山本藤光の文庫で読む500+α

著書「仕事と日常を磨く人間力マネジメント」の読書ナビ

乱知180615:金の要求を消音させる

2018-06-15 | 乱知タイム
乱知180615:金の要求を消音させる
日朝首脳会談の実現が夢ではなくなりました。北朝鮮は一挙に解決という方法は取りません。段階的に実施し、金正恩はその間に「金」をふんだくりたいのです。拉致被害者奪還に金を要求されるのは、泥棒に追い銭そのものです。日本は毅然として、早期解決を目指さなければなりません。段階的な「金金金」の要求を「消音」させて、一挙解決を図るべきなのです。
山本藤光2018.06.15

ビリーの挑戦2-098cut:山本藤光と漆原清明

2018-06-15 | ビリーの挑戦第2部・伝説のSSTプロジェクトに挑む
ビリーの挑戦2-098cut:山本藤光と漆原清明
――Scene16:それぞれの新たな道
影野小枝 指定された帝国ホテルの喫茶店で、2人の話は続いています。
山本 なぜ長所短所ではなく、強み弱みを書いてもらったか、わかりますか?
漆原 先生がお書きになった本のなかに、西堀栄三郎さんの「個性は変えられないが、能力は変えられる」という引用がありました。長所短所は変えられない個性で、強み弱みは変えられる能力だと思います。
山本 しっかりと勉強していますね。
漆原 恥ずかしいのですが、強みは実行力だと思っています。そして弱みは朝令暮改してしまうことです。
山本 朝令暮改は、弱みではないかもしれません。鈴木敏文さんの著書に『朝令暮改の発想』(新潮文庫)というものがあります。一度読んでごらんなさい。ところで無形資産のリストは持ってきましたか。
漆原 何を書いたらよいのかが、わからなかったものですから、とりあえずリストアップしてみました。
山本 SSTプロジェクトの体験がありますね。これは「経験資産」といいます。9時就寝3時起床の毎日とありますが、これはどんなイメージで資産にあげましたか?
漆原 あまりにも書き出せる資産が少なかったので、ムリにリストに入れてみました。
山本 これも立派な資産です。実は私たちには4つの無形資産があります。「経験資産」は漆原さんがリストアップしたイメージのものです、今あるのはあの経験のお陰だと思えるもののことです。次に「技能資産」というものがあります。この技能や習慣があったから、今があるのだと思えるもののことです。漆原さんが書いている早寝早起きは、紛れもない技能資産に入ります。3つ目は「知識資産」です。この知識を修得しているから今がある、というものは何でも含めます。そして最後が「人財資産」ですね。この人のお陰で、今があるという人を列挙します。一度も会ったことがない、本の著者でも構いません。漆原さんがさっきあげた南極探検の西堀栄三郎さんを、人財資産にするのも自由です。
漆原 私たちには4つの資産があるんですね。「経験資産」「技能資産」「知識資産」そして「人財資産」ですか。
山本 漆原さんは退職なさって、自分の会社を立ち上げたわけですね。まずは4つの資産を虫干しすることから、始めなくてはなりません。私に連絡をくださったのも、私を「人財資産」として意識下にあったからでしょう。山本みたいな仕事をしてみたい。そうじゃないですか? おやりなさい。私にできる支援はさせていただきます。

新・知だらけ016:進歩と向上を目指す

2018-06-15 | 新・知だらけの学習塾
新・知だらけ016:進歩と向上を目指す
――第1講義:人生
自分をより高めたい、との思いは誰もが抱いていることと思います。人間には長所と短所があります。もうひとつ人間には強みと弱みがあります。長所と短所は気質みたいなものですから、なかなか矯正することができません。しかし、強みと弱みは後づけのものですから、矯正することが可能なのです。
後で紹介しますが、西堀栄三郎(500+α推薦作『石橋を叩けば渡れない』生産性出版)は、長所短所は性格であり、強み弱みは能力と区分けしています。性格は変えられませんが、能力は変えられるというわけです。時々、部下の短所を叱責している上司を見かけます。これは見当ちがいの指導なのです。

あなたの強みと弱みは何ですか? ここを抑えておくと、計画立案のときに役に立ちます。強みは伸ばす。弱みは何らかの方法でカバーする。そんな計画を立てることになります。

渡部昇一に『知的生活の方法』(講談社現代文庫)という著作があります。初出が1976年で現代にマッチしない教えが多々あります。しかし渡部昇一が冒頭に掲げたシェイクスピアの言葉は、いまだに生き生きと呼吸しています。

――最後に、最も大切なる訓(おしえ)……己(おのれ)に対し忠実なれ、さすれば夜の昼に継ぐが如く、他人に対しても忠実ならん。(坪内逍遙訳『ハムレット』第一幕第三場より)

渡部昇一はこの言葉を、道徳的な解釈ではなく、個人の進歩と向上という側面でとらえています。
つまり『知的生活の方法』での第一義は、自らの進歩と向上を目指すなら、自分に正直であれと説いているのです。

人間って、怠け者です。ノルマとはシベリア抑留者が持ち帰ったいまわしいロシア語です。しかし塾長はあえて、ノルマを持ちなさいと伝えます。
楽な方へと、逃げてはいけません。一度進歩と向上を決意したのなら、自分に厳しくならなければいけません。気合いを入れて、自分自身のネジを巻いてください。私は自らの進歩と向上を目指す、のだと。

影野小枝
――自分の強みと弱みを書き出してみました。弱みの筆頭は、あきっぽいことです。したがって読書の後に、気分転換のためにクロスワードパズルを解く、を入れてみました。これで読書に集中力が生まれると思います。

質を測る043:D・失敗を怖れず挑戦する(1)

2018-06-15 | 営業の「質を測るものさし」あります
質を測る043:D・失敗を怖れず挑戦する(1)
――第4章:営業担当者
「D:果敢に挑戦する」とは、無鉄砲に体あたりせよということではありません。「失敗」という単語は、負のイメージにまみれています。私が推奨している「失敗」は、何も出入り禁止の措置をとられるようなたぐいのものではありません。叱責や罵倒されても、「失敗しちゃった」と退出後に舌を出すくらいの「失敗」を勧めているのです。
 さもなければ、営業担当者はいつまでも失敗をおそれて、△活動に終始しつづけるでしょう。コンタクトレベルが上がるまで、と永遠に顧客のまわりを遠巻きにする活動は非生産的です。

もちろん「D:果敢に挑戦する」には、周到な準備とタイミングが必要です。しかしいつまでもタイミングを見はからっていたら、永遠なる△活動となってしまいます。「今だ」「今日こそは」というタイミングは、営業担当者自身の心意気にあります。失敗学の権威・畑村洋太郎先生の著作の一部を紹介します。

――失敗の特性を理解し、不必要な失敗を繰り返さないとともに、失敗からその人を成長させる新たな知識を学ぼうというのが、「失敗学」の趣旨なのです。別のいい方をすれば、マイナスイメージがつきまとう失敗を忌み嫌わずに直視することで、失敗を新たな創造というプラス方向に転じさせて活用しようというのが、「失敗学」の目指すべき姿です。(畑村洋太郎『失敗学のすすめ』講談社文庫P28)

「PDCAノート」の「D:果敢に挑戦する」には、失敗事例を書き連ねます。リスクマネジメントには、「ヒヤリハット」という教訓があります。ヒヤッとしたりハッとした事例を収集し、それをリスク回避の手がかりにしようとするものです。私は営業担当者に「ヒヤリドキット」と教えています。ヒヤッとしたりドキッとした事例を書きためておくと、その後の活動の糧になります。チームで成功事例の発表とともに、「ヒヤリドキット」の時間も設けてくれているところもあります。

のほほん180615:湊かなえ特集

2018-06-15 | のほほんのほんの本
のほほん180615:湊かなえ特集

「ダ・ヴィンチ」2018年7月号の「湊かなえ」特集を読み終えました。非常に充実した内容で、もっと湊かなえをと焦りました。読まなければならない本がたくさんあるのに、そこへ割り込ませる魅力が特集にはありました。湊かなえファンで未読の方がいたら、読みのがしなく。
山本藤光2018.06.15

妙に知180615:泡沫の2つの読み

2018-06-15 | 妙に知(明日)の日記
妙に知180615:泡沫の2つの読み
「泡沫」は何と読みますか。2つの読み方があります。2つとも答えられますか。選挙でよく「泡沫候補」などといわれる人がいます。これをもうひとつの読みである「〇〇〇〇候補」とはいいません。こちらは「泡沫の恋」などと用います。もうおわかりですね。「ほうまつ」と「うたかた」が正解です。
山本藤光2018.06.15

記録が大切:めんどうかい092

2018-06-15 | 営業リーダーのための「めんどうかい」
記録が大切:めんどうかい092
――第5章:同行の基本
 優秀な営業リーダーとそうではない人との違いは、「書きもの」の量だと思います。書くということは、自分をしばることになります。だからダメなリーダーは、あまり書きたがりません。

 私は営業リーダー時代に、交換ノートの要領で「新人営業担当者の成長日誌」を書いていました。左ページは営業リーダーが書き、右ページには新人営業担当者が記録をつけていたのです。

 新人には上司から注意されたことや、発見したことを書いてもらいました。簡単な感想も書いてもらっていましたが、成長すると書くべき感想がなくなるようでした。

 営業リーダーが同行できない日は、新人営業担当者にそのノートを持たせて、ベテランのところへ行かせました。ノートがあると、誰が受け持っても指導がブレません。

 効果的な同行とは、「書きまくる」ことでもあります。年頭の面談時にゴール設定をします。もちろん、メモとして残されています。顧客別アクションプランも、同行時に持参しています。出がけに「朝書き日報」も受け取っています。そして同行が終わったら、「同行日誌」に、次回同行までの課題をしたためます。
 
CP」では、これらのメモ書きの必要性を訴求しています。しかし強制はしていません。本人が納得したものでない限り、メモは「提出させられた」代物なのです。

町おこし157:ベコのヨダレ

2018-06-15 | 小説「町おこしの賦」
町おこし157:ベコのヨダレ
――『町おこしの賦』第5部:クレオパトラの鼻34
 猪熊勇太と穴吹健一が中心となって、酪農学勉強会が誕生した。第三土曜日の六時が開催日と決まり、最初の集いに八名が参画した。
 参加者の自己紹介と現状報告がすんだとき、磯分内の小林博行はユニークな話を披露した。小林は六十歳で、メンバーのなかでは最年長である。
「ねじめ正一という作家がいる。彼の書いた『ヨダレ』(『ニヒャクロクが上がらない』思潮社所収)という詩は、牛のヨダレは少しくらいの風が吹いても切れない。辛抱の象徴として表現されているんだ」
「それいいですね。この勉強会の名前にしましょう」
 穴吹健一がすぐに反応した。勇太が続けた。
「ベコのヨダレ。いいね。それにしても、小林さんは博学ですね」
 小林は、エッセイストとしても活躍している。ときどき北海道新聞に名前が載っている。

「ベコのヨダレ」の立上げを決めて、八人は居酒屋むらさきへと席を変えた。穴吹健一と小林博行は、本の話で盛り上がっている。
「ネット古書店を開設しているんですが、本が集められなくて困っています」
 穴吹の嘆きに、小林は熱燗を口に運んでからいった。
「おれの本をネットでさばいてくれてもいいよ。本の繁殖で、置き場がなくて困っているんだ」
「小林さんの本を売らせてください。売上は折半という条件でいいなら、ぜひやらせてください」
「いつも捨てているんだから、売ってもらえるならありがたい」
 
 猪熊勇太は、塘路で酪農をしている寺田徹と、にぎやかに話をしている。寺田は勇太と同学年である。第1部では中学時代に、藤野詩織にラブレターを渡したと紹介されている。
「たとえばだな、おれのところと猪熊のところが隣接していたら、二つを合体させて株式会社にした方が効率的だ。いくら愛情をこめて牛の世話をしたところで、零細ではたかがしれている」
「おれは廃業する近所の同業者から譲渡されて、規模を拡大したが、人手不足で体(てい)をなしていない。おまえが塘路を手放して、こっちで酪農をやってくれれば、鬼に金棒なんだけど」
「うーん、検討の価値あり、だな。株式会社か、いい発想だよ」