北円堂を知らずして奈良の歴史は語れない
「源氏物語とその作者たち(西村亨著・文春文庫2010刊)」を読んだ。---------
西村亨(にしむらとおる1926~2021)氏は、慶応大学(文学部)卒。折口信夫に師事し/古代学の継承と王朝の和歌/物語の研究してきた。慶応中等部教諭を経て/1970慶応大学(文学部)へ移籍/文学博士。1974教授となる。現在は同名誉教授。---------
この本「源氏物語とその作者たち」の目次は次の通り。“序章(作者としての紫式部)”、“物語の不思議な構成”、“巻々成立への関心”、“紫の君の物語”、“本格的な物語の構築”、“上と称せられる紫の君”、“紫式部の源氏物語”、“朝顔の宮追従”、
“紫の物語の終局”、“終章(男性作者の登場)”------------
この本「源氏物語とその作者たち」の内容紹介文は次の通り。古代の物語は/作者と読者が自由に入れ替わり加筆や修正が行われ成長する。源氏の構造から成長過程を解き明かす知的興奮の書。原稿用紙に換算して2500枚にもなる物語を/本当に紫式部一人で書いたのか。文体や登場人物の扱いなどに着目し/錯綜する展開を解きほぐすことで/見えてきたのは/光源氏死後の話である宇治十帖のみならず/多くの部分が/読者によって自由に加筆や修正が行われ成長していった事実だった。---------
西村亨氏がご存命なら、NHK大河ドラマ“光る君へ(2024)”を観て/どのような感想を抱かれただろうと思った/きっとお喜びになったに違いない。平安時代の王朝文学“源氏物語”は西村亨氏ならずとも/誰もが一家言(いっかげん)したくなる魅力がある事は確かだ。
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