炉端での話題

折々に反応し揺れる思いを語りたい

嘘をついても許されるといったのはルーズベルトか。

2013-07-03 21:30:04 | Weblog
 政治家は嘘ついても許されるといったようなことを臆面もなく言ってのけたのはルーズベルト大統領であったか。今に始まったことではないが、日本の政治家もその時々に応じていい加減なことを言っている。
 大規模な金融緩和を半ば強制して、日本円が下落し、株価が上がると、「株価が上がることは景気によいことだ」と自画自賛し、更に、「経済は気分しだいですよ」といい加減な期待感を煽るようなことをいう人まで現れた。しかし、2ヶ月もたたないうちに株価が下落したところ、「株価についてはコメントする立場にない」という。財政担当の政治家は、「株が上がれば年金もよくなる」などとうまそうな話をしていたが、株価が乱高下すると「株は上がったり下がったりするものですよ」などと自分とは関係がないと言いたげだ。
 日本円が下がり輸出産業は一見潤っているようだが、早稲田大学の野口教授による(2013年1-3月頃の)分析によれば、評価額が上がっただけで、物の生産量そのものはそれほど増えていないし、設備投資も目だって増えていないので、実体経済はまだそれほどよくなっていないと言う。食料品その他の価格が上昇して庶民の生活を直撃すると、「景気指標を上げることと物価上昇を抑える妙案はないのですよ」などと言う。金融緩和で日本円が下落すれば輸入品の価格が上昇するという副作用があることは、在野の評論家がつとに指摘したことではなかったか。
 日銀の国債購入による金融緩和で、国債の金利が上がり、だぶつく投機資金で金融マーケットが不安定になることもはじめから懸念されていて、実際にもそのような動きになっているようである。
 政治家の言うことより、在野の評論家の指摘のほうが確かなように思えるのに、その批判が政治の中枢に届かないようだ。経済成長戦略にしても、かっこよい文字だけが踊っているだけで、具体的内容を示せないでいる。財政再建や、消費税増税をどうするといった、指摘される多くの懸念に対して、政治家はまじめに答えていない。
 与党も野党も、選挙目当ての論点のぼやかしや、問題の先送りをしてはならない(成長戦略の第4の矢も選挙が終わったら提示するのだそうだ)。いい加減な「気分」に乗った政策手法はとるべきではなく、空威勢の吹聴もすべきではない。地道な政治をして欲しい。(ボブ・ニールセン)

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