北円堂を知らずして奈良の歴史は語れない
「臨終力(林望著・ベスト新書2011刊)」を読んだ。林望(はやしのぞむ1949生れ)氏は、慶応大学大学院博士課程修了、ケンブリッジ大学客員教授/東京藝大助教授を歴任した。専門は日本書誌学/国文学。書誌学者/作家として活動し、著書多数。------
この本「臨終力」の目次は次の通り。“人生を直視し応戦する(母が残してくれた最後の教育/明日も生きている保証はどこにもない/不幸や苦悩と闘うのが人生/大事なのは人生の山を降りる覚悟/死の時点から逆算して将来のプランを立てる)”、“心に北極星を持って生きる(本当に自分がやりたいことをやる/何より大事なのは夫婦関係が円満なこと/夫婦円満の秘訣はブリージングスペース/夫婦関係も親子関係も全ては信頼から始まる/子どもへの投資は惜しまない/親友は多くは要らない)”、“世間への恩返しを考える(人間は人との関わりにおいてのみ幸福を感じる/自分の正業を通じて社会に貢献する/歌う人も聴く人も癒される詩を/マイナスは人生のプラスの種/余生ではないここからが正念場/人と話をすることで得られる救い)”、“最期の瞬間まで健康に生きる(父の老いから教えられること/人生にはどんなことでも起こる/クオリティオブライフを落とさずに老いる/毎日欠かさず歩く)”、“60歳を過ぎたら貯蓄よりも減蓄(大事なものから処分する/子には遺産ではなく魂を残す/子どもに資産を残したいなら生前贈与をする/自宅が老人ホームになると考える)”、“自分の終末をイメージしておく(如何に死ぬかをパートナーとトコトン話す/組織を離れることを寂しいと思うな/人間関係を縮小する)”-------
林望氏は、満62歳時点で、この本「臨終力」を書いている。執筆年(2011)は東日本大震災の年であり、その影響が色濃く刻まれた本であると思った。当時より10年を経て今どのように感じておられるのか、変わりがあったのか無かったのか、その心境の具合を伺ってみたい気がした。変人気質らしい林望氏だから寸毫も変わりないと仰るとは思うけれど。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます