山本藤光の文庫で読む500+α

著書「仕事と日常を磨く人間力マネジメント」の読書ナビ

000cut:まえがき

2018-10-08 | 完全版シナリオ「ビリーの挑戦」
「ビリーの挑戦」第1部 
最下位営業チームがトップになった

■第1部の主な登場人物

漆原清明 新任の釧路営業所長。38歳。
新谷 札幌1課長。漆原と同期生。38歳。
石川 釧路地区のサブリーダー。36歳。既婚。売上750万円/月。
熊谷 釧路地区担当MR。32歳。既婚。売上480万円/月。
田中 釧路地区担当MR。28歳。既婚。売上1050万円/月。
寺沢 釧路地区担当MR。24歳。独身。売上790万円/月。
山之内 帯広地区のサブリーダー。34歳。独身。売上475万円/月。
山崎 帯広地区担当MR。34歳。既婚。売上860万円/月。
乾 帯広地区担当MR。32歳。独身。売上1100万円/月。
太田 帯広地区担当MR。26歳。独身。売上520万円/月。
鈴木 釧路の前所長。44歳。独身。
エッちゃん(梶山悦子)炉端焼き経営。31歳。独身。

000cut:まえがき

強いチームには、明るく前向きな共通言語があります。私の長い営業体験から得た、紛れもない実感です。『ビリーの挑戦』は、そのニュアンスを味わっていただきたくて、あえてシナリオ版にしました。

本作は2部構成になっています。第1部「ビリーの挑戦・全国最下位営業チームがトップになった」は、医薬経済社から2005年に上梓させていただいています。何度か増刷していただきましたが、現在は絶版になっています。第2部「ビリーの挑戦・伝説のSSTプロジェクトに挑む」は、2015年半ばから1年間『医薬経済』に「帰ってきたビリーの挑戦」というタイトルで連載させていただきました。

『ビリーの挑戦』第1部・第2部は、これらの作品を大幅に加筆修正したものです。物語の90%は実話です。そして主人公の漆原清明は、「人間系ナレッジマネジメント」の実践者です。本書にはふんだんにその考えやスキルを盛りこみました。

第1部での漆原清明は、全国最下位の釧路営業所長として赴任します。本書の舞台は製薬会社ですので、部下はMRと表記しています。MRは薬の営業マンです。読者はMRを、営業マンと読み替えてください。やる気のないどん底チームをいかによみがえらせるのか。若き漆原清明の手腕に注目してください。

第2部「ビリーの挑戦・伝説のSSTプロジェクトに挑む」は、これまでに2冊の著作(『暗黙知の共有化が売る力を伸ばす。日本ロシュのSSTプロジェクト』『同行指導の現場・日本ロシュのSSTプロジェクト』(ともにプレジデント社)で紹介させていただいています。いずれも絶版ですので、あえて別の形式で第2部に組み入れました。。

これまでのマネジメントは、「命じる」「提出させる」の世界でした。漆原清明はそれを、「考えさせる」「聞き取る」のマネジメントに改めました。多くの企業はナレッジマネジメントと称して、システムに投資をしてきました。ところが、そのシステムが活用されていません。システムを活用する側に、フォーカスを当てていなかったのですから、当然の帰結ともいえましょう。

 ぎこちないやりとりは、次第に弾む会話に変わります。バラバラだったジクソーパズルのピースが、少しずつ形を整えはじめます。覇気のないチームが一つにまとまってゆく過程を、臨場感のある会話で伝えたつもりでいます。(山本藤光)

260:新フォト・ラリー

2018-10-08 | 小説「町おこしの賦」
260:新フォト・ラリー
――『町おこしの賦』第8部:業績格差は人災24
ウォーキング・ラリーは、今年度からフォト・ラリーに企画が改められた。フォト・ラリーは、あらかじめ配布された標茶町の地図と写真リストをたどるものである。参加者は写真リストと同じ構図の写真を撮って、定められた時間内にゴールに到着すれば、記念品がもらえる。
この提案は、広報課の加納雪子からなされた。恭二たち観光推進局は、斬新な提案の検討を行った。ウォーキング・ラリーの収益倍増を担う、沢里と中野は非常に積極的だった。既存のフォト・ラリー会場を視察し、ポケモンゴーの人気も分析した。

そして二人は、最終提案の会議に臨んだ。
「参加者には、標茶町の白地図と十枚の写真リストを渡します。白地図には写真リストの所在地付近だけが記入されています。参加者は写真の所在地を発見したら丸で囲み、同じ構図の写真を撮らなければなりません」
 沢里の説明を受けて、中野は十枚の写真をスクリーンに映し出す。
「十枚の写真候補は次のとおりです。最初がおあしすのシルバーコーナー」
 中野は次々に、写真を映し出す。はりまや橋、河川敷のトリプルS競技場、オランダ坂、守礼門、標茶高校牛舎、散歩中の犬、赤い自動車、多和平クラーク像、札幌時計台、藤野温泉ホテル・アネックス。
「おいおい、散歩中の犬と赤い自動車は何だね?」
「偶然性という、遊び心です」と中野。
「記念品は何を予定しているの?」
「ウォーキング・ラリーで使っていたスタンプを押した冊子は参加賞にします。そのほかは抽選で、当選者には町の物産つめ合わせを用意するつもりです」
「いちいちスタンプを押すよりも、写真の方が現代にマッチしているかもしれない。よし、今年はフォト・ラリーにしよう」
 恭二は決断した。

006:人生には3つの山がある

2018-10-08 | 銀塾・知だらけの学習塾
006:人生には3つの山がある
物心がついてからの人生には、3つの山が待ち受けています。人間はそれらの山を、天秤棒を担いで登り降りします。天秤棒の両端には、2つの荷かごが提げられています。

3つの山とは、次のとおりです。

1.学生期:学校に拘束されている期間
2.仕事期:仕事や会社に拘束されている期間
3.老齢期:学校や仕事に拘束されていない期間

2つの荷かごの重さが均一でなければバランスを欠いて、とてつもなく歩きにくくなります。 2つの荷かごの荷物を確認しておきます。

1.学生期:学校と日常
2.仕事期:仕事と日常
3.老齢期:日常と日常

「日常」とは、学校や仕事(会社)に拘束されていないすべての時間のことです。たとえば「仕事期」なら、出社してから退社するまでの通常8時間を拘束されている時間とします。通学、通勤時間は「日常」に含めます。もちろん、睡眠や食事時間も「日常」の範ちゅうになります。

学校や会社に拘束されている8時間を除く、すべての時間(16時間)は「日常」の荷かごのなかにあります。これでは天秤棒のバランスは悪くなります。つまり「日常」のなかから4時間を、「仕事」の荷かごに移さなければならないわけです。日常のなかから、「知的活動」を拘束されている時間の方に4時間分移すことになります。これは勉強や仕事の役に立つ時間のことです。

仕事に役立つ読書などは、立派な「知的活動」になります。会社に拘束されていない時間から、いかに「知的活動」時間を見出すか。これが三つの山登りの第一歩なのです。
往復2時間の通勤電車では、必ず本を読む。この人は、仕事8時間に知的活動2時間を合算できます。あと2時間を加えると、荷かごのバランスを整えることができます。通勤電車で居眠りをしている人は、残念ながら「知的活動」を放棄してしまっているわけです。

仕事バリバリ家でゴロゴロ。これは2つの荷のバランスがとれていない典型例です。会社には仕事はよくできるけど、ちょっとねという人がいます。この人は「知的活動」が欠落しているのでしょう。だから「人間力」が脆弱になっているのです。

2つの荷かごの理想的な形は、下記のようになります。1日の24時間を12時間ずつに配分することが、荷かごのバランスを整える第一歩なのです。

1.学生期:(授業+知的活動)と日常
2.仕事期:(仕事+知的活動)と日常
3.老齢期:(知的活動)と日常

「知的活動」とは、見聞を広める行為のことです。およそ次のようなものと考えてください。

読書をする。新聞を読む。教育テレビ番組を観る。図書館に行く。美術館に行く。博物館に行く。メールを発信する。ネット検索をする。手紙を書く。友と語り合う。旅行に行く。散歩をする。ショッピングをする。骨董を収集する。家庭農園をする。囲碁をする。

一方「日常」とは、睡眠、食事、入浴、娯楽などのことです。老齢期の人は、まず「知的活動」と「日常」を12時間ずつに割り振らなければなりません。

妙に知181008:「ドジ」の語源

2018-10-08 | 妙に知(明日)の日記
妙に知181008:「ドジ」の語源
▼ドジを踏む。この「ドジ」の語源は予想外のものでした。2つほど説があるようです。一つは相撲からきたもの。「土地」と書いて、土俵外を意味するようです。つまり負けのこと。もう一つは警察の隠語説です。「泥地」と書いて。ここを踏むと足跡が残ることから。ドジな奴などとよく用いていましたが、「鈍遅」と書くという説もあるそうです。(M2プロジェクト編『天下無敵のネタの宝庫・雑学大事典』永岡書店をまとめました)▼情報誌『ちくま』の契約を解約した理由。長いこと愛読してきた雑誌ですが、活字が小さすぎて読むことができなくなりました。高齢化社会で、小さな活字は天敵です。大好きな雑誌だったのに、残念でなりません。
山本藤光2018.10.08