの副産物として産出し、利用価値がないということで放棄されていた。フタロシアニンはガラス製造の原料の一部として使用すると、皆さんもご承知の太陽光に当たると変色するガラス、サングラスに利用されている。バスの窓ガラスにも使用されている。

 Shimuraさんは、この物質の特許申請をしないまま学会で発表してしまった。すると、ガラス業界だけで無くいろんな分野の人たちが猛烈な勢いで研究し、製品化を果たしてしまった。アメリカ合衆国などの研究者なら、先ず特許申請をして、それから学会で報告するのが常法であるが、Shimuraさんはそれをしなかった。研究者としては、一般的な製品が生産されるようになるとその物質から別の物質に研究目的が変わる。Shimuraさんも例外で無く、フタロシアニンのさらに複雑な構造の物質に研究を進めた。それはオフタロシアニンという物質であるが、どのような性質を持つ物かについては伺っていなかった。

 今は、定年を迎え絵を描くことにいそしんでいるという。年賀状に描かれている絵は何かの展覧会で受賞の対象になったと聞いている。

 頭の中でも、新旧交替が繰り返されている。それがどのように表現されるかによって他の人に深い感銘を与えることになる場合がある。

 筆者は、Shimuraさんの話を若い方々への励ましの言葉として利用させていただくことがある。

 かくいう筆者も、心の衣替えをしようと思う今日この頃である。

 

 

 


春は生き物たちの命の燃えるとき

2012年05月01日 00時29分57秒 | 日記・エッセイ・コラム

春になると、草木の葉の色がいかにも若々しくなる。

Dsc00002_2これは落葉樹に限らない。常緑樹の場合も、濃い色の葉の上に若葉が出てくる。若葉が出そろうと、古い葉が落ちて新旧交替する。

草花も一斉に咲き始め、素れっぞれの色を競う。

Dsc00004_2朝方には、すばらしい鳥たちの合唱を聴くことが出来る。その中に独唱のテノールを聞くことが出来る。鳥の大きさは、両手で包み込むくらいである自宅周辺で咲いていた花を収録した。

近頃、カラスの鳴き声が変わり求愛活動が盛んになったようだ。自然の移ろいに注文をつけるわけにはいかないが、夜中に泣くのは遠慮して欲しい。

Dsc000152mmくらいのアリが勝手口から侵入して、砂糖を探し回っている。我が家では砂糖入れ容器よりも少し大きなパットに水を入れてその中に砂糖の入れ物を置くことにしている春盛ん 色とりどりの 華匂うムカデも里に出てきた。10cmほどもある大きな虫である。ときどき家の中に入ってきて悪さをすることがあり、進入禁止の薬剤を撒いているのだがあまり効果がない。

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物置の床下に蛇が住んでいる。それがときどき玄関付近に出てきて、連れ合いを脅かすことがある。この蛇は色素が無いようで内蔵が透けて見える。あるいは脱皮した直後なのかもしれない。

というわけで、我が家の周辺は自然がいっぱいである。それを喜んでいい物やら不明であるが、今時の贅沢とはこのような物なのかもしれない。