炉端での話題

折々に反応し揺れる思いを語りたい

諏訪市での液状化の記憶

2012-09-03 12:36:09 | Weblog
 内閣府から南海トラフ巨大地震の被害想定が発表されて、各自治体の防災関係者に緊張が走っている。長野県でも諏訪市で液状化の可能性があるという。
 このニュースを聞いて、小学生の時の体験を鮮明に思い出した。1944年、静岡県沖で発生した地震(記憶がはっきりしないが東南海地震と呼ばれているものと思われる)によって小学校が大きく揺れた。諏訪は静岡県から離れているが、静岡━糸魚川構造線と呼ばれる断層に沿っているので、東海地方の地震も強く伝わるのである。そのとき(小学5年生であった)私たちは体育館で授業を受けていた。大きな揺れと共に体育館の天井がみしみしと大きな音を立てた。先生の誘導で私たちは校舎の中庭に避難し、かたまって座り込んだ。周りを校舎で囲まれていたので倒壊の危険があったが、あまり怖さは感じなかった。
 しばらくすると、地面のあちこちから水が噴水のように噴出してきた。どんどん水溜りが大きくなる。水浸しになるのかと、恐怖を初めて感じた。どのくらい揺れと水の吹き出しが続いたかはっきりとは分からない。揺れが収まった合間に、中庭から外の、広い校庭に一勢に走って逃げた。
 後になって体育館を見に行ったら、屋根を支える梁が折れて、天井が崩れ落ちそうになっていた。校舎が沈みこむような被害はなかった。
 この地震については、戦時中の軍部が日本の大きな被害を敵国に知られないように報道管制をしいたのだが、アメリカは地震波の観測から地震の発生をちゃんと把握していたという。当時の日本の蛸壺ぶりを映し出していて、笑ってしまう。(青)

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