「やあ、きたか。待っていたよ。今日は手ぶらだって。いいよ、いいよ」
「オーイ、ばあさん。おいしいお茶があったろう。それを入れてくれ」
「そう、“ネコの脳のシミュレータ”と“なぜスーパー・コンピュータが必要か”は読んだ。しかしなあ、スパコンの性能は米国が群を抜いて優れたものをすでに販売しているし、中国でさえ日本のスパコンより優れたものができているというから、手遅れだよ」
「貧乏国になりつつある日本でスパコンをいまから開発するとすれば、かなり無理をしなければならないだろう。トップどころか2番目、3番目さえおぼつかない」
「オヤ、しょげてきたね。オーイ、ばあさん、熱燗をつけて。景気をつけないといけない」
「何故って。そもそもコンピュータの基本素子の性能と製造能力がすでに遅れをとっており、民間では新規開発の体力もない。“民間活力を利用しよう”といった首相がいたが、民間活力は海外に製造拠点が移ってしまったから失せてしまった。半導体工業界はバブルの後に空白の10年があったそうだ。業界がスパコンの開発から撤退していることはよくわかる。いわば死に体だな」
「スパコンの開発は先送りして、基本素子の開発から国策としてテコ入れしなければ、起死回生はできそうもない」
「なに、これまでは業界がスパコンの開発・製造に参加したのはどうしてかって。それはなあ。活力がある業界がスパコンの開発にかかわって大きな負担を背負った。その負担があっても新たな知見と知識が得られ、それを基に自社で製造・販売して、背負った費用を回収できたからさ」
「そう。これまでの国策プロジェクトは、必ずしも成功ではなかったかも知れない。しかし、波及効果はあったのさ。これからは、プロジェクトが成功しなければ、これを行わないようになると日本は三流の貧乏技術国に転落する、そのことだけはこの老人にわかる」
「おっ、熱燗を飲まないのかい。なに、すぐに帰って金のかからない基礎から勉強するって。それもいいが、まだ残った話がある。つきあえ」
「えっ。ワインがいいのか。オーイ、ばあさん。ヌーボーがとどいていなかったかな。
なになに、ヌーボーもガラス瓶からプラスチック瓶に変わったので、今年は届けないといってきたのか」
(納)
「オーイ、ばあさん。おいしいお茶があったろう。それを入れてくれ」
「そう、“ネコの脳のシミュレータ”と“なぜスーパー・コンピュータが必要か”は読んだ。しかしなあ、スパコンの性能は米国が群を抜いて優れたものをすでに販売しているし、中国でさえ日本のスパコンより優れたものができているというから、手遅れだよ」
「貧乏国になりつつある日本でスパコンをいまから開発するとすれば、かなり無理をしなければならないだろう。トップどころか2番目、3番目さえおぼつかない」
「オヤ、しょげてきたね。オーイ、ばあさん、熱燗をつけて。景気をつけないといけない」
「何故って。そもそもコンピュータの基本素子の性能と製造能力がすでに遅れをとっており、民間では新規開発の体力もない。“民間活力を利用しよう”といった首相がいたが、民間活力は海外に製造拠点が移ってしまったから失せてしまった。半導体工業界はバブルの後に空白の10年があったそうだ。業界がスパコンの開発から撤退していることはよくわかる。いわば死に体だな」
「スパコンの開発は先送りして、基本素子の開発から国策としてテコ入れしなければ、起死回生はできそうもない」
「なに、これまでは業界がスパコンの開発・製造に参加したのはどうしてかって。それはなあ。活力がある業界がスパコンの開発にかかわって大きな負担を背負った。その負担があっても新たな知見と知識が得られ、それを基に自社で製造・販売して、背負った費用を回収できたからさ」
「そう。これまでの国策プロジェクトは、必ずしも成功ではなかったかも知れない。しかし、波及効果はあったのさ。これからは、プロジェクトが成功しなければ、これを行わないようになると日本は三流の貧乏技術国に転落する、そのことだけはこの老人にわかる」
「おっ、熱燗を飲まないのかい。なに、すぐに帰って金のかからない基礎から勉強するって。それもいいが、まだ残った話がある。つきあえ」
「えっ。ワインがいいのか。オーイ、ばあさん。ヌーボーがとどいていなかったかな。
なになに、ヌーボーもガラス瓶からプラスチック瓶に変わったので、今年は届けないといってきたのか」
(納)
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