炉端での話題

折々に反応し揺れる思いを語りたい

太陽電池などのこと

2008-03-01 14:17:22 | Weblog
地球温暖化、化石原油の高騰、いまエネルギの問題が広く取り上げられている。
平成20年2月末、東京ビッグサイトで開催された太陽電池と水素・燃料電池展の見学にでかけた。
我が家でも、ささやかながら太陽電池の応用を数年前から試みている。安価な小型太陽電池を手にいれ、これにパソコン用の換気扇を直接つないだ装置をトイレと風呂場にそれぞれ独立に取り付けている。天候のいい日しか動かないが、故障もなくきわめて快調である。トイレの悪臭、風呂場特有の湿気などはこもらない。家全体のエネルギを供給する太陽電池システムまでは、高価で電力会社との契約も必要となり、とても手がでない。この程度であれば電力会社のご厄介にならなくともよい。
これが見学にでかける動機の背景である。
太陽電池の素材は、シリコンが主流である。シリコン結晶を使ったものと、シリコンを蒸着(シリコンを蒸気にして、ガラスなどの基材に付着)がある。配布されていたカタログをもとに試算すると、太陽エネルギによる発電量は、結晶を基にしたほうが約130W/平方mであり、蒸着では約75W/平方mである。価格は平均すると約500円/Wである。電力会社の価格はおよそ0.025円/Wである。もし家全体の電気エネルギを太陽電池だけで供給するとなれば、計算上は数十年かけないともとがとれないことになる。太陽電池のコストが高いのか、電力会社の供給する電力が安いからだろうか。太陽電池を作成するため、価格そのものに製造にかけられた電力などのエネルギ代が含まれているであろうから、製造コストがこれからどのくらい低減できるかが課題であろう。
少しばかり目についたのが色素増感太陽電池である。太陽の光エネルギ、色素を使ってとらえようとするもので、大学の研究室が参加して開発を進めている。シリコンを使わないから、低コストで実現できるかも知れない。将来に期待したい。
太陽電池のエネルギ供給は、太陽で照らされなければ働かない。夜間は発電しないし、雨とか曇っても発電量は低下する。ちなみに我が家の換気システムは、日照がなければ働かない。トイレにいて雲の動く様子がわかるのである。換気扇であるからいいが、太陽電池の電力だけで料理などはとてもできない。電気の安定供給のために電力会社と契約し、太陽電池の発電で余った電気を買いとってもらい、足らなくなったら売ってもらうことになる。
電力会社の援助を受けないならば、電気エネルギを蓄える必要がある。
電気を蓄える方式には、昔から使われている鉛蓄電池がある。この他にも最近ではニッケル水素電池、リチュウムイオン電池がある。いずれも高コストになり、保守も欠かせないし、寿命も短いから、電力会社の援助の方がすぐれている。
最近話題になっているのはNAS電池があるので、これについてつけ加えておこう。NAS電池は、ナトリュウムと硫黄を用いたもので、大電力の貯蔵ができ、効率も90%にのぼり、寿命も長いという。ただし動作時の温度が300℃なので大型化し、一般家庭で利用することは現在の段階ではできない。
太陽電池だけ用いて家庭のエネルギを供給できる様になるためには、いましばらく時間がかかりそうである。
(応)