これまで、筆者は情報工学にすこしばかり関心があり、その学問的な基礎のイロハ程度のことはわかっているつもりでいた。
しばらくWindows 7 とつきあっていると、これは学問の世界による進歩からもたらされたものではない、感性の世界の展開であるという想いがする。パソコンと向き合って、いかにヒトが感覚的に楽しく、しかも容易に使えるようにすることに指向したシステムである。ゲーム感覚の延長線上といえるかもしれない。
パソコンに搭載するOSシステムを開発するエンジニアに要求される素質は、情報工学の学問的な基礎知識ではなく、優れた感性である。
一つ例を挙げよう。
タスクバーの領域にあるマークにカーソルを置くとそのタスクが実行中の様相を半透明な小さなのぞき窓を表示する。そのミニチュア・サイズの窓にカーソルを移すと、かりそめの全景の窓になる。さらに全景の窓をクリックするとその窓が実存に変わり、その上での作業が可能になる。WORDなどで複数の作業を同時並行的に実行し、しかもメイルを作成するなどは都合がいい。あるいはマッキントッシュで開発された技法をもとにしてWindowsで採用されたのかも知れないが、情報工学でのアカデミックな内容には関係がない。ヒトの感性にかかわる技法である。
タスクバーのプレビュー機能と紹介されている。
さらに楽しいこともある。
デスクトップの背景にスライド表示ができる。昨年旅行したおりに撮影した約600枚に上るディジタル写真をそのままスライド上映しながら、このブログも書き留めている。 ある写真では旅の想い出にひたり、しばしくつろぐ。
時には他人に撮ってもらった自分の顔に驚き、これはない方がいいと思う。あわててスライドからはずす。
これに味をしめて、古いカラー・フイルムのディジタル化も行っているが、今のディジタル写真にくらべると色彩の再現性は悪く、解像度もよくない。安物のフイルム・スキャナーのせいだけではない。さらによろしくないのは古いフイルムにはカビが生えていて変色していること、スキャナーで取り込むときにホコリが写り込むことである。
特にマイクロソフトから宣伝を依頼されているわけではないのから、このくらいにしておこう。
情報工学の基礎から学んだエンジニァではなく、ヒトにかわる感性を心地よく刺激できる能力を持った人材がパソコンOS開発に必要となっている。このような人材のことを、かっこうよくいうと「アクティブ・インターフェイス・デザイナー」、日本語で言えば「入出力操作装飾設計者」とでもいえよう。
これが Windows 7 を使い始めた初心者の感想である。
(納)
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